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戦略・戦術

第十九話 スタッフが歩いて、書いて、話した数だけ お客が増える老舗米菓メーカー②

中小企業の「1位づくり」戦略

強いところをさらに強くする

 

こんにちは1位づくり戦略コンサルタント 佐藤元相です。
植垣米菓は、直営店舗から近いところにいる
地域のお客を増やそうと決めました。

 

そのための取り組みは2つ。

 

ひとつは、来店してくれたお客との関係性を深めること。
もうひとつは、店近隣のお客に、あらためて店の存在を知ってもらう活動です。

 

「本店は長田区にありますが、国道2号線沿いに店をかまえています。

 

あるとき、気づきました。

お客さまは、2号線より南側、大阪湾に面した
海側に多いということがわかったのです。

 

ご来店客には、住所やお名前をカードに書いていただいてますが、
そのカードを分析すると、おもしろいことに気づきました。

 

国道2号線と阪神高速線、それと並行して少し北側に
JR山陽本線が走っていますが、
これら国道やJRから北側は、お客さまが少ないんです。

 

『あきない道場』で弱者の戦略を勉強して、
なるほどと合点がいきました。

 

そこで、地域戦略に力を入れようと決意したのです」

 

自社のお客はどこにいるか。

自社のお客はどこから来てくださるか。

調べればわかることです。

 

植垣さんはお客さまカードを分析し、
お客の分布傾向を把握しました。

 

さらに、実態を経営の原理原則に照らし合せたことで、
ある一定地域の占有率を高め、「1位の地域」をつくる

地域戦略の実行に踏み切ることにしたのです。

 

 

 

1位をねらう地域の選び方

 

地域戦略を実行し、1位の地域をつくろうと取り組む際、
きわめて重要なことに「地域の決定」があります。

 

どの地域で1位をとるかということです。

 

どのあたりを中心に営業し、最大範囲はどこに設定するかを決めます。

判断材料はいくつもあります。

 

これまでのお客はどこにいるか。

有望見込客はどこにいるか。

競合会社はどこにあるか。

自社で扱う商品・サービスの利益から考えると、

どのあたりまでを配達地域とするか。
どのあたりまでをアフターフォロー地域とするか。

自社の営業体制から考えると、どのあたりまでを訪問地域とするか。

どのあたりまでなら移動時間を最適な範囲に保つことができるか。

 

植垣さんは、地域を狭めることで、お客に喜んでもらえるだけではなく、

利益面でも経営に大きく貢献してくれることに注目しました。

 

地域の占有率を高める場合、方法は2つあります。

 

販売形態による違いから必然的に生まれることですが、
訪問してお客を増やすか、
来店してもらってお客を増やすかという方法です。

 

植垣さんは、両方に取り組むことにしました。

従来通り来店してくれるお客は、繰り返し来店してもらったり、
口コミしてもらえるよう顧客維持対策を練り直すことがひとつ。

 

また、決めた範囲を歩き、ポスティングによって
店の存在を今一度、認識してもらう活動です。

 

 

「来店客には、初回時に住所と名前を教えてもらうことにしました。
それまでも顧客情報を得る努力はしていましたが、
目的と手段を明確にし、お客さまにもっと喜んでいただくために
名前と住所を教えてもらおうと思いを新たにしたました。

 

初回来店時に書いていただく。

そう決めたら、店頭のスタッフは気持ちよく質問し、
こころよくお客さまも教えてくれることがわかりました」

 

 

多くの経営者がためらうことですが、買い物を済ませたあとのお客に
「名前と住所を教えていただけますか」と尋ねると、

案外すんなりと書いてくれるものです。

 

商品の購入前やサービスを受ける前に聞き出そうとすると、
警戒されたり、拒否されがちです。

(買わされるんじゃないか…)
(断りきれなくなるのではないか…)
(この人はちょっと苦手…)という心理からです。

 

しかし買い物を済ませたあと、技術やサービスを受けた直後は、
お客の満足感が高い状態にあります。

(この会社は信用できる)
(この店はまた利用したい)
(この人は信用できる)という安心感からです。

 

会社や店の近くから来店したと思われるお客には、
「お近くですか?」といった質問から会話がはずむことがあります。

 

地域内の共通話題が豊富だからです。

 

植垣米菓でも、100年以上もある老舗として
地域に関したことが話題になれば、
お客と会話がはずむことは容易に想像できます。

 

小売店や飲食業など来店型の業種では、
お客がどこの地域から、それくらいの割合で来ているかの
情報がないと正しい手が打てませんから、
来店客の住所調査は1年に1回は必ず実行すべきです。

 

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