-本書を執筆するにあたり、意識したことがあるとのことですが…。
本書をつくるにあたって最も意識したのは、「難しいことを分かりやすく書く。易しいことを難しく書いてはいけない」ということです。
私の大好きな歴史小説家のひとりに吉川英治氏がいます。通常、歴史小説となれば、難解な漢字ばかり。専門的な歴史の知識も要求されます。
ところが、吉川氏の新書太閤記や宮本武蔵などの歴史小説は、中学生が読んでも楽しめる、分かりやすい文章です。漢字にもルビがふってあって親切です。
一方で、最近の経営書を見ていると、カタカナ言葉だらけなのが目につきます。いちいちその言葉の意味を調べなければならず、非常に読みづらい。
弁護士さんや公認会計士さんなど、世の中には学がある方がいらっしゃいますが、いち読者からしてみると、あえて難しい言葉を使うことで、ご自身の教養や専門性をひけらかしたいのかと邪推してしまいます。
本書は、右ページに私のノウハウを端的な言葉で抜き出し、左ページにその言葉の解説文を載せています。解説文は、専門知識がない方でもスラスラと読めるように、できる限りカタカナ言葉や難解な経営用語を使わずに書き下ろしています。