※本コラムは2024年4月の繁栄への着眼点を掲載したものです。
コロナ禍から抜け出し、事業発展計画発表会の数は過去最多となる見通しだ。
ハードなスケジュールではあるが、コロナ禍の辛さを思えばなんてことはない。忙しいことは嬉しいことだ。
発表会では、主催者である社長もだが、そこに参加される同期の方々、その前後の会話もとても勉強になる。皆さんが何に困っているのか。何が必要なのか。聞いていると業種業態や規模に関わらず悩みはほぼ同じだ。
「新事業とは言っても何をやったらいいのやら」というのも共通の悩みの一つだ。コロナ禍で本業が大打撃を受け、「本業のみ」のリスクを思い知ったからだ。
そのような会社がどういう取り組みを行っているのか。お客様の会社を見ていると今回のタイトルである「今までの事業の一つ上のステージ」を考えている会社が多い。
●5本の柱をつくる ●販売方法を増やす ●商品・サービスを増やす …この3つを取り組んでいる。
5本の柱とは事業の柱のことだ。別に5本でなくても、頑丈であれば3本でもいい。とにかく本業がピンチになっても潰れないようにすること。
販売方法には、訪問、店頭、媒体、展示、配置の5つしかない。「何度も何度も聴いていたのに、このときほど早くやっておけば良かったと思ったことはありません」という人が何人いたことか。
日本は何処に行っても、前は海、後ろが山だ。限られたエリアでずっとやっていると必ずライバルが出てくる。その時に上手くやれるのはせいぜい3社くらいまでだ。そうなる前に商品やサービスを増やし総合化をしたり、エリアを広げたり、リスクを減らす必要がある。
私が会長をしている日本印刷では、「印刷物自体に差が無ければデザインを強化して付加価値をつけて提案しよう」ということで、新規のお客様を獲得している。印刷物以外の仕事も順調に伸びている。
先日訪問した自動車の試作部品を製造している会社では、各自動車メーカーが膨大な費用をかけていた開発費を削減し始めたと言う。仕事が無くなることはないが、「このまま自動車オンリーでは危険だ」と様々な分野の仕事を獲得するために海外を飛び回っている。高い技術力と素材などの提案力が武器だ。
首都圏でチェーン展開している飲食店では、今期最高売り上げと利益を叩き出した。
ミステリーショッパーの調査では首都圏のランキングでは現在3位となっている。それを「3年以内に1位になる」と計画が発表された。そのためのクレドの具現化、メニュー開発、価格戦略、企画・販促、広報など徹底的に磨いていく。そして新規の事業も加えていく。危機を脱した社長、社員の顔は晴々していた。
どうすれば自社は、「一つ上のステージ」に行けるのか。視点もアプローチも一つではない。打つ手は無限だ。
※本コラムは2024年4月の繁栄への着眼点を掲載したものです。