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イメージ戦略の一般論と罠 その3「ブランドの罠」

最高の自分を表現する 成功イメージ戦略

「ブランド」、その名前を聞き、そのロゴを見るだけで、それがどういう物か、
どんな感じがするのかというイメージが容易に湧き、その名前自体に大きなパワーを持った物。
経営者、トップエグゼクティブになればなるほど、社会的にパワーを持ち、
その日常生活とブランドは当たり前のごとく接点を多く持つようになります。
そして、そのアイテムも多く存在しています。それも、特に装いの中に。

経営者の方のイメージ・コンサルティングやワードローブ・エディットを行っている場面で最適なもの、
注意が必要な物などのアドバイスを差し上げる際に、後者のカテゴリーに分類したアイテムとして、
誰もが知るハイブランドのタイやスーツが入れられた方々の口から発せられた
「だって、これ○○○○だよ!」という、この○○○○の中が様々なブランド名に入れ替わったセリフを
何度耳にしたことか。これは男女ともに共通です。


その誰もが知るブランドのタイやスーツなどを身につけることで、
何らかの心理的な力強さと自信を感じられていたことは確かでしょう。
ご自身の自信にあるアイテムというものも非常に大切ではありますが、物は自分だけでなく、
他者の目にも見えている、ここが重要です。


このような「ブランド」とは、それ自体でどれ程のパワーと影響を周囲に及ぼし、
強いイメージを見る者に与えているか計り知れないほどです。ということは、TPOやその目的、
ご自身の職業や外見的特徴、内面的な個性などのイメージや、ご自身のブランディングに適切な用い方が
出来れば、ご自身をより印象づける大きな効果をもたらします。
しかし、そのアイテムのブランドイメージの強さや方向性が、その方のイメージとマッチしていない場合、
全てをネガティブに転じさせることもあります。まるで大きなポジティブの数字の積み上げに、
たった一つ掛け算されたマイナスの数字のように。元の数が大きければ大きいほど、
結果として出てくるマイナス数値は大きくなるのです。
そうOをかけて、Oになってしまうよりも大変なことになる。

前回の「レッド・タイ」の効果と罠にも通じる部分でもありますが、威力の大きなもの、
強い薬には必ず副作用があります。さらにブランドは、色彩心理だけでない、
それだけで出来上がった存在感があるのです。これが非常に厄介。

特に、ビジネスシーンでは、どこから見ても「○○」と分かるようなブランドのものや、
ましてやブランドのロゴ入りアイテムは、ブランド好きな感じが全面に出ているかのように
他者の目にはイメージされたり、ご自身よりもそのブランド名の方が目立ってしまい、
体のよい宣伝マンになってしまい、企業を背負ったご自身という、その方ご自身のブランディングと
そのアピールには一切つながらないのです。


それでは、「ブランドは身につけてはいけないのか?」といったら、
答えは「どうぞ、身につけてください!」です。ただ、ブランドのイメージと企業・職種のイメージや、
ご自身の外見・内面の特徴を踏まえ、その場面、ご一緒される方々を想定し、
その上でブランドが先に目立つのではなく、ご自身が引き立つ、これら全ての要素が
いいバランスを保つことができる物を探すことが大切です。
それにはまず、「○○○○だからいいだろう」という考えを取り外してみてください。
そのブランドがご自身にとっていいとは限らないということを、まず客観的な目で疑ってみることです。
物事の選択とは、センスそのもの、その方の経験値や考え方、価値観を明確に表します。
従って、仕事・経営に対する考え方と姿勢、バランス感覚が顕著に表れると行っても過言ではないのです。
また、ご自身や企業・職業・その他のイメージとは方向性の違う、高級ブランドを
何の疑いもなく身につけているとなった場合の、他者から抱かれるイメージは「自信がないのだな」という、
ビジネスパーソンにとって、もっとも避けたいネガティブ・イメージ。
その為にも、ブランド選びとその取り入れ方は慎重にすべきなのです。

確かにブランドは、身につけることで大きな力を与えてくれ、何らかの信頼さえも約束される効果があります。
なのであれば、社会的な立場を持った方々であればあるほど、「その選択も仕事のうち」という責任を持ち、
気を引き締めて身につけることが任務だとも言えますね。
そういう意識の取り入れ方であれば、ブランドの力も加わった、ご自身というブランドが
より高まること間違いないでしょう。人を動かし、人を使うのが経営者なのであれば、
同じようにブランドの力も上手く使い、ご自身のブランディングをもマネジメントし、
さらなる成功を手に入れてみようではないですか。

次回は、「ビジネスランチ/ビジネス・ディナー」についてです。

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