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イメージ戦略の一般論と罠 その2「パワー・タイの罠」

最高の自分を表現する 成功イメージ戦略

「パワー・タイ=赤のネクタイ」。
ビジネスパーソンのイメージ演出・戦略において、今や誰もが知るほどになった代表的なアイテム。
そこで考えなくてはならないのが、大きな効果の裏には注意事項や、はたまた落としが多いということ。
その赤いネクタイの罠とは? 「“○○のひとつ覚え”」と思われてしまうこと。
勝負ネクタイだからと言って無闇に使用し過ぎると、視覚的インパクトのある赤であるからこそ、一度つけただけで
覚えれられてしまい、逆に人の記憶に残り過ぎるのです。
そしてそこに「またあの人、赤いタイをしている、パワータイか」と「赤いネクタイ=パワータイ」が
一般にも浸透するほどになったことによ る罠が待っているのです。


先日目にしたのは、某大企業のCEOが事あるごとに赤いネクタイでメディアに登場している映像。
それも、同じネクタイなのでは?と思わせる変化の無さ。
これでは「赤のタイをしていればいいと思っているのだろうか?」と、その判断力とセンスを疑われても
仕方がないと思う程でした。
察するに、特別な日対応のネクタイとスーツをご用意されているのかもしれず、何かがあればそれを身につけるという
ルーティーンになっているのかもしれませ ん。しかし、人前に出る時、メディアに登場するときのイメージを、
毎回ひな型にあてはめる様に、まるで同じにしてしまうと、それはただの制服。
これはイ メージのブランディングではなく、非常に消極的な保身に回ったアイディアという印象を、
それを目にする人々に与えるでしょう。それが「赤いタイ=パワー・ タイ」であるが故に、非常に皮肉です。
また、今私の記憶の中で、そのCEOのイメージは「赤ネクタイ」。
そう、話の内容やその他のことを覆すくらいに、また赤いネクタイか・・・という印象と なっています。
メラビアンの法則で言われる、ノンバーバルイメージの占める割合がほぼ9割、話の内容は
1割に過ぎないことを使った、アピアランスの効果、 それもパワー・タイという最強の演出アイテムの過多な使用が、
せっかくの話の内容を全て消し去ってしまうという、残念な例となってしまった訳です。
本来で あれば、ノンバーバルイメージが呼び水となり、話を聞きたいと思わせ引き込む、
さらにそれをいい印象として残すことが目的のアピアランスになるイメージ戦略。
しかし、使い方を誤れば、本末転倒の結果が待っているのです。


では、それでも赤いネクタイを高い頻度で使いたいという方がいらっしゃる場合、どのようにしたらよいか?
それはまず第一にパターンや質感で変化をつけます。
そして、第二に、ご自身に合う赤の色の中で濃さの変化をつけるのです。
その時々のテーマに柄のイメージを合わせたり、その時使うべきテーマカラーも柄の中に取り入れます。
また、装いの土台となるスーツとの兼ね合いにより、タイの光沢感を微調整して使い分け、
全体的に見た際のバランスが変わるようにすれ ば、これだけでイメージは確実に違って見えますし、
間違っても「毎回赤い人」のレッテルを貼られることはないでしょう。
ネクタイは確かに一番インパクトの ある部分ではありますが、単体で存在しているものではありません。
常にトータルで計算し、効果的なスパイスとして戦略的に選ぶべきが、パワー・タイの力を
最も発揮させる方法なのです。


「赤いタイ=パワータイ」この図式が一般化してしまった昨今では、それをした人を見ると、
大抵の人が「パワー・タイか、でどのような勝負に出るんだ」と自然に思ってしまうほどのツールとなりました。
そうなったら、見せる(魅せる)側、そしてリーダーとなる人々は、もっと先手を打たなくてはなりせん。
常に 直球勝負な赤いタイだけで攻めるのではなく、変化をつけながら勝負に出るタイミングを見計らい、
ここぞという時にこそパワー・タイを使用するイメージの頭 脳戦・心理作戦が出来るか否かが
問われるのです。どんなにいい物も、あまりにあり過ぎるとその価値は下がりますし、効果も薄れ、
反対にネガティブな結果のみが残ってしまうことをお忘れなく。それに何より、強い者は、その強さを
常に誇示しないものですからね。ビジネスパーソンに必須の赤いタイ=パワー・タイ だからこそ、
是非とも知性と品性、そして意思を持った使い方で、有効なビジネスツールとして身につけていただけたら、
その効果は何倍にもなり、皆さんの成 功を手助けしてくれることでしょう。


次回は、陥りやすい例の第二弾「だって○○だよ」としてブランドの罠と効果を解析します。

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