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戦略・戦術

第73回『働きがいとは何か?』 ~働きやすい会社はつまらない。働きがいのある会社の科学~

継続経営 百話百行

日本は、劇的に働きやすい国になったようです。

最近たった5年で
年間の働く時間は、100時間減り
有給休暇取得率も7.2%上昇と
働きやすい会社が増えたようです。

ここ30年では、働く時間は年間約300時間減りました。
休みも増えた。特に日本は祝日が諸外国に比べると多いのです。

しかし、
働きがいを感じる社員は
世界平均を10%下回り
調査23カ国中最下位の56%でした。

10年以上前から
アメリカで
業績の良い企業を見ると
そこで働いている従業員の評価が高いことがわかります。

一時的ではなく継続している
業績が良いところの特徴に共通点があるようです。

「働きやすいではなく、働きがいがある」

日本は、30年の停滞の時期に
アメリカの良い会社を見習えと
間違えて捉えたことに

「働きやすさを追求すれば従業員は活き活きと働く」
ということのようです。

それだけでは
経費過多になり、潰れやすくなるのです。

どうすると
働きがいが持てるのか?
これからお伝えしていきます。

(1) 働きがいとは何か?

1) 働きやすい会社は、つまらない会社!?

【働きがい改革、道半ばの日本 「仕事に熱意」6割届かず】

日本企業の労働環境が改善する一方で、働き手の仕事への充実感や達成感
といった「働きがい」が高まらない。1人当たりの労働時間は
2020年に16年比で100時間減るなど働きやすくなったものの、
仕事に熱意を持ち会社に貢献したいと考える社員の割合は
6割弱と世界最下位にとどまる。

厚生労働省によると、労働者1人当たりの年間総実労働時間は
20年に1685時間と16年比5.5%減。
有給休暇取得率は7.2ポイント上昇の56.6%と過去最高になった。

働きがいを感じる社員の割合は日本が56%と、
世界平均を10ポイント下回る。23カ国中、最下位が過去6年続く。
日本企業の組織運営の改革遅れがあるとみる専門家は多い。
コーン・フェリー日本法人の岡部雅仁シニアクライアントディレクターは
「上意下達の組織風土や年功序列によるポスト滞留など、
旧来型の日本型経営が社員の働きがい低迷に影響している」と分析する。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC182G00Y2A410C2000000/

と、新聞で解説されています。

2007年頃の海外視察で良く私が言っていたのは
「働きやすさ」ではなく、「働きがい」を目指さないと
会社は潰れやすくなると、
ようやく、日本でも注目されるようになってきました。

今でも地方の企業は、特に女性雇用で
「働きやすさ」で、人が採れると思っている
古い知識の経営者が多いようです。

「働きがい」を高めるためにも
必要なのは

「働きがいのある仕事」です。
働きやすい会社を作っても
採用に有利にならないし
離職率が低下するわけでもないのです。
 
そうではなくて、
働きがいがある会社を作らないといけません。
働きがいのある会社は
魂がふるえる仕事があるということです!

2) 働きがいとは?

やる気とは、
進んで物事をなしとげようとする気持ち。

やりがいとは、
そのことをするだけの価値と、それにともなう気持ちの張り。

働きがいとは、
働くことによって得られる結果や喜び。働くだけの価値。

と、辞書には載っています。


3) 働きやすさと働きがいの違い

働きやすさ
人間関係や残業時間の有無、産休などの福利厚生の充実などの職場環境・雇用管理制度を指す

働きがい
仕事を通じて得られる仕事への充実度や満足度を指す

と、違いが定義されています。

では、

4) 働きがいは何で生まれるのか?

 「働きがいがある」又は「どちらかといえば働きがいがある」と
  回答した割合をそれぞれの項目で、比較し
  何があるとやりがいがあるのかないのかを見てみましょう。

 ・研修の有る無しで働きがいは変わる

 「自分の希望に応じ、特定のスキルや知識を学べる研修」
  実施されている企業 72.8%
  実施されてない企業 50.4%

  研修がある会社は22.4%もやりがいを持っている人が高いのです。

 ・働きがいがある、働きやすいと感じていると、意欲が高くなる

  働きがいがあると思っている人が、
  仕事の意欲が高いまたは、どちらかといえば高い人は
  84.2%

  働きがいがないと思っている人は
  27.5% 

  働きがいがある方が、仕事の意欲は、56.7%高まります。

  同じく、働きやすいと感じていると、72.2%
  働きやすくないと感じていると、31.3%と

  働きやすいと感じていると、仕事の意欲は、40.9%高まります。

 

 ・職場の定着との関係

  働きがいがあると思っている人が、
  今の会社でずっと働き続けたいと回答した人は
  50.7%

  働きがいがないと思っている人は
  11.4% 

  働きがいがある方が、定着は、39.3%高まります。

  同じく、働きやすいと感じていると、44.4%
  働きやすくないと感じていると、10.4%と

  働きやすいと感じていると、定着は、34.0%高まります。

 ・同僚の離職・転職の傾向

  働きがいがあると思っている人の職場が、
  同僚の離職・転職が少ない又はどちらかといえば少ないは
  54.2%

  働きがいがないと思っている人の職場は
  39.1% 

  働きがいがある方が、定着は、15.1%高まります。

  同じく、働きやすいと感じている職場と、54.2%
  働きやすくないと感じている職場は、34.4%と

  働きやすいと感じていると、定着は、19.8%高まります。

 ・会社の業績

  働きがいがあると思っている人の会社は、
  会社の業績が上がっている又は、どちらかといえば上がっているのは
  48.0%

  働きがいがないと思っている人の会社は
  30.3% 

  働きがいがある方が、業績は、17.7%高まります。

  同じく、働きやすいと感じている会社、44.8%
  働きやすくないと感じている会社、30.6%と

  働きやすいと感じていると、業績は、14.2%高まります。

働きがいのある職場は
・離職率が低く
・業績が高く
・仕事の意欲が高まる

働きがいのある職場を作っていくことが大事であるようです。

 

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