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健康

第22回 川中温泉(群馬県) 温泉で美肌になる!? 日本三大「美人の湯」

高橋一喜の『これぞ!"本物の温泉"』

 ■アルカリ性の湯は肌の新陳代謝を促す
 日本には、いたるところに「美人の湯」、または「美肌の湯」と呼ばれる温泉が存在する。多くは美肌に興味のある女性客の注目を集めるために、温泉地や旅館が大々的にPRしている面はあるが、もちろん泉質的にも根拠がある。美人の湯のほとんどが、「アルカリ性」という特徴を備えている。
 
pH7.5以上の湯は「弱アルカリ性」、pH8.5以上の湯は「アルカリ性」と呼ばれる。なかでも、温泉成分が薄くて体にやさしい「アルカリ性単純温泉」という泉質は、pH値が高いほど古い角質層の新陳代謝を促す働きをもっているので、「美人の湯」とされている。
 
くすみをとったり、肌がつるつるになったりするというから、女性にはうれしいかぎり。ただし、角質がとれることによって乾燥肌になりやすいので、入浴後はすぐに保湿剤を塗るなどのケアを忘れずに。
 
「アルカリ性単純温泉」のほかにも、「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「硫黄泉」といった泉質も美肌効果が確認されているので、脱衣所などに掲示されている「温泉分析書」を確認して、自分の肌に合った「美人の湯」を見つけるのも温泉めぐりの楽しみのひとつだ。
 
 ■熱い夏にぴったり! 35℃のぬる湯
数々の「美人の湯」の中でも別格とされる温泉がある。それが「日本三大美人の湯」。いつ、誰が、どんな基準で選んだかといった由来は謎に包まれているが、古くから温泉好きの間では有名な話である。
 
 三大美人の湯とは、群馬県の川中温泉、和歌山県の龍神温泉、島根県の湯の川温泉の3つを指す。いずれもアルカリ性のしっとりとした湯で、肌がつるつるになると評判だ。
 
 3つのなかでも、個人的に好きな泉質をもつのが、川中温泉の一軒宿「かど半旅館」だ。川中温泉は鎌倉時代にはすでに湧いていたという歴史の深い湯。宿は築70年を超える本館が今も健在で、旅籠風の和風の佇まいが味わい深い。とはいえ、館内はところどころリニューアルされていて快適に過ごせる。
 
 温泉は、内湯と露天風呂に分かれる。渓流に面した岩づくりの混浴露天風呂は、広くて開放感があるうえに、素朴な風情も印象的だ。
 
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 露天もいいが、いちばんのお気に入りは、34.6℃のぬるい源泉が100%かけ流しにされている小さな混浴の内湯。
 
 温泉の効果を最大限に得たいなら、加温した湯ではなく、湧いたままの状態の湯に入るのがいちばん。ほとんど水のような泉温なので、浸かるときはひんやりと冷たいが、我慢してじーっとしていると徐々に体が熱をおびてくる。やさしくて、とろりとした感じの透明湯は、肌にしっとりとしみこんでいくかのようだ。特に夏の季節は最高に気持ちがいい。
 
 ■肌の弾力が回復し引きしまる
 ちなみに、川中温泉の泉質は、pH8.7の硫酸塩泉。やはり、美肌に効果があるとされる泉質で、肌の弾力が回復したり、肌が引きしまったりするという。
 
入浴後の肌を触ると、ベビーパウダーを塗ったかのようにスベスベ、サラサラ。「日本三大美人の湯」という肩書も大げさではない。特に女性におすすめの湯だが、女性を連れていくと男性の株も上がるだろう。
 
 宿の夕食も印象深い。派手さはないが、山の幸が充実しており、とくに地元料理である「おっきりこみ」という汁物は、すいとんのような食感の練り物が野菜と一緒に煮込まれていて美味。山の宿には山の料理が似合う。
 
 地酒をちびちびと呑みながら、食事処の他のテーブルに目を向けると、宿泊客の3分の2は女性客だった。さすがは、日本三大美人の湯。湯上がりの女性たちが、心なしか艶っぽく見えたのは、美人の湯のせいだろうか、それとも、酒のせいだろうか。

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