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ビジネス見聞録

令和女子と消費の変化 「Fashion」「Hobby」「Relationships」/3分でつかむ!令和女子の消費とトレンド第5回

ビジネス見聞録 経営ニュース

 新しい価値観をどんどん取り入れていくことができるのが若者たち。若者たちの中でも、トレンドを握り消費を動かすパワーを秘めた女性たちの《インサイト》に注目すると、新しいヒットを創るヒントが見えてくる!

※本コラムは2020年11月号「ビジネス見聞録」に掲載したものです。

●新たに生まれる消費と消え去る消費

 コロナ後にもたらされた新しい生活様式の中で、生活者の中には新しい意識や行動と価値観が根付き始めています。その中で変化する消費にチャンスを見出していくことが必要です。
 
 コロナ禍の中でも動き続けている消費の変化の潮流は、ジャンルごとに細分化してチェックしていくと把握しやすくなります。

 今回取り上げたいジャンルは「ファッション:Fashion」「趣味:Hobby」「人間関係:Relationships」の3つです。注目するべき消費の変化は3つです。

①ファッションは「居心地重視」から「着心地重視」へ
②趣味は「承認欲求」から「自己肯定欲求」へ
③人間関係は「手入れ無し」から「リデザイン」へ

●ファッションは「居心地重視」から「着心地重視」へ

 コロナ禍がきっかけで毎日出かける必要がなくなる中で、服を買わなくなったという人も増えましたが、売れている服もあります。そして、売れる服が大きく変化しています。
 
 これまで、女性たちはファッションには毎日気を遣っていました。例えば会社でTPOを考えて浮かないように気を配ったり、ある程度トレンドを取り入れたりするなど、空気を読んでその場で「居心地が良い」と感じられる服を選んできました。
 
 ところが家にいる時間が増えたことで、服の選択重視点が変化しました。今選択されているのは「家で快適に過ごせる服」と、「自分が本当に好きな服」といった、他人目線ではない自分にとって本当に「着心地の良い服」へと変化しているのです。

 「家で快適に過ごせる服」から具体的なトレンド事象をみていくと、アパレル業界が不調の中でも、着心地の良いルームウェア市場で記録的な売り上げを伸ばし活況の状態が続いています。

 ジーユーのミントパジャマは即完売し話題になりました。gelato pique(ジェラートピケ)などの人気ルームウェアブランドの人気がさらに加熱しているだけではなく、既存のブランドがルームウェアに進出し始めているのが最近注目するべき動きです。

ミントパジャマ

 例えばマッシュスタイルラボが展開する人気ファッションブランド「スナイデル(SNIDEL)」から、新しいルームウェアブランド「スナイデルホーム(SNIDEL HOME)」が発表されました。ジュンのレディスブランド「ビス」は今秋、ルームウェアを主力とする新ライン「ビサージュ」を発表しました。
 
 スポーツブラのように締め付けない快適さをもちながら、バストを美しく見せる「ノンワイヤーブラジャー」の利用者も急増しています。在宅勤務でも仕事モードに切り替えるためにブラジャーをつけるものの、快適に過ごしたい気持ちも満たせるために人気が高まっています。

 また、家から1マイル(約1.6km)くらいの範囲で着る、「#ワンマイルウェア」「#ワンマイルコーデ」が注目を集めています。

 「自分が本当に好きな服」の具体的なトレンド事象をみていくと、仕事などのためにTPOにあわせた服を買う必要がなくなり、ECサイトで好きな服を好きなだけ買う人が増加しています。今選ばれるのは自分の個性を際立たせてくれるファッションになっているのです。
 
 インフルエンサーがプロデュースしたブランドの個性的な服を販売するECサイトも増え、小さくてもマーケットが成立するようになっているので、ファッションはこれまで以上に多様化する傾向を見せています。

 今後しばらくマスクと暮らすことが続くため、マスクで遊んだり、つけ心地を追求したりする消費も増えています。今後も人の目線や流行に左右されずに、着心地や自分の好みなど、「自分にとっての着心地」を重視して服を買う人が増えそうな兆しです。

●趣味は「承認欲求」から「自己肯定欲求」へ

 自分と向き合う時間が増えたことで、多くの場面で人のためより自分が満足することを選び取るようになりました。一方で在宅時間が長く、毎日同じような時間が続く毎日の中で、目標を持てる趣味や達成感を感じられる趣味が人気になっています。
 
 具体的な事象を見ていくと、自炊を趣味として楽しむ女性が増えたことも大きな変化です。料理は終わりがあるので達成感を得られます。自宅で手間と時間をかけてまるでカフェのようなドリンクを作ってSNSに投稿することが、高校生や大学生を中心に流行しています。
 
 「#おうちカフェ」の投稿は495万件を超えました。特に、根気強く混ぜ続けることで完成する、韓国発の「ダルゴナコーヒー」作りが話題になりました。

 「読書」や「シリーズ映画の鑑賞」など、読み終わる・見終わることで達成感を得られる趣味も人気となっています。Instagramでは「#読書ノート」や読書録アカウントなども盛り上がりを見せました。 

 流行っているゲームを初めて目標を達成することを楽しむという人も見られます。仕事以外のことで新たに何かに挑戦する時間が増えたことで、いつかやろうと思いながらも後回しにしていた「やりたかったこと」や、「新しい挑戦」に取り組む人が増加しています。

 趣味は人からの「いいね!」で承認欲求を満たすのではなく、自分自身の自己肯定感を高めたい意識へとシフトしていき、精神的に自立した女性が増えていく中で、「仕事か恋愛か」だけではない、さらに多様な幸せの価値観が広がり定着していきそうです。

●人間関係は「手入れ無し」から「リデザイン」へ変化

 家族時間が増え、友達時間が減少する中で、これまで考える機会の無かった人間関係の見直しをするようになりました。不要な人間関係はそぎ落として、自分の人間関係を「狭く深く」していく流れが加速しています。
 
 絞り込んだこれまでの人間関係を深める一方で、絞り込みの反動で新しい出会いや人間関係を新しく追加したい気持ちも増大しはじめています。「そぎ落として追加する」という形で人間関係のリデザインが進んでいきます。
 
 マッチングアプリ市場はここ近年、規模を拡大しつづけていますが、恋愛・婚活だけではなく、新たな人脈をつくる「ビジネスマッチングアプリ」も注目を集めています。オンライン通話が一般化する中で、知らない誰かと繋がることに対する障壁は今後さらに低くなっていく可能性が考えられます。

 今後コロナ禍の収束と規制緩和が進めば、対面で人と繋がるサービスやイベントも、ともに反動として回復する可能性が期待できるでしょう。

●終わりに

 今回の紹介した消費の変化をとらえて、売れる商品を創るためのポイントは3つです。

①ファッションは「居心地重視」から「着心地重視」へ 変化したからこそ、快適な着用感や個性的な選択肢を揃 えて自分にとっての着心地を高めたいニーズを満たす
②趣味は「承認欲求」から「自己肯定欲求」へ変化した からこそ、達成感を得られる商品やサービスで自己肯定 欲求を満たす
③人間関係は「手入れ無し」から「リデザイン」へ変化 したからこそ、マッチングを支援する場の提供で「そぎ 落として追加したい」ニーズを満たす

 新しい時代のインサイトに注目し、潜在的なニーズに応えられる商品を創ると、ヒットが生み出せます。ぜひ、この最新のインサイトを活かしてみてください!

阿佐見綾香(あさみあやか)
電通ギャルラボ研究員。若年女子研究を専門とする。 ストラテジック・プランナーとして、企業や商品・サービスのマーケティングや商品開発、リサーチ、企画プランニング、コミュニケーション戦略立案などを担当。 電通ダイバーシティ・ラボ研究員としても、マーケティングの最新トピックであるLGBTに取り組み、みんなが楽しく暮らせるダイバーシティ社会の形成を目指す。

※本コラムは2020年11月号「ビジネス見聞録」に掲載したものです。

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