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戦略・戦術

第83回『視察レポート!世界はますます2極化 勝ち組と負け組の違いは何か?~アメリカ&CES視察レポート ポートランド、ラスベガス、メキシコシティ~』

継続経営 百話百行

今回は、2024年1月に行った
カナダ、アメリカ、メキシコ視察内容になります。

(1)各国データ

【面積】
カナダ  日本の約27倍(ロシアに次ぐ世界第2位)
アメリカ 日本の約25倍
メキシコ 日本の約5倍

【人口】
カナダ  約3,699万人(2021年カナダ統計局推計)
アメリカ 約3億3,500万人(2023年10月米統計局推計)
メキシコ 1億2,601万人(2020年国立統計地理情報院(INEGI)

カナダ  日本の約3割
アメリカ 日本の約2.4倍
メキシコ 日本の約1倍

【公用語】
カナダ  英語、フランス語
アメリカ 英語
メキシコ スペイン語

【GDP】
カナダ  1兆9,906億米ドル(2021年、World Bank)
アメリカ 25兆4,627億ドル(名目、2022年)
メキシコ 1兆4140ドル(2022年IMF)
日本   4兆8941億ドル(2021年)

カナダ  日本の約40%
アメリカ 日本の約5.2倍
メキシコ 日本の約0.29倍

【1人当たりGDP】
カナダ  48,310ドル(2021年、World Bank)
アメリカ 76,398ドル(2022年)
メキシコ 10,868ドル(2022年IMF)
日本   39,312ドル(2021年)

カナダ  日本の約1.23倍
アメリカ 日本の約1.94倍
メキシコ 日本の約0.28倍

 


(2)訪問都市データ

【人口】
バンクーバー 678,984人 カナダで 8 番目に大きな都市
             年間増加率は0.91%
ペンティクトン 35,225人 年間増加率は0.53%
ポートランド 608,630人 太平洋岸北西部ではシアトル、バンクーバーに
             次いで 3 番目に人口の多い都市
             年間-1.72%の割合で人口が減少
ラスベガス  657,398人 年間0.54%の割合で成長
メキシコシティ22,505,315人 都市圏人口 約年率1%増加
              スペイン語圏では世界最大の都市
        8,918,653人メキシコシティのみ
カンクン   1,045,005人 年間変化率2.19%

 

(2)進化は、便利へと進む

必ず世の中は便利へと向かう。ただし、
それの対局不便(=趣味)にも進む。
つまり、ビジネスは、この2つの方向がある。

便利は
競争が激しくなるので、どんどん価格競争になり値段は下がる。
そして、より普及していく。

デジタルカメラも、スマホも、自動車もそうなっている。

その対極の不便
これは、価格が上がっていく。
そして、その分、対象人口は減っていく。

こちらは、中小企業に向いている。
具体的にはどんなものがあるか?

(2)進化は、便利へと進む

「中小企業は、不便を狙え!」

人間は必ず便利になる方向に進みます。
一度、ウォシュレットを使ったら
もうやめられないし

小学校の時自転車で出かけていたのが
車を使えるようになったら
もう自転車に戻ることはありません。

電話も携帯、スマホを知ってしまったら
戻れません。
このように便利の方向に世の中は進んでいきます。

しかし、
便利になればなるほど
時間が余るので何かしたくなります。
その時に何かするのが趣味で
趣味は、便利じゃない方が良いのです。

だから、
どう考えても、車の方が楽だし、便利なのに
趣味で自転車を乗る人がいます。

どう考えても、ストリーミング音楽(配信音楽)の方が
楽で便利なのに
レコードをわざわざかける
そんな人が増え、レコードの製造枚数は増えている。

便利には間違いなく進むが
ここは市場が大きくなるので
競争がいっぱいあり、
どんどん価格競争にもなります。


しかし、不便=趣味の分野は
人数も少なく、趣味ですから
多少お金が高くても買います。

なので、大量生産できない中小企業には
逆にもってこいで
少量だけど、高い。その分付加価値も高くする。
これが中小企業の戦略としてはあっているのだ。


そうは言っても、便利の方に世界は進んでいる。

バンクーバーでは

入国も、Kioskという名の機械で日本語で、
あっという間で、
入国に機械入力3-5分
あとは、紙を見せるだけ
Uber乗るまでに降機後30分で完了した。


ライドシェアのUBERも
旅行者にはとても便利なツールだ。
これだけ旅行者が増えた日本も
早く解禁してほしい。
(現在解禁しているがまだ限定的)

(飛行機降りて、UBER呼んで、UBER乗れる場所まで30分)

(場所もわかりやすく、しっかりと看板も出ている
 それも、英語以外に、フランス語、中国語が、並記されている)

メキシコシティの空港も
長蛇の列だったが
日本のパスポートは自動ゲートを利用でき
スムーズに入国できた。

(メキシコの空港、写真右奥に、自動のゲートがある)

「進化は、便利へと進む」ことを
カナダ、アメリカでイヤというほど体験したが
日本人は、識字率も高く、理解度、処理能力が高い。
アメリカ人はそうでもない。
だから、機械化(便利化)が進みやすい。
日本人は優秀なために機械化、省人化の導入が遅く
結果として生産性が低くなっている。
ここは改善していかないといけない。

便利=生産性アップが進むと少数の支配者になる
その結果、資産の二極化ができる。

日本は、
一つは、高付加価値趣味ビジネスをもっと進化させる。
もう一つは、もっと省人化を考える。
これが必要になっていく。

(3)「世界のスーパー、価格と販売方法の違い」

(3)1. 価格比較(そのお店の最低価格)

カナダ 視察時1ドル110円 購買基準で見ると1ドル80円くらい
アメリカ視察時1ドル150円 購買基準で見ると1ドル100円くらい
メキシコ視察時1MXN8.9円 購買基準で見ると1MXN6円くらい

卵12個入り(かっこ内 最初が為替換算、右側が購買基準、差が為替の違い)
バンクーバー 5.09ドル(約559円)(約400円)
ペンティクトン5.39ドル(約590円)
ポートランド 3.99ドル(約598円)(約399円)
ラスベガス  2.78ドル(約410円)(約278円)
メキシコシティ    33.5MXN(約300円)(約200円)

トイレットペーパー12ロール
バンクーバー 9.49ドル(約1,040円)(約750円)
ペンティクトン13.69ドル(約1500円)
ポートランド 13.99ドル(約2,090円)(約1,399円)
ラスベガス  11.88ドル(約1,780円)(約1,188円)
メキシコシティ    96MXN(約860円)(約570円)

ポートランドは、NEWseoson
ラスベガスは、ウォルマート
メキシコシティは、ウォルマート


(3)2.各国のスーパー特徴
■カナダ、ペンティクトン クオリティグリーン 
すごく綺麗な陳列。
オーガニックなどを多く陳列。
そういうのを好む人が多かった。

■アメリカ、ポートランド ニューシーズンマーケット 
ポーランドの地元スーパーで、オーガニック、ビーガンなど
良いものを買いたい人で賑わう。

このスーパーが出来れば、不動産価値が20%アップするといわれるくらい地元民にとっても愛されるスーパーです。いや、愛されるというよりは応援されるという表現が正しいかもしれません。

地産地消の意識がずば抜けて高いポートランド市においてこのスーパーは特別な存在なようです。

とにかく、お店のスタッフさんたちがフレンドリー。気軽に話しかけてくれたり、果物を食べさせてもらったり。

生産者とのつながりを大切にしているスーパーでサスティナブル(持続可能な)なつながりに重点を置いています。売り方が分からない生産者への支援を行ったり、アドバイスをしたりと日本ではあまり聞いたことのないお話ばかり。

それにより、生産者の意欲が向上し品質もよくなり顧客の満足度もあがってみんなハッピーどいう感じ。
誰のために何のために農作物を育てるのか、そこが明確化され売上もしっかり入ってくるので、いい循環が生まれています。

決してお値段も安いわけではなく、これも買いに来る方が生産者を応援するという意味合いで購入する背景もあるそうです。誰が作っているか分かる安心感もありますね。

定期的に開催される、生産者が直接消費者に販売するファーマーズマーケットの支援を行っているのも、このスーパーの心意気。
イートインコーナーもあるのですが、地域住民の為に無料で貸し出し、色々な気づきがあるスーパーです。まさに、近江商人の三方よしの考え方を地で行っているNEW SEASONS MARKET。
https://www.sumais.co.jp/co_diary/93d2755bbbe12306194832ee60aa38e6.html より


(入り口にあった、看板)


来店時に、日本にもそのうち来るだろうなと思ったのが
ココナッツウォーター。
そろそろ日本でも見始めるようになった。


■アメリカ、ポートランド People’s Food Co-op 
とにかくここは、上記のお店よりもっと
こだわりが強いスーパーだった。

店自体は小さいのだが

ショップのサステナビリティポリシー
1 安く買える
2 必要なものだけを買って、フードロスを減らす
3 買った時の容器のロスを減らす
4 二酸化炭素の排出量を減らす

とあり
調味料なども
空き瓶が置いてあり量り売りがほとんどだった。
ちょっと行きすぎるぐらい最先端なスーパーでした。

(量り売りが多い、測って購入しようとしている人)

(測った物を入れる空き瓶も多く販売されていた。)

(いろいろな種類のスパイス、すべて量り売り用)
(コロナは収束していたが、このお店では、マスク直youしないと入店できない時間帯があった)

(液体の調味料も量り売り)


(ハーブオイルもたくさん置いてあった)


非常に面白いお店だった。ポートランド行かれた際には、覗いてみてください。


■アメリカ、ラスベガス ウォルマート
言わずと知れた世界最大の企業ウォルマート。


安いだけではなく、陳列がしっかりしている。


このお店で面白いなーと思ったのが
ペットのタグをつける自販機や
プロ仕様の掃除機やバキュームが
レンタルできる自販機があった。

(4)「従業員目線と、お客様目線が違う」

アメリカ、カナダでいろいろなお店に行くと
アメリカの考えと、日本の考えはここがまったく違うのかと気づいた。

カナダで
有名なドーナツ屋さんTim Hortons(ティム・ホートンズ)
そこに行き、注文をすると
注文したスープと違うものが出てきた。

「これ、違うよ」
というと店員さんは
「売れ切れていて、他のものにするか、このままかどちらがよいか聞いてきた。」

じゃーもう要らないから返金してというと
システム上、ものすごく大変で時間かかるけど良いか?と
言ってきた。

会社の仕組みも、従業員の対応も
日本はお客様目線でいろいろな仕組みが出来上がっているが

アメリカ、カナダは違う。

従業員目線でできているのだ。
同じ値段の商品の交換はすぐにできるのだが
返金をするとなるとすごく面倒な仕組みになっている。

つまり、
お客様にとってより良い方法ではなく
従業員がもっとも簡単にできるようになっているのだ。

もちろん、日本より治安が悪い国なので
なるべくお金を触らなくても良いような考え方も
あるのだろうが。

お店の閉店間際の対応も
日本ならお客様がいれば対応するが
北米は時間なるとお客様がいてもシャットアウトする。

お客様がいないと商売にならないが
同じくらい従業員がいないと商売にならない
だから、アメリカほどではないにしても
日本はもう少し従業員目線にものごとを考えても良いと思う。


(5)「スクラップアンドビルドの激しいアメリカ」

1992年にオープンしたフォーラムショップは
1999年(平成11年)8月にお台場にオープンした
ビーナスフォートのモデルになった場所
天井が特徴で、約1時間のローテーションで、昼の青空から夕焼けに、そして日没、夜空へと変化し、朝焼けの空から再び昼の空へと変化する

ラスベガスのフォーラムショップも
お台場のビーナスフォートもできたときには
ビックリする演出でした。

しかし、ビックリするものは
何度も経験すると当たり前になり
ビックリもしなくなります。

そして、
お台場のビーナスフォートも終了することになり
新しいものに変わる計画があるようです。

このように
古いものを壊し新しくしていくのをスクラップアンドビルドと言いますが
アメリカは実にそれをうまく行われていて

ラスベガスも
毎年のように新しいものができている。

今回行ったときには
AREA15という、同じネバダ州にある宇宙人で有名なAREA51の
パロディなアトラクションの場所が新たにできていた。

これも初めて行くと興奮します。

そして、総工費23億ドル(約3500億円)かけてできた
半球状のドーム、スフィア(Sphere)がオープンした。

(スフィア(Sphere)昼の風景 筆者撮影)

ドンドンぶっ壊して新しいものを作り
ビックリさせる。
新しくできるたびに、お金が上がっていく。

(Sphere夜の風景 球場の液晶になっている)

スフィアは、中を見学し、45分くらいの映像を見るチケットで
109ドル(当時で16,000円)だ。

(店内はスターウォーズのように未来的な演出 筆者撮影)

アメリカはすごいなーとは思うが
これを真似ると、日本は沈没する。

アメリカは、基本人口が伸びている。
人口が伸びている時と
人口減少しているときでは投資の仕方は異なる。

日本は、人口が減少しているのだから
大きな投資をすると、建設当初と
投資回収が変わるし
維持費は1人当たりで考えると大変になっていく。

だから、日本は
興奮ビジネス(ビックリする、回数重ねると慣れ興奮しなくなる)
よりも
感動ビジネス(何度経験しても飽きない)を目指すべきだ。
例えば、歴史的建造物や芸術は何度も見たくなるし、何度見ても感動する。
伊勢神宮などは、日本人でも何度でも行くのではないか?
こういうのを目指すのが良いと思うのです。

だからこそ、今、経営者はアメリカではなく、ヨーロッパを学んでほしいのです。


(5)物価上昇が激しいメキシコ、アメリカは幸せになりにくい」

好調だった、ホームデポが下降気味だ。
その理由は、提案は良いが、価格上昇が激しいから
消費者が疎遠になってしまった。


経済も成績も上昇するのが良いとされるアメリカ
しかしその対極には「安定型」がある。

ここで、「上昇型」と「安定型」を比較したい。

「上昇型」
価値が上がる
給料が上がる
興奮しやすい
使いやすい
が、疲れる
振り落とされた人は、脱落

「安定型」
貯蓄しやすい
企業経営は、安定した賃金上昇を
大前提とした、経営戦略が必要だ

安定といっても
小さく成長するのは可能だし、大切だ。


上昇、上昇で走ってきたアメリカやメキシコは
上を見るとすごく良いのだろうが
皆が走っている中で
しんどくなって置いてきぼりになった人たちは
弾き飛ばされる。

アメリカやメキシコでは
数多くのホームレスを見たし
アメリカポートランドでは
明らかにコロナ前より
ホームレスのテントが増えていた。

(ポートランドのダウンタウンを走行中車内から 筆者撮影)


(6)価格が安いものに人気が集まりそうだ。

物価上昇が激しい
振り切られた人も大勢いる(ホームレス、犯罪増加)
サンフランシスコは犯罪増加(ホテルをパトカーが囲む)

こうなると、2極化していく

良いのは
富裕層ビジネス

低価格ビジネス
ウォルマートを始め大きな企業が参入している
ここのマーケットが大きい。

そして
中間層向けががダメになりそうだ

(7)「店舗は難しい、残るところは体験型だけになりそうだ。」

ネット通販との融合が進み
ますます、実店舗は確認や体験のためのショールーム化し
買うならネットのほうが安く届けてくれて便利になりそうだ。

買い物は2種類に分けて考えるとわかりやすい。

Buying(バイイング)とShopping(ショッピング)
前者は
買わねばならないもの
楽しむものではなく生活必需品のようなもの。
ネットが主流

後者は
見る、体験が楽しい
ウィンドウショッピング代表されるように
店舗が主流

この2つを融合しながら
どう展開していくかを検討していくと良いようだ。

 


(8)改めてアメリカのすごさは
 「コミュニケーション」「セレブレーション」「マニュアル」にあること

■ アメリカは、移民の国として発展してきたため、言語や人種がさまざまです。
  そのため、次のことが発展したように思います。

  それは、経営にとってとても大切なことだと思います。

■ コミュニケーション
  わかりやすさ

  伝わりにくい環境があったため、
  逆にわかりやすさが発展したように思います。

  ノードストロームの従業員ハンドブック。
  スチューレオナードのポリシー。

  お店も何屋かわかり易い。

  伝わりにくい環境
  識字率 日本 99.8%
      米国 79%~50%(正確なデータは把握されていない)

■ セレブレーション
   エンターテイメント性
 
  これも、伝わりにくい環境が背景にあったため、
  自分の感情を表現する方法としてエンターテイメント性が発達したと考えています。

  バースデー、クリスマス、感謝祭、などなどのイベント

  お店での表現力、ウエッグマンを始めとする、アメリカの陳列技術には驚きとともに勉強になります。


■ マニュアル

  マニュアルは、従業員を育てる上で最低限必要なもの。それを、マニュアル通りなど、マニュアルが悪いように思われているのは、マニュアルを最低限のレベルと教えられなかった、日本の経営者のミスだ。


生産性を上げるために
考え直さないといけない。

・わかりやすさ
・誰もができる
・人を讃える

これを進化させていくのが日本の生産性を上げるひとつになりそうだ。


(アメリカポートランドにあった駐車場、自分でネットで支払う仕組みになっている
 人を介さない、それと、会社側に負担がない個の両立が生産性を上げているアメリカの理由だろう。
 日本は、必ずと言って良いほど、精算機がある。精算機の導入維持管理費は高い。)

(9)「環境、サステナビリティ、健康がますます注目される。」

世界最大のテクノロジー見本市CES。2024年1月で感じたのが
「環境、サステナビリティ、健康」の出店の多さと、関心の高さです。

■自転車
スタートアップに何社かあったのが
自転車。
それの中で面白かったのが
自転車のタイヤのスポークがないタイプ。
それは、今結構あるのだが
そのタイヤの中心に広告を映し出す。

そして、それをそこの会社はネットワーク化しようとしている。

つまり、自社の自転車を購入してくれると
広告収入も入りますよってモデル。

さらには、走れば走るほど収入も上がる。
健康と収入が比例するのも面白い。

これは、ギグワーカーと呼ばれる
インターネット上のプラットフォームサービスを介して単発の仕事を請け負う労働者が広がったように
これからは、製品を出すにもつなげる能力が必要。
キーワードは、「広告、稼がす」ということのようだ。


■技術の深化、日本が強い!

今回面白かった、興味深かったのに
スタートアップで日本企業の評判が良かったこと。

0から1にするのは、アメリカが強いのかもしれないが
1から100にするのは、日本が強い。

ひとつは、LEDの液晶がテープになっていて
例えば、エスカレーターの手を変えるベルトが全部液晶になるとかできる
液晶テープの会社があった。用とは様々だがいろいろできそうだ。

メガネをかけると、自動で焦点を合わしてくれる。
近視でも、遠視でも、老眼でも瞬時に合わせてくれる。

老眼と近視用の2つを持たなくても良いし
目の度数が変わっても変える必要がないメガネ。

人の声がハッキリ聞こえるスピーカー。
この原理を知ったときに驚いた。
あんがい、改善は少しの工夫から生まれるようだ。

日本のスタートアップ企業は熱い。

■ サステナビリティ、環境の意識がますます高まっている。

ホンダは、「0(ゼロ)シリーズ」というゼロエミッション車の電気自動車を発表していた。2026年発売予定らしい。

LGやSamsungのブースでも
エネルギーの循環システムを展示していた。

3Mでは、通販の伸びで梱包材も使用が増え
それを廃棄罪から作って梱包材にするものが出ていた。
すごく良いアイデアだった。

■ 健康分野は進化している。

3,4年前から発展してきた分野だが
そのころは、スキャニング、センサー、ウォッチ型などで
より良くなるためのものが多かった。

それが、ここに来て
事前、予防の分野が進化し
さらに、良いではなく
よりパフォーマンスアップにつながるものが出てきている。

(10)「カナダ一のNO1チェーン店」

カナダで、人気なファーストフード店Tim Hortons(テムホートンズ)に行かれてみては?

全カナダ3579店
スタバは、カナダに、1445店で
スタバを圧倒してます。

日本のマクドナルドが、
2,950店なので
カナダ人口3825万人と、日本の約3分の1しか、いない国で店舗数としては、非常に多いことがわかります
ちなみに、カナダでのマクドナルド店舗数は、1,370店です。

ドーナツ屋さんが元ですが
日本のミスタードーナツのように、いろいろあります

サンドイッチおいしいです。

https://www.timhortons.ca/


(11)「ビーガンバーガー」

「ネクスト・レベル・バーガー」というポートランドにある
ビーガンのハンバーガーショップ。
オーガニックかつNo GMO(遺伝子組み換えでない)食材で、100%植物性のバーガー。

植物性だから、味はどうなんだろうと思っていたのですが
これが、ハンバーガーとしておいしい。
ちゃんと、肉肉しさがあるのです。

そして、値段も他のハンバーガー店と変わりがない。
これなら流行るだろうなーと
すごく納得したのでした。

Classicバーガー
シングル 7.95ドル
ダブル 10.95ドル
シェイク 7.45ドル

https://www.nextlevelburger.com/

(12)「ナイキから学ぶ」

・会社の歴史は、価値を伝えるもの
会社組織は、根底で何かでつながり、
大切にするものなどをわかりやすく社員で共有しないと
バラバラになってしまうので組織力が発揮されない。

バラバラな組織は
綱引きと同じで
数が多いと総和力が上がるかといえば
そうでもない。

1+1+1が3以下になるのがバラバラの組織で
優れた組織は3以上になる。

そのためにナイキは
創業時をわかりやすく伝える
展示室がある。

ここから始まったというのは
根底で価値観をつなげるのにすごく良い。


・何を大切にするか?(ナイキは、根性、ビジョン、製品)
これをわかりやすくするために
創業期の3人をモデルに語られている。


・人の名前を讃える
本社のすべてのビルは、選手の名前がビル名になっていて
讃えるようになっている。

・いつまでも讃える
引退しても、讃える。
これは、選手だけではなく、ビジネスパートナーもそうで
ナイキが業績悪く大変だったときに
日商岩井(現双日)が助けた。
その恩を忘れないように
日商岩井を讃える日本庭園が本社内にモニュメントともにある。そして、今でもナイキ社員と、日商岩井とで集いがあるそうだ。

・アイデアは井戸端会議(Hall way conversation)
アイデアは人と人との雑談から生まれると言われるが
それができるような、事務所の作りになっているそうだ。

・評価の仕方
 どういうプロジェクトをしているか?
 どういうアイデアを出したか?
 ポジティブか?
 マルチプレーヤーか?
 チームのためになっているか?
 相対評価であり、360度評価(他部署が評価)
 を対談の上にしているそうだ。
 相対評価は、特に日本の中小企業は、取引会社に評価してもらうと良いと
 すごく感じた。


(13)「業績良いお店の数々」

■どこで儲けるかを考える(キャッシュポイントはどこか?)

■北米に174店舗ある「バス プロ ショップ」
2023年73億ドル(約1兆円)売上
うち4億8630万ドル(約730億円)がインターネット通販
https://www.basspro.com/shop/en
https://www.statista.com/statistics/1131415/bass-pro-retail-sales-us/
https://ecommercedb.com/store/basspro.com

とにかく日本では経験したことがない大きさの店舗だ。
アウトドアが好きな人なら
見ても楽しいお店。

アメリカ行かれるなら見てみると面白い。

ここのキャッシュポイントは
・安い土地に出店する(経費削減)
・PB商品が多い(利益率アップ)
・リピート率アップのため消耗品を通販で販売
これがここのキャッシュポイントだ。

ちゃんと利益が出ること、
どうリピートするか?
これは、最初から考えておかないといけない
経営者の役目であろう。

■アメリカ408店舗の「In-N-Out Burger」
2023年 5億7500万ドル(約860億円)の売上
1店舗当たり、2億円以上の売上
https://www.in-n-out.com/locations
https://www.zippia.com/in-n-out-burger-careers-27105/revenue/
https://leadiq.com/c/in-n-out-burger/5a1d89f42400002400635117#

ここのお店は西海岸で有名なハンバーガー屋さん。
確かに美味しい。
しかし、美味しいだけは飲食店は儲からない。
キャッシュポイントがどこかによる。

ここがすごいのは
メニューの絞り込みだ。
どんなお店会社でも
商品点数、サービス点数を減らすことができれば
利益効率は上がる。
しかし、吉野家の牛丼が狂牛病の時に苦戦したように
単品商売は効率が良いが何かあったとき弱い。

だから、メニューはある程度そろえるのだが
うまくいっている分には単品勝負はとにかく
利益率が良くなる。

ここのメニューは
ハンバーガが3種類
(ダブルダブル、チーズバーガー、ハンバーガー)
フレンチフライ
あとは飲み物
飲み物は、ドリンクバーなので
メニューとしては、ドリンクバーとシェイクだけになる。

これができるには
おいしさの品質を落とさないことが前提になる。


■sam’s club(サムズクラブ)好調な理由は?

サムズクラブの純売上高(会費を除く)は43%増加した。パンデミックによる在庫問題やインフレの長期化にもかかわらず、既存店舗の売上高は12四半期連続で2桁の伸びを記録している。
平均賃金を31%(会計年度比)引き上げた。

6つ変革
1つ目ゾーンディフェンスとでもいうべきワークグループへ変えた
 職務コード62%減らし。

2つ目の変革は、ブロックスケジュール制度を導入。
朝、昼、夜のシフトわかるようにした。

3つ目は、クラブの品出しを夜間から日中に移した。

4つ目は、「マーチャンダイジング・リセット」と呼ぶもの。SKUの数を減らし、パレット主導にし、手作業による棚への品出しを減らすことでした。これは品出しの作業を簡素化する大規模な取り組み。

5つ目は、一連のアソシエイト向けアプリの導入です。「アスク・サム」(サムに聞け)を使えば、商品の価格や場所、在庫状況を調べることができます。

6つ目は、賃金投資として実施した賃上げの第1弾です。賃上げは、他の変革とうまく足並みを揃える形で実施したかったので、これは変革が進むにつれてさらに賃上げをすることを前提とした第1弾でした。

(サムズクラブは、会員制だ。だから会員にならないと入店できないし、買い物ができない。しかし、会員でないが入りたいと、お客様カウンターに行ったら、できないと言われたのだが、少し待ってと、マネージャーを呼び出し、マネージャーが、1回限りのパスを出してくれた。顧客対応も満足行くお店だ。)

(14)「メキシコで思ったこと」

メキシコシティは、メキシコの首都。
標高が2,240mと高く
軽い高山病になる人もいるようだ。

そのメキシコでは
歴史の資料館や、教会を見て回った。

その時にわかったのが
日本は、先祖が優秀で
今の日本を遺してくれたと
感謝しなければならないと言うこと。

メキシコは、紀元後200年頃に建てられたピラミッドがあり
当時は高度な文明があったとされている。

その後1520年頃に
スペインがやってきて
征服をした。

征服の仕方は
どこの国に行っても同じやり方などだが
まず、宗教、キリスト教を持っていく。
そして、貧しい、食べられない、自由がないのは
統治している人が悪い
お祈りをしようと
宗教を普及させていく。

その次に
一揆のように王様が悪いとスペインが
市民の力を手助けして闘う。

当時のメキシコは鉄の無い国だったとかで
鉄、鉄砲を使うスペインに歯が立たず
あっという間に植民地になってしまう。

宗教が悪いわけではないが
それを利用した王様が一枚上手ということだろうか。

スペイン、ポルトガルは日本にも同じ頃に
来ていたが
日本の当時のトップ
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康は
技術や科学などは上手に取り入れ
宗教の普及はまずいと思ったのかさせなかった。

そのおかげで
世界中が植民地化されていったのに
日本は助かって、今がある。

ものすごく、ありがたく
今も自由に日本語を使い、日本人として
やっていられるのは
日本の先人のおかげだろう。

と言うことがメキシコでつくづくわかった。

とても面白い旅だった。


最先端を勉強するのと
過去の歴史を一緒に学ぶ。

それが贅沢な勉強方法かもしれない。


メキシコの首都メキシコシティは、標高が高いところが貧しい地域だそうだ。
スラムのようになっていて、その町を、ロープウェイが結ぶ

ロープウェイが綺麗だな、観光用かなーと思ったら異なり
もっとも、敷設が早く安いのだとか ピラミッド、エジプトのようにお墓ではなく、祭壇。
テンプロ・マヨール。アステカの中心都市テノチティトランの中心にあった巨大な神殿跡地。
スペインによって侵略・破壊された。

メキシコシティは元々湖、スペイン侵略後埋め立てられた。


(15) まとめ

●賃上げ=効率上げるをセットで会社に導入すると、社員は受け入れやすい
●生産性アップ=利益アップという発想で戦略を練る 
●時代適合が大切、それにはつなげる能力がポイント
  例えば、
  本屋とジムをつなげて新たな付加価値を作る。
  自転車のホイールと広告をつなげて新たな付加価値を作るなど。
● アメリカ型ビジネス(興奮型)はしない方が日本人には良い
   興奮型ビジネスの追求は、従業員も経営者も幸せに成りにくい。
   ただし、ビジネスモデル(キャッシュポイント)は、アメリカが参考になる

忙しい経営者に成り代わり、経営者視線の世界の動向をお伝えしました。
中小企業が元気になれば日本が元気になると思っています。
一助になれば嬉しいです。

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