口元はその人の“品位”“格”を語る -“品”編
口元は過去を語り、それは永きにわたってつくりあげられた表情筋とリンクして人に印象を与えます。
ですから、ポジティブな発言をする人は、口角がきゅっと上がっており明るい表情、
ネガティブな発言をする人は、口の左右が極端にアンバランスで、更にその皮肉なイメージを増幅するのです。
いわゆる習慣(過去)が作り上げたもの、それが口元の表情。
また、口は物を食べるという人間の生理的欲求に直結している部分でもあり、
ほんの少しのケアや気を抜いたことにより、相手に不潔感を抱かせてしまう部分でもあります。
そんな口元。ポジティブで人から好まれ、余裕のある表情になるためには、
口角を上げることを意識することが大前提。では、さらに、経営のトップやエグゼクティブの方に望まれる、
“品位(エレガンス)”や“格(クラス)”を感じさせるイメージには、どのようなことが大切なのでしょう?
口をしっかり開けてはっきり話すこと、上側の歯を数本見せた笑顔、これらの清々しい表情です。
“品位”を感じさせる口元をもった人の共通項は、
1)口の蝶番である口角がきゅっと引き締まっていること。
口角がただあがっているだけでなく、口元の締りが良いということは、
余計なことを言わない思慮深さや信頼を感じさせ、清潔感もあります。
また、往々にして、このような方はお食事の仕方が綺麗ですので、
生理的な感覚においても相手に好感を与えます。
2)口をしっかり開けて話していること。
なかなか難しいようで、多くの方に口先(唇)だけで話(発音)をしている傾向を見ます。
これに関しては、日本語という言語の発音に起因しており、
英語のように顔の表情をつけないと話せないような言語とは違い、口先だけで発音できてしまうのです。
文化的背景も重なり、
無表情でぼそぼそ話しているイメージや、怖いイメージを相手に与えてしまうことがあります。
しかし、それを客観的に理解し、少し意識するだけで口をはっきり開けて話せるようになり、
自然に表情も豊かになります。より相手にあなたがどのような方であるかを伝えられるのです。
3)下の歯は見せないこと。
話をしているとき、上の歯が6本ほど見える。
これが綺麗なスマイルラインといわれます。欧米では綺麗な笑顔(表情)のトレーニングがあるほどです。
話をしていれば、下の歯も少しくらい見えるのは当然ですが、上の歯があまり見えず、
下の歯ばかりが目立つ口の開け方をされる方が時にいらっしゃいます。
かなりの度合いで品のない表情と印象されます。
分かりやすい例が能面。女面、男面ともに通常は上の歯しかつくられていません。
下の歯がつくことで表情が下品になるからといわれており、
下歯のある面は品位が低い面ということになっているのです。
下の歯が沢山見えた話し方になる大きな原因の一つは、口角が下がっていること。
頬が下がり、さらに口元(口角)が全体的に下がった無表情で、口先だけで話をすると
下の歯は見えてしまいます。これは覇気のない印象も与えてしまいます。
骨格的に無意識でいるとそのようになってしまう方もあるかもしれませんが、意識して上の唇を動かし、
頬を引き上げて表情を作りながら話をするようにすることで、改善がみられるでしょう。
口元の“品位”はダイレクトに相手に伝わります。
言葉を発し、食事をし、顔の中でも動きの大きく、人の生活の中で
さまざまなメッセージやイメージを発信している部分だからです。
是非一度、ご自分が話しているところを録画し、確認してごらんください。
より品位のある口元や話している表情へのヒントが見えてくるはずです。