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第87回 「アッキーインターナショナル」あえて「本物」に固執しない

「社長の繁盛トレンド通信」

アッキーインターナショナル

 

「外 観」
秋葉原のメインストリートである中央通りに3店舗を構える。スタッフは外国人の他、日本人もいる。
「日本人店員がいた方が信頼される」(阿部社長)

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「日本人形」
いかにも日本土産という日本人形だが、外国人の好みに合わせて、
眼の色や鼻の高さ、胴体や手足の長さを変えている

 
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「鎧兜の人形」
戦国時代の武将をイメージした鉄の人形も、中世の騎士なども参考にしながら、アレンジしている



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「爪切り」
ルーペ付き爪切りやパンティストッキングなども人気。現在も日本製は信頼されている
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「時 計」
時計は、文字盤が大きく、ゴールドが主体。「肌の色に合うからかゴールドを好む人が多い。
体が大きいので、文字盤も大きい方が好まれます」

 
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「パソコン」
英字キーボード・英語OSのノートPCを多数用意。
「外国人向けパソコンを揃えた店は意外と少ない。大使館員の方などによく売れます」

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●12年間で、年商14億円から100億円に成長
アベノミクスによる円安効果で、訪日外国人観光客が爆発的に増加したのはご存知の通りだろう。2014年度は年間1300万人を突破。2015年度は、9月の時点で1400万人を突破し、史上初の年間2000万人も現実味を帯びてきた。訪日外国人の消費額も初の年間3兆円を超えるのは確実で、百貨店や家電量販店、ドラッグストアなど、彼らのおかげで売上を急拡大した店は少なくない。
 
アッキーインターナショナルも、そのうちの一社だ。東京・秋葉原や名古屋・大須などに家電や土産品などを販売する免税店を4店舗展開。オリジナル製品も企画・開発しており、それらを他の免税店などに卸している。同社の阿部英行社長は、家電量販店のラオックスで28年間にわたり免税店業務に携わったのち、2002年に独立し、秋葉原に第1号店を立ち上げた。初年度は年商が14億円だったが、12年間で100億円にまで伸ばしている。
 
もっとも、同社が好調なのは、単に外国人観光客の増加に乗じただけではない。「外国人が求める日本」を扱っているからだ。
 
●日本人形の顔や体型を外国人風にアレンジ
その典型が、オリジナル商品の日本人形である。髪を高島田の型に結い、着物をまとった姿は、一般的な日本人形と変わりないが、よく見ると、眼球の色が薄くて鼻が高い、欧米人のような顔つきをしている。また、人形の胴や手足が心なしか長い。
 
これらのアレンジはすべて意図的におこなっている。理由は、外国人になじみやすくするためだ。外国人は、日本人体型の日本人形に違和感を覚える人が少なくないという。
「そのことに気付いたきっかけは、6~7年前、海外の見本市で、外国人のような姿形をした日本人形を目にしたこと。日本でも、バービー人形よりも、日本人風の顔つきにアレンジされたリカちゃん人形が受けたように、外国人に対して販売する日本の土産物も、外国人の好みにアレンジした方がいいのではないかと思ったのです」(阿部社長)
 
そこで、見本市で見つけた人形のメーカーに、日本人形のデザインを依頼。中国系のアメリカ人デザイナーがデザインを担当した。販売直後はそれほど売れなかったそうだが、米軍基地で販売すると飛ぶように売れ、今では各地で売れているという。
 
現在では、日本人形だけでなく、鎧兜をまとった武士の置物も、同じデザイナーにデザインを頼んでいるそうだ。ヒゲの形や鎧兜の型など、厳密に時代考証をしたら間違っているところもあるが、外国人のイメージに合わせたほうが客の反応は良いという。
 
もっとも、外国人の好みに合わせてアレンジすることは、輸出する時にはごく普通のことだろう。しかし、日本で日本のものを売るとなると、「本物の日本を知ってもらいたい」と純粋な日本のものを提供しがちだ。それに対し、違和感を覚えている外国人は意外と多いのかもしれない。外国人観光客が増えてきた今、日本で商売をするにしても、「本物にこだわらずにアレンジする」という視点が必要になりつつあるようだ。
(カデナクリエイト/杉山直隆)
 
 
◆社長の繁盛トレンドデータ◆
『アッキーインターナショナル 本店』
東京都千代田区外神田1-12-1
電話番号:03-5207-5027
営業時間:9:30~20:00

http://akky-jp.com/
 
 

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