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第34話 「銀行がカネを貸したくなる企業の財務指標」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

  前話33話で、「売れない不良土地、下がった有価証券、ゴルフ会員権、貸付等の不良債権、不良在庫を一日も早く処分しなさい。そうして、税引前利益を赤字 にし資金の社外流出を止めなさい。そうする事によりキャッシュフローがよくなりますよ。カタ太りの企業体質にしなさいよ・・・・・・」と申し上げました。 このことは何十年と言い続けている私の自論です。
 

 2月上旬 A社の会議室でのことです。
 
 その会社はSPCへの投資ファンドへの出資、不動産投資において20億円の損失を出してしまいました。短期借入金22億円、長期借入金13億 円、短期の借入の期日はまったなしですが、期月ごとに転がして調達していました。しかし、あっという間に3月の決算期がやってきます。そこで決算対策とし てどうするか、が議題なんです。
 
 経常利益は世相とは異なり8億円出しております。前期は10億円出ていました。減益です。当然の事として私は、「損を出して税引前利益を赤字 にしなさい」と意見を言う。
 
 ところが大反論をしたのが経理部長だったのです。
 
 「売上横ばい、経常利益減収、その上投資の失敗が20億円も出ていることを銀行に知られたらたちまち、短期借入金が回せなくなります。今期を 税前利益、純利益を赤字にするなどもってのほかです」
 
「それでは経理部長として粉飾した決算をするということですか・・・」
 
「いたしかたありません。そういうことになります」
 
「私は貴方とはじめてお会いしますが、私は、オフバランス信者です。営業利益と経常利益がちゃんと出せていれば何も赤字を恐れることはありませ ん。いくら粉飾しても22億円も貸出している銀行から見ればその投資が痛んでいるか、痛んでいないかはすぐにわかること。
 貴方は今まで、赤字を出していない会社の経理部長。修羅場をくぐっていないのでしょうね。怖がっていますが、大丈夫です。私が保証してあげま す。」
 
そこへ、社長が
 
「井上先生のおっしゃるように今期は、特損で処理しましょう・・・」との発言。これで引いてくれるのかと思えば
 
「実際にどうして落とすのですか・・・、どこへ売るんですか・・ 誰が買ってくれるんですか・・・合法的にやる方法はあるんでしょう か・・・」
 
「それを考えるのが貴方の仕事では・・・何も案が出てこなかったら貴方の非力さを表しているようなものですよ・・・・勿論、ここにいる役員も考 えますが・・」
 
と私は締めくくりました。
 

 後日、この経理部長は監査法人の人間を連れてきて、監査法人の若者に「銀行信用がなくなるから赤字決算は止めたらいかが」と言わしてい る。
 
 私は、聞いてあきれた。監査法人は厳しくチェックし、粉飾するのを「いさめる役」のはず・・井上先生が脱税を指導でもするとお考えなのでしょ うか?
 
 コンプライアンス上、いけないことをするとでも思っているのでしょうか。粉飾決算をする方が脱法行為ではないでしょうか。
 

 一年や二年、税引前利益が赤字であっても恐れることはありません。現に33話の「赤字目標」のS君の話の通りです。
 

 銀行は金を貸すのが商売。貸しはがし、貸し渋りは本来はないはずです。皆さんの会社のP/L、B/Sが次の指標通りであれば、何も心配する事 はありません。ぜひとも銀行が貸したくなる財務諸表を示す努力をしてください。
 

銀行が絶対貸カしたくなる企業の財務指標
(参考にしてください。)
clinic34_01.jpg
 
企業規模に関係なく、これが合格点を取れば貸付条件、――物的担保、経営者個人保証、
保証会社、返済期間、支払金利、――が非常に有利になります。

 

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