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愛読者通信

【著者インタビュー】日本レーザーに学ぶ 中小企業の新・高収益モデル

「愛読者通信」著者インタビュー

有能な人材が育児や介護、転職などで流出しないのはなぜですか?

社員が「自分は会社から大切にされている」と感じられるよう働き方や給料の面でも様々な工夫をしているからです。

例えば、介護や産休に対して安心して働ける仕組みをつくっています。

具体的には、「ダブルアサインメント」と「マルチタスク」という仕組みです。

ダブルアサインメントとは、ある一つの業務に通常は1人割り当てればいいところを、あえて2人を割り当てるというものです。

中小企業は少数精鋭ですので、担当者は1人というのが当たり前だと思います。ですが、担当者が1人だと、その方が抜けてしまうと仕事がストップしてしまいます。

担当を2人にすれば、出産・育児休暇を安心してとることができ、また、不測の事態がおこっても柔軟に対応ができます。

とはいえ、このままでは人件費が倍増してしまいます。そこで生み出したのが1人が複数の専門分野の担当を受け持つ「マルチタスク」という仕組みです。

こうしたやり方は、社員の中に「お互い様」、「助け合い」という意識がないと成立しません。そのためには社員が「自分が会社から大切にされている」という実感が必要なのです。

しかしながら、すべてが順風満帆に進んだわけではありません。実は、ある男性社員が半年間育児休暇をとりたいと言い、大企業も男性の育児休暇が3割という話や、当時、日本レーザーはいい会社だという世間の評判に浮かれて、安易に許可を出してしまいました。

しかし、最終的には仕事が回らなくなるという大失敗を経験し、現在は改善に試行錯誤しています。社員の権利を認めることは当然ですが、それを大企業と同じような超優遇で認めてしまうのは中小企業にとってムリがあります。

多くの経営者は大企業のやり方を教科書のようにとらえ、実践しようとしがちです。しかし、大量採用できる大企業と少数精鋭の中小企業とでは経営のあり方がまるで異なります。そういう意味では、日本レーザーは非上場、従業員70名の中小企業ですので、参考になる部分は多いと思います。

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