「仕事のすすめ方」
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆
前回、「贈り物」をテーマとしてお話しました。今回はモノについて「環境整備」についてお話をします。
環境整備の目的は、その対象が社外と社内の人に分かれます。私たちの環境整備への理解は残念ながらあまり高いとは言えません。
まず社外の人=お客様を対象とした環境整備について考えていきましょう。しなければならないという気持ちで行うと決してようこその雰囲気を作り出すことはできません。お客様は玄関からいらっしゃいますが、あなたの会社は朝の清掃タイムに自分たちの会社の範囲内だけを清掃しますか?少なくともその範囲より外側から清掃するようにしましょう。さらにその面積のゴミを拾ったり掃くだけではなく、雑草や危険な破片などないかと気を配ります。
気持ちは行いに正直にでます。清掃道具を握るときの微妙な力の入れ方、腰のかがみ具合、歩幅や歩く速度などにはっきり表れます。「人」が環境整備をするのですから、その人の心が自然に反映されてしまいます。そんな…と思うかも知れませんが、義務感でやっているのが、仕事の丁寧さとしてしっかり表れてしまいます。社内の植木にしても然りです。丈をそろえた手入れがされているか否か、芽が好きな方向に好きな長さに伸びていないか、変色した葉が緑の葉の中に残されたままになっていないか、プランターの花の中に咲き終わった花柄が放置されていないか、玄関マットが汚れていないか…お客様が玄関に至るまでに、いくつも目にするポイントがあります。それらを目にしてお客様が感じるのは、社内の人の心配りの度合いです。いつ、お客様がいらっしゃっても「私たちはいつでもウェルカムでお迎えいたします」の気持ち、つまり会社の姿勢が伝わってしまいます。と同時に、会社の姿勢を伝えることができます。
私個人として感じる環境整備ではトイレの清掃があります。仕事柄、多くの会社のトイレを拝見しています。プライベートでもいろんな業種のトイレを拝見しています。その中で一番疑問に感じるのが、バインダーに挟まれた清掃時間表です。私にはあの清掃表の意味がよくわかりません。誰に見てもらいたいのでしょうか?
清掃時間は間隔が三時間くらいが多いように思います。ある時、レストランのトイレで目にして驚きました。三時間後のチェックもすでにされていたのです。この場合はお客様に不信感を抱かせてしまいます。もともと清掃表は、私どもは一日に何回も綺麗な状態の維持に努力をしていますということのアピールとして置いていると思います。(理想を言うと時間ではなく、利用人数に比例する清掃チェックが妥当ではないでしょうか。)また、そのような物をお客様の目に触れさせることなく環境整備がされると、よりスマートなのではと考えます。
その他、外部の私から見た環境整備として出入口や窓のガラスの汚れ、応接室に飾られた額が少しも傾きなく飾られているか、部屋の臭いは大丈夫か、会議室の時計は正しいか…一つ一つは細かいことに過ぎないかも知れませんが、その一つ一つへの心配りがお客様への心配りにつながります。
環境整備については、専門業者に委託しているという会社もあります。そうだからといって全面おまかせという姿勢はいただけません。なぜなら自分が働いている会社だからです。どのポジションであっても条件は同じです。気づいた時には自らがサッと動いてください。ゴミが落ちていたら拾う。ガラスの汚れを見たら拭く。難しい事ではありません。あなたが心の目で自社を見られるかどうかです。