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第11回(売るための環境を整える)「HOP100彩」
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『HOP100彩』北浦和本店店内。
まるでフリーマーケットのような猥雑さだ
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集中レジによる委託販売システムで、
出店者、来客者共に分かりやすさを提供
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格安の「護符」を売る、ユニークな
0.5坪店などもある
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こちらはシルバーアクセサリー製造業者の一坪店。
格安販売で人気だ
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「自分の店を持ってみたい」。
そんな夢を抱く人は多いが、実際は莫大な開業資金や運営コストに後込みしてしまうことがほとんどだろう。
そんな開業希望者のニーズとリスクの軽減をはかって成功しているのが『HOP100彩』だ。
『HOP100彩』は、1999年に、埼玉県・北浦和駅前のショッピングビルの3階ワンフロアに
「一坪レンタルショップ」のショッピングモール1号店をオープンした。
現在は、北浦和の他、大宮、前橋、新松戸にもモールを開設。
計400店近い出店希望者に、0.5~3坪程度のスペースを提供し、年間1億3000万円を稼ぎだしている。
また全国の大型商業施設に空きテナントが増える中、同社に出店を要請する企業は後を絶たない。
出店者は、モールの一部を、一坪単位(北浦和店は一坪月3万円)で間借りし
不要品や自作品などを並べて、『HOP100彩』に販売を委託する。
つまり、出店者の負担は、家賃と委託販売費(売上げの10%)のみ。
補償金の類もかからないし、店番をする必要もない。
出店者は、駐車場を借りるような感覚で、気軽にショップオーナーの気分が味えるわけだ。
サイドビジネスとして古着を売るビジネスマン、自慢の手芸品を展示販売する主婦、
アンテナショップとして利用するアクセサリー製造メーカーなど、出店者は 多岐に渡る。
わずか1坪で月30万円以上を売り上げる出店者もいるという。
ここでノウハウと自信を積んで、独立開業に至った人も少なくない。
もっとも、こうした一坪レンタルショップが、最近は全国で見られるようになった。
商工会や地元商店街などが主催し、開業希望者に商店街の歯抜け店舗を格安で貸し出す
「チャレンジショップ」もこれに含まれるだろう。
ところが、似たようなビジネスモデルを実践しながら、
『HOP100彩』ほどには成功していないモール、商店街は多い。
出店者が集まらず閉鎖を余儀なくされたモールもある。
その差は、地域差ではない。都心の繁華街で失敗しているモールもあるし、
小さな地方都市でも大成功し、多くの開業店舗を増やしている商店街は多々ある。
『HOP100彩』をはじめとした成功しているレンタルショップモールに共通点しているのは、
むしろ「出店者への細かなコンサルティングを実施している」ことだろう。
『HOP100彩』には、売れ行きが芳しくない出店者に「このようにディスプレイしたほうがいい」等といった
アドバイスをするコンサルティングサービスがある。
また出店者から「こんな利用法はできないか」といったいいアイデアがあれば、
それをすぐにすくい上げ、ノウハウとして蓄積。さらに出店希望者に還元しているという。
こうしたモールと出店者の継続的な協力関係が、同モールのユニークな利用法に繋がっている。
例えば、土日は各地のフリーマーケット会場に自ら出店、
平日は『HOP100彩』に商品を戻して平日の取りこぼしを避ける店。
またインターネットで商品 を宣伝し、「欲しい方は、『HOP100彩』へ」と
ショールーム兼販売場所として利用する店などだ。
そして個々の出店者の売上げが増えれば、結果としてモール側の売上げも増えるわけだ。
「出店者自身が、いろんな工夫をすることで初めて売上げは上がるもの。
そのための環境を整えるのが私たちの役割だと思っています」と
『HOP100彩』を 運営する有限会社ビー・リングの石川代表は言う。
それは同社同様に「レンタルショップ」を間貸ししているモールにも、
またテナントビルやギャラリーなどを含めた
あらゆる「スペース貸し」のビジネスにも言えることではないだろうか。
(カデナクリエイト/箱田高樹)
◆ 社長の繁盛トレンドデータ◆
パレットモール『HOP100彩』北浦和本店
住所:さいたま市浦和区北浦和3-1-3ホップビル3F
最寄り駅:JR北浦和駅より徒歩2分
TEL:048-825-7657
FAX:048-827-1268
URL:http://www.hop100.com
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