後継社長塾の塾生の多くは自社の社長と意見が合わず、困った顔をしてよく我が社を訪ねてこられます。
その多くの悩み事の中に「我が社の銀行支払い金利率が高く、社長に言って下げる交渉をしようと思うのですが、社長も経理も反対します」という発言が多くあります。
「なぜ、反対する理由があるんだい?」と問うとたいがい同じ答えです。
「銀行を怒らしてはならない、仲良くしなければいけない」
「今の金利は決して高くはない」
「マサカと言う時があるんだ。メイン銀行を大切にしろ!」
「長期借入金利は高いもの、長期で借り入れしているから安心できる、短期が安いと言って、安ければいいのはだめだ!」
私にはまったく理解しがたい答えが返ってくるそうです。
先月、申し上げたように金利率の高い企業と安い企業では競争馬が鉛の重みをつけハンデイを背負って競争しているようなもの、低い金利率でみすみすできるものを実行しないというのは社長業の怠慢であると私は思っています。
しからばどうしたら下がるのか、その方法です。
「下げろ! 下げろ!」で脅かしたり、なだめすかしたりしてもダメなんです。私は、支店の支店長クラスにこう質問しなさいと申しています。
「私どもは、B/S、P/Lを提出しておりますが検討、評価していただけましたでしょうか?」
「御行のスコアリングにかけて頂いたと存じますが、評価はどのあたりの評価レベルでしたでしょうか?」
「そうですか・・・ それ以上の評価を頂くには我が社としてはどうすべきでしょうか?」
「そのスコアリングの結果、我が社へのスプレッドはいくらになったのでしょうか?」
たった4つの質問をすればいいのです。
能力がある支店長は、はっきりときっちりと解答くださいます。この答えを不明確にし、はぐらかそうとする人物は全く出来が悪い人物です。
特に「評価ランク」と「貸出スプレッド」を明らかにしていただくことです。
当然、自社のスタッフで自社のスコアリングを行えばいいのです(私の著書 カネ回りの良い経営 399ページ)そして、その評価を上げるには(優良会社とみられる)どうしたらよいかを考えればいいのです。
結論を申せば
1、自己資本比率を上げる
2、借入金総額を減らす
の2つです。この1と2を良くするには
1、総資産を圧縮する(オフバランス)
2、現預金をギリギリで回す(資金繰り表の活用)
3、営業利益高を高くする
の3つなのです。
売上や純利益高では決してありません。
これが理解できない、実行しないから金利率が下がらないのです。