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第69回 『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』(著:伊集院 静)

眼と耳で楽しむ読書術

読書の秋、いかがお過ごしでしょうか。
 
さっそくですが、
今回紹介するのは
 
『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』伊集院静(著)
 
69-1.jpg
 
です。
 
 
 
日経新聞で連載されていましたので
当時から愛読していた方も多いかもしれませんね。
 
あの"経営の神様"こと、松下幸之助氏が商いの師として敬愛した、
サントリー創業者・鳥井信治郎氏の生涯を綴った小説です。
 
 
まず、こうした、いわゆる伝記の類については
「話を美化しすぎだ」といった声がたびたび聞かれますが、
そんなことは、どうでもいいと思います。
 
事実そのままにせよ、いくらか脚色してあるにせよ、
大事なのは、
 
「一冊の本から何を感じるか、何を受け取るか」
 
です。
 
本書は経営者、リーダーにとっては
どんなに時間がなくても、今すぐ読むに値する一冊、
と自信を持って言えます。
 
たとえば、
 
・陰徳を積むこと
・お金の使い方(企業としての投資、また一個人としてのいずれも)
・営業先の開拓、及び維持
・人材採用
・部下の育成、人心掌握
・新商品の開発
・時代の先を見通す目
・対人コミュニケーション
・子育て、しつけ
・人としての在り方、生き方
 
など、得られるものを挙げればキリがありません。
ビジネス書以上にビジネス書の醍醐味を味わえる小説、
と言ってよいでしょう。
 
また、もし鳥井氏のことを全く知らなくても、さらには興味がなくても
上下巻にわたって大いに楽しめるはず。
思わず手に汗握る、熱き人生ドラマがここにあります。
続きが気になって気になって、
ぼくは久々に歩きスマホならぬ、歩き読書してしまったくらいです(笑)
直木賞作家で、昨年紫綬褒章を受章した伊集院静氏の腕が光ります。
 
今まで、あたりまえのようにビールやウイスキーを飲み、
時にムダに注文して残したりもしていましたが、
本書を読んだことで一杯のありがたみ、価値が変わりました。
一人の人間が、文字どおり、人生の全てをかけて
つくりあげたものですから。
 
仕事って素晴らしいな、と
改めて感じている次第です。
 
本書を当コラムで初めて知った方、
気になってはいたものの、まだ読んでいない方、
既に新聞連載で読んだ方も、ぜひどうぞ!
 
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『モーツァルト:ピアノ協奏曲第20&21番』
(フリードリヒ・グルダ(ピアノ)、クラウディオ・アバド(指揮)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(演奏)
 
69-2.jpg
 
です。
 
 
モーツァルトの名曲、一流揃い踏みでの名演。
ウィーンを代表するクラシックピアニストでありながら、
ジャズにも果敢に挑戦したフリードリヒ・グルダには、
ワインからウイスキー、ビールづくりに挑んだ鳥井氏と通じるものを
どこか感じます。
合せてお楽しみいただければ幸いです。
 
では、また次回。
 
 
 
 
 

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