クレーム対応という仕事をやってるからには楽しむ!方法(2)
(※秀和システム刊 『ポケット図解 クレーム対応のポイントがわかる本』より、一部抜粋と加筆)
【その1】お客様からのお礼、お詫び、励ましの言葉を数えて、その件数が伸びたことを楽しむ
上司に代われ!と怒鳴られたり、答えられないことを詰問されたりと、嫌な対応を引きずってしまいませんか。
自分が傷ついた事例はさっさと忘れる。そのための方法です。
「なぜ怒らせてしまったのか」は考えない。どんどん次の対応を始める。次はうまく終わらせる!
クレーム対応はいくら担当者のスキルが高く、さまざまな道具(手法)を使ったからと言って、いつも予測通りにいくものではありません。お客様のその日の気分もある、担当者の気分もないとは言えない、さらにお客様と担当者の相性もあり、何が原因で満足のいく対応を損なったのかを測れる事例と測れない事例があります。そもそもその原因を今、その場で明快にすることは意味がありません。もう怒らせてしまったことですから、その原因よりもこれからどうするかの方が大きな問題です。それよりも担当者がすべきことは、次の事例に関わって、次の対応を成功させることです。なぜなら自分の気持ちを元気にすることがこの仕事では最も重要なことだからです。そのためには、うまくいくかもしれない可能性を持っている次の事例に、正しい道具(手法)の使い方を守って挑戦することです。
ありがたいお客様の言葉を集めて、自分を癒す
次の対応では、お客様からの自分への温かい言葉をたくさんいただけるように道具(手法)を使った対応をしましょう。いただいた温かい言葉で、さっき原因がわからないうちに傷ついた自分の心を癒しましょう。そうすれば、さっきの事例の失敗原因が勝手に浮き上がってきます。一方では、お客様からの温かい言葉を集めて、その量やその爽快さに励ましてもらうことも必要です。そして、先月よりその量が増えたことは、自分のスキルアップを実感することができ、この仕事への自信を高めることにもなります。そのためには、お客様から温かい言葉がいただけるような対応の道具(手法)を使うことができなければならないのです。
【その2】クレームを解決するカギの2つのうちの1つ。それは『スキルを身につけること』
言葉遣い、コミュニケーション力、消費生活問題、電話応対などのセミナーを受ける!
検定を受験する!資格を取る!OFFJTで学んだことをOJTで実践することが理想的!
クレーム対応は専門職だから専門力が必要です。専門力向上のための教育を今のうちにたっぷり!
クレーム対応はひと昔前のように、担当者の持ち前の人間性と豊かな商品知識だけで対応するだけの時代ではなくなりました。今や、クレーム対応担当者は、企業の中で消費者問題に最も明るい専門知識を持ち、対応が和解に結びつく話法の技能をもっていなくては太刀打ちできない時代となりました。 その時代の流れと共に、専門力を身につけるための講座、セミナーを受講する機会も増えたことと思います。さらに、電話応対に関する技能検定や、顧客満足の専門力のための技能検定や、消費生活問題の中の法律を正しく知っているかどうかの腕試しができる検定など、認定級を得られる検定を受験することで自分のスキルを試すことができます。
自分から積極的に教育を受けるための要望を!
これらの学びと実務が日々の業務の中で並行して運用されていくことが、スキルと実力を効果的に高めることを促進し、学びの数々が決して無駄になることもありません。自分の対応に自信がもてたらこの仕事の楽しさを味わう事もでき、実力の高まりと共にお客様満足率も高まると、すべてのことが善循環する効果が期待できます。そうなるために最も重要なのは、担当者は会社から研修や検定の受講を促されるのを待つのではなく、自分から積極的に受講の意思を表すことです。なぜなら、どんな学びが必要で効果的かを最もよくわかっているのは担当者のあなただからです。