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戦略・戦術

第85回(前編)『2031年シンギュラリティが起きる?2031年に激変する日本を見据えた経営をする』~ヨーロッパ視察でわかった、日本の置かれた立場、日本はどう変わっていくのか?~

継続経営 百話百行

2025年5月の視察報告になります

まずは、
ヨーロッパ視察のダイジェスト映像をどうぞ

 

1.今回訪問場所 とデータ

1.1 今回の訪問場所

今回は、4カ国11都市を訪問・視察した。


具体的には、
イギリス(ロンドン)
 ↓
ポルトガル(ポルト)
 ↓
ドイツ(ケルン、マインツ、ハウエンシュタイン)
 ↓
スペイン(ビルバオ、サントーニャ、サンタンデール、ゲタリア、サンセバスチャン、アシュペ)

1.2 各国データ

今回訪問した国の中には、日本より人口や面積が小さくても、1人当たりGDPで日本を上回る国がある。
国の大きさや人口だけが、豊かさを決めるわけではないことが分かる。


1.3 各国都市データ

1.4 日本より人口が少ないが、4,000万人以上で、1人当たりGDPが高い国

ここを勉強すると日本の将来のあり方
特に地方のあり方が見えてくる。

人口増加を前提とした、アメリカ型の規模拡大型ビジネスをそのまま追いかけると、必ず中小企業は倒産する。

だからこそ、今、ヨーロッパを見るべきだと思う。

2.今回の視察で学んだこと

下記8項目を順に解説していく。

2.1 世界はどうなっているか?
1.日本の没落、韓国の躍進
2.観光業の躍進
3.AIの普及=単純作業の低単価化
4.ますます社会保障充実+賃金上昇+労働時間短縮

2.2 日本はどうすると良いのか?
1.産業のシフト(アメリカ型よりイギリス型?)
2.生産性の向上(コンセプト先行型)
3.キャッシュポイントの充実
4.人間の幸福度は老後にあり


2.1.1 日本の没落、韓国の躍進

イギリスに着くと、街中では韓国車が目立った。


ディーラーもいつの間にか韓国のメーカーが多くなっている。



イギリスは元々自動車大国だった。
1960年の英国の自動車生産台数はアメリカ、ドイツに次ぐ第3位
有名なイギリスの自動車メーカーは多い。
しかし、そのイギリスメーカーは現在は、イギリス資本ではなくなっている。

ロールス・ロイス→ドイツ BMW傘下
MINI →ドイツ BMW傘下
ベントレー→ドイツ フォルクスワーゲングループ傘下
ジャガーランドローバー→インド タタ・モーターズ傘下
アストンマーティン→カナダ・中国資本
MG(モーリス・ガレージ)→中国 上海汽車傘下
ロータス (Lotus)→マレーシア プロトン傘下→中国の浙江吉利控股集団傘下

軒並みイギリス外の資本だ。

それと同じように日本は自動車で、トヨタ以外は下落し始めた。
2024年10月〜12月世界新車販売ランキングは
1位 トヨタ
2位 VWグループ
3位 ヒュンダイ自動車、KIA自動車グループ(韓国)
4位 GM
5位 BYD(中国)
6位 ステランティス
7位 フォード
8位 吉利(中国)
9位 ホンダ
10位 奇瑞汽車
となっている。日本はベスト10に2社になってしまった。

家電もそうだが、自動車の業界でも
日本の没落と韓国の躍進が進んでいる。


2.1.2 観光業の躍進

観光業は21世紀の産業と言われるように
世界中で伸びている。
イギリス、ロンドンも観光客で溢れている。

その観光業が躍進するための要素の一つが、
キャラクターのようだ。

イギリスは
最も売れた児童書として
「ハリー・ポッター」があります。

ハリー・ポッターの有名な
魔法魔術学校へ向かう列車が出る「9と3/4番線」を
再現したオブジェが駅に設置されており、
そこで写真を撮ってもらえるサービスがある。
よく遊園地などにある撮影してもらった写真を購入するシステムだ。


その写真の価格が
最も安くて、15ポンド(約3,000円)だ。
https://www.tankslondon.com/info-kings-cross-station-london



その隣にあるショップでは
魔法の杖が売られている。


子どもたちがこぞって買っていましたが
32〜33ポンドだ。約6,400円〜6,600円。


本当に魔法が使えるようになるなら安いですが
単なる飾り箸のようなものがこの値段。
ぶっ飛びます。

ポルトガルのポルトでも
ハリーポッターシリーズの著者・J.K.ローリング氏が、1990年代初旬にポルトに住んでいた時に何度もこの書店を訪れ、ハリーポッターシリーズの世界観に影響を与えたと言われる本屋 「レロ書店」は入場料が必要な本屋として発展している。



入場料は、価格が上がっていて、10ユーロ。しかし、本を買うと10ユーロ引いてくれる。さらに驚くのは、独自の書籍が多いこと。写真集、ガイドブックはじめ、著作権切れの書籍を、表装をレロ書店独自にして販売している。思わず手を取りたくなる。もしかすると世界一利益率の高い書店かもしれない。
経営者の仕事は唯一、「キャッシュポイント」を考えること。レロ書店のキャッシュポイントは、非常によく考えられている。



年間120万人が来店。
入場料だけで1,200万ユーロ(約19億円)

◆観光業の躍進に必要なことは
1.景観
2.歴史
3.印象(キャラクター、ストーリー)
4.おいしいもの

これは、日本が世界でも有利な点だ。
これから日本も観光業でも世界有数の国になって欲しい。


2.1.3 AIの普及=単純作業の低単価化

野田の中学・高校時代の同級生で、ロンドンで世界最大級の債券系ヘッジファンドを創業し、経営している浅井氏に話を伺った。

浅井将雄氏
旧UFJ銀行出身。東京三菱銀行とUFJ銀行が合併する際、同僚と独立し2005年にキャプラを設立。預かり資産はおよそ350億ドル(約5兆円)と債券系のヘッジファンドとして世界最大級である。

(浅井氏とともにロンドンにて食事)

中学・高校の同級生で、同じサッカー部だったという同じ時間を偶然共有しただけで、超多忙な彼と食事しながらいろいろな話を聞ける時間を持てた。

衝撃的な話がいくつかあった。2031年はシンギュラリティが起き、AIが人間の平均値を超える。もう、人間は働かなくて良いかもしれない。ただし、超優秀な人間の想像力には機械も勝てないため、そうした人材は必ず残るとのことだった。

思ったのが、AIは、昼夜を問わず膨大な学習を行い、答えを見つける。これには、人間は絶対に勝てない。

しかし、数多くの体験に基づいた、まったく新しい分野を創造することは、人間の領域だ。ということは、体験をたくさんできているかどうかが次世代の力になる。

スポーツ、絵画鑑賞、観戦、旅行などリアルな体験をし、どう感じるか?これが、これからの経営者には超絶必要だ。体験に基づく判断は、機械にはできるかもしれないが、膨大な時間がかかる。一方、人間は瞬時に判断できる。

彼に質問した中でハッとしたことがいくつかあった。
・できる人と、そうでない人の違い
 (能力があり、結果を出せる人と、そうでない人の違い)
 →仕事には敏感、感情には鈍感(簡単にいうとポジティブ思考で、くよくよしないということだ)

・2031年に日本の財政は破綻する(デフォルトまでは至らない)1ドル360円になる。しかし株価は8万円。
 →世界から見ると、日本は他国との差が広がる。しかし、国内だけを見れば自国通貨であるため対応できる。ただい、日本人は、海外旅行を諦めざるを得なくなる。

・日本の労働者が権利を行使しないことが賃金低下につながった
 →ストが、私の子どもの頃は頻繁にあったが、今はなくなり、従業員が従順になった。これは、経営者が悪い。優秀な人をしっかり評価し、優秀な人が集まる会社をつくらなければならない。会社の業績伸び率と、従業員給与の伸び率が大きく異なる会社はよくない。従業員のための経営をしていない。

余談だが、彼の会社は、600人。うち、100人がAI技術者。彼の会社はMITやプリンストン大学など、世界有数の大学の博士号取得者が多い。平均給与は2億円だそうだ。
日本は政治が悪い、イギリスでは、二世議員は親と同じ選挙区から立候補できないという。

刺激的な時間だった。

2.1.4 ますます進む社会保障の充実+賃金上昇+労働時間短縮

ヨーロッパ、特にドイツでは、
社会保障の負担はますます重くなり、賃金は上昇し、労働時間は短くなっている。

労働の実態は、
週35時間
残業は年間48時間(実態は15時間)
というのが一般的なようだ。

(ドイツにて、家具の輸出入業社長から話を伺った)

そして、
「閉店法(Gesetz über den Ladenschluß: LadSchlG)」
特定の例外を除き、日曜日および祝日は店舗を閉めることを定めた法律である。
休日には、多くの店が営業していない。

さらに、
・予約した特急列車が来ない
・宅配は届かない
・修理の約束時間には来ない
・工事は予定通り進まない
それなのに、日本よりGDPも、1人当たりGDPも高い、なぜ?

社会保険料負担率(2023年)比較
バルセロナ(スペイン)
雇用者 30.4%
被雇用者 6.45%

ブリュッセル(ベルギー)
雇用者 25.30〜27.05%
被雇用者 13.07%

ミュンヘン(ドイツ)
雇用者 20.56%
被雇用者 19.6〜20.2%


パリ(フランス)
雇用者 44.20%
被雇用者 20.58%

ワルシャワ(ポーランド)
雇用者 19.48〜22.14%
被雇用者 22.71%

東京(日本)
雇用者 15.71〜25.37%
被雇用者 14.75〜15.76%



雇用者=雇い主
被雇用者=従業員

このように比較すると、二つのことが見えてくる。
一つは、日本の負担率が低いことと。
もう一つは、企業側の負担率が低いことだ。

今後、日本も、企業負担は間違いなく上がっていくだろう。

そして、
日本はもっと高付加価値・高単価に移行しなければ、
世界から遅れる可能性がある。(後編に続く)

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