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第131話 来月7月1日は、新年度です

強い会社を築く ビジネス・クリニック

来月7月1日は、何の日かおわかりでしょうか?来月は、実は、新年度なんですね。
 
ピンと来られた方は、税務にお強いですね。
 
そうです、来月7月~税務署の新年度がスタートします。みなさまの会社と同じように、新年度には人事異動があります。そして、この時期に毎年3分の1の職員が異動します。つまり、3年も経てば、メンバーは総変わりするのです。ちなみに辞令が出て、異動するまで1週間です。ろくな引継ぎはできません。
 
税務署員の評価対象期間は、7月~翌3月までと言われています。4月~6月というのは、人事異動前ということもあって、評価の対象期間には入っていないのです。
 
ということは、お分かりと思いますが、新年度間もない時期には「いっちょ、やってやろう!」と、調査官も気合が入るわけです。反対に異動前は、異動のことが気になります。「心ここにあらず」で、調査官のやる気はほとんどない状態です。つまり、時期によって調査官のやる気は全く違うのです。
 
この意味で、税務調査は、野球のペナントレースに似ているといえます。天王山の(勝負をかけるための)調査もあれば、消化試合の(ただ件数をこなすためだけの)調査もある、ということです。
 
また、税務調査の時期は、決算がいつであるかによって、ある程度きまってきます。2月~5月決算の会社は、7月~12月に調査が入ります。6月~1月決算の会社は、1月~6月に調査が入ります。ですから、決算日を変更すれば、消化試合の(やる気のない)時期に調査に来てもらうことができる、ということです。
 
この意味で、税務調査対策として、最適なのは、1月決算と言われています。また、税務調査は延期してもらうこともできます。つまり、「忙しい」や「トラブル発生」などの理由をつけて、調査日をあとにずらして時間稼ぎができる、ということです。
 
「いま忙しいので2月中旬~3月なら対応できます」といってみてください。今度は逆に、税務署が確定申告で忙しいのですね。調査もできません。「では、4月以降で…」とするよう時期をコントロールすることも立派な税務対策の1つです。
 
ちなみに、税務調査の方法は、いままでと大きくかわってきています。平成25年に調査の手続を定めた、「国税通則法」が改正されました。
 
例えば、調査終了に関して、これまでは口頭で済ませるなどあいまいにしていた部分を、書面で残すことが、ルール化されました。また、調査開始前には、
 
(1)調査日時
(2)場所
(3)調査の目的
(4)税目
(5)対象期間
(6)対象書類などを予め連絡することが義務化されました。
 
もし調査の連絡があった場合は、これらを必ず記録する、あるいは録音してください。
 
もしこれらの通知がされていなかったら「手続ミス」になりますし、調査のときに、子会社の資料までも求められたら、「今回の目的はわが社の調査で、子会社は関係ないのではありませんか?」と交渉できます。
 
私は、「税務調査ではエビデンスが大切だ」ということを口をすっぱくして申し上げています。エビデンスをしっかりと準備しておくこと、これが一番の対策であることに変わりありませんが、税務署の組織がどうなって、最近の調査はどのように変わっているか、こうしたことを知っておくことも、税務調査対策としては有効なのです。

 

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