「IT系のビジネスモデルで起業するさいに気をつけることとはいったい何だろう?」と最近考えることが何回もあった。実は、若い経営者からIT系のビジネスモデルで新規事業を始めるということで、そのプレゼンを聞いたあたりからいろいろなビジネスモデルの話題がとびこんできたのだ。
IT系のビジネスモデルといっても、イメージがわかない方のためにどんなものか?ということを説明すると、身近なところでは、「Yahoo!オークション」「Amazon」、少し切り口がこったものだと、同一商品の価格を比較して一覧できるサイト
「価格.com」や、高級ホテルの空き室を安く予約できる
「一休.com」などがあげられる。
手前味噌にはなるけれど、以前ぼくが設計して作ったサイトだと
「立ち読みBook.com」(Amazonの100位以内のランキングデータをCronで1時間ごとに自動で取得。 本の試読できるものはそこへのリンク登録、MUSIC・DVD視聴できるものは 同じく登録できる無料のWEBサービス、Amazonのデータベースを利用している)というのがある。
大手のように最初から資金があって広告で周知、集客できるのならいいのだけれど、このての便利なWEBのサービスで無料のものでも、認知され、集客するまでにはけっこうなてまひま、時間がかかる。
ネットで便利なWEBサービスをFreeで提供してもすぐは集客にはむすびつかないのだ。
かくして、最初から淡い期待を胸に、「こんなに儲けられそう」という取らぬ狸の皮算用をしてきた人には厳しい結果となる。
しかも、Webサービスというものは、それを立ち上げてみると予想とは違う使われ方をすることがある。とくにGoogleやAmazonのデータを利用したWEBサイトだと、その使われ方と、運営者側の対処の仕方で生み出す収益が違ったりもする。
さらに、そのWEBサービスじたいで使用料をとるものだと、立ち上げてうまくいきだすと、大手が低価格路線で参入してきていっきに顧客をもっていかれる。
そこで、前記のIT系のビジネスモデルで新規事業を始めるプレゼンを聞きながら、そのビジネスモデルだと、その社長が考えているのと少し違う使われ方になるような気がした。
起業または新規事業を始めるのに、失敗の可能性を追求して始める人はいない。誰もが成功するだろうと考えるからこそ始めるのだ。まあ、それでいいのだが、失敗を避けるためにはWebサービスの完成で、ほっとするのではなく、そこからがスタートだと考えたほうがいい。とくに借入で資金対応し新規事業を始めた場合、そのことを頭にたたきこんでおいたほうがベストだ。
そして、バランスシートの内容を悪くしないためにも、資金的な余裕をもって、立ち上げ後の顧客の反応を見て、収益を生むビジネスモデルに修正していくフレキシビリティー(柔軟性)をもつことが必要だと思う。
じつは、このフレキシビリティー(柔軟性)は、経営のあらゆる場面で役に立つ。新規事業でもそうだが、経営がいきづまって再生の場面になったときでも役に立つ。既存業態では利益率をあげるのは難しいが、自社の仕事を顧客目線で見直してみると、別の儲け方がみつかったりもするものだ。