【意味】
書物はよく読むべきで乱読すべきものではない。
熟読してその内容を一生涯にわ たり応用することが大切である。
【解説】
古来、読書に関する名言はたくさんあります。
「読書百遍にして義自ら見る」(三国志)
・書物を百回も読み返せば、真理も自然に明らかになる。
「男児須らく読むべし五車の書」(杜甫)
・男子たる者は、車5台分の読書をすべきである。
「書を読めば万倍の利あり」(王安石)
・本を読むことは、読まないことと比べれば極めて大きな利益がある。
「書は多くを看るを必とせず 其の約を知らんことを要する」(近思録)
・本を数多く読む必要はない。大切なのは要点を押さえることである。
「読書に三到有り 心到・眼到・口到と謂う」(朱熹)
・読書には三つの集中が大切である。「心の集中」「目の集中」「口を集中(朗読)」をいう。
大切なのは「書かれている真理を如何に捉えるか?」「捉えた真理を日常生活に如何に活かすか?」の2点です。
巌海式読書力アップの三段階訓練法を紹介します。
第一段階は忍耐力の訓練です。
若い時、体力のある時期にできるだけ20巻以上の大作を集中的に読むことです。
忍耐力が上がるとスピードも上がります。
できれば一日で十時間くらいまでの忍耐力をつけたいものです。
読書が生活習慣の一部になればしめたものです。
第二段階は深く読む訓練です。
深く読むには赤青鉛筆やマーカーで線を引きながら主語・述語を捉え、積極的に自分の意見を余白部分に書き込みます。
難解な文章は声を出して繰り返し読むと自然に理解できます。
第三段階は書き写しの訓練です。
赤線青線の部分を紙に書き写します。
書き写すにも忍耐力とスピードが必要です。
一日で50枚ぐらいの忍耐力をつけたいものです。
この書き写しを行わなければ、読書の内容が血肉化するレベルになりません。
若い頃、五月の連休三日間で難解な仏教書1500ページに取り組みました。
難解であるが故に声を出さなければ続きません。
一日10時間を超える修練でしたが、確実に読書力が増しました。
その後は大抵の本は楽に読めるようになりました。