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戦略・戦術

第208号 10兆2,356億円

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 この数字は、セブン&アイホールディングスの昨年期のグループ全体の売上高で、主力のコンビニ事業の好調を反映して、国内の小売業で初の10 兆円突破となった。このうち、国内コンビニチェーン全店の売上は4 兆82 億円で、営業利益、経常利益、営業収益ともに過去最高を記録。店舗数の増加とともに右肩上がりで順調に推移している。
 
 このように成長軌道に乗るセブン&アイが、ここ数年、戦略的に推し進めているのが、顧客のニーズを囲い込む「オムニチャネルの実現」である。最近、話題となっているユニクロを展開するファーストリテイリングとの包括的な業務提携についても、コンビニ、スーパー、百貨店などの業態を抱えるセブン&アイが、有店舗とネットのオムニチャネル化を早期に実現するための一手と見られている。先進的な取り組みにより、それぞれの業界でトップを走る勝ち組のセブン&アイとファーストリテイリングとの異業種間提携は、目指すところに共通性があるのだろう。
 
 セブン&アイは、100 社以上あるグループ企業の商品・サービスを一元的に管理し、今年10 月からオムニチャネルの統合サイトを本格稼動させる予定だ。イトーヨーカ堂やそごう・西武などグループ各社の商品をネットで注文でき、自宅受け取りをはじめ、全国1 万7 千店以上あるセブン-イレブン店舗で受け取れるようにするという。
 
 またセブン- イレブン店頭でのユニクロ商品の受け取りや販売、さらには、ユニクロの商品をグループ企業のPBとして取り扱うといったことも推測されている。これらの取り組みにより、双方の顧客接点の拡大や利便性の向上を図り、デジタル時代に呼応した新しい流通の形を2トップで創造していく意気込みである。
 
 一方、ローソンと楽天も連携し、9 月1 日から「コンビニ受取りサービス」を開始した。楽天市場で購入した商品をローソン店舗約1 万2 千店舗で受け取れる他、楽天スーパーポイントの付与・利用についても、協業すると見られている。
 
 またローソンは、佐川急便グループと今年6 月に新会社を設立し、コンビニを拠点とする宅配サービスに関しても業務提携している。
 
 このように、様々な業種業態の企業が、各コンビニ会社と提携し、いつでもどこでも、顧客の都合に対応できる購買環境と配送体制を整え、縮む国内市場においても、持続的成長が可能な新しいビジネスモデルを模索しているのだ。裏を返せば、勝ち組の大企業であっても、1 社だけの力では、IT を駆使する現代の消費者を囲い込むのは難しいということなのである。
 
 
 
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