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ビジネス見聞録

「展示会の見せ方・次の見どころ」(2023年10月)

ビジネス見聞録 経営ニュース

アフターコロナは展示会で儲ける!

 展示会営業®コンサルタントの清永健一です。

 このコラムでは、直近の数回、オンライン展示会についてお伝えしていましたが、コロナが落ち着き、リアル展示会が非常に活況になっています。アフターコロナの展示会で、大きな成果を上げている中小企業も数多く出てきています。

 そこで、今回から、リアル展示会で成果を上げるための要諦についてお伝えしていきます。

展示会は、小さな会社が大企業を食う痛快な手法

 「このWEB全盛の時代に展示会なんて意味あるのか?」

 素朴な疑問として、あなたはこのように思っているかもしれません。では、少し考えてみてください。

 「あなたの会社は、WEBで数多くの見込み客との接点をつくることができますか?」

 知名度があり、企業名や製品名で検索してくれる大企業ならともかく、中小企業の場合、それはむずかしいと言わざるを得ないのではないでしょうか?

 「見込み客の自然検索による接点づくりがムリなら、広告すればいいじゃないか」

 おっしゃる通りです。でも、リスティング広告をして見込み客との接点を増やそうにも、広告費用がむちゃくちゃかかります。業種や検索ワードにもよりますが、1社の見込み客との接点を得るために二万円以上のコストがかかるケースも出てきているのです。これでは、資金力が乏しい中小企業が、WEBで見込み客との接点をつくるのはむずかしいと言わざるを得ませんね。一方で、展示会なら正しいやり方で出展しさえすれば、わずか3日(多くの場合、展示会の会期は3日です)で、数多くの優良な見込み客と接点を持つことができるのです。

 しかも、展示会では、見込み客とリアルに面談し対話することができます。対話の中で見込み客に質問を促したり、見込み客の関心に応じて訴求ポイントを変えたりすることによって、興味喚起をすることができるのです。

 一方、これがWEBだとどうでしょうか?せっかく、見込み客が自社のWEBサイトを見てくれたとしても、そこに対話はありません。WEBの場合は、相手の関心や反応がわからないまま一方的な説明をするしかないのです。こうした点からも、展示会が有効だ、ということにお気づきいただけると思います。

 もちろん、展示会で成果を出すためには、リアルな営業活動だけでなくWEBを併用することが重要です。たとえば、ブースで名刺交換した見込み客を、自社のWEBサイト上の特設サイトに誘導したり、見込み客に対して展示会後、定期的にメールマガジンを送ったりすることがそれに当たります。しかし、これらは、すべて、見込み客と接点を持った後のアクションです。すべての起点である「見込み客と接点を持つ」というポイントについては、WEBよりも展示会の方が有効なのは、疑いようがないでしょう。

 次に、展示会の出展スペースについて考えてみましょう。わたしが展示会営業®コンサルタントとしてお手伝いする企業の多くは、一小間、二小間の小さなスペースで展示会に出展するケースが多いです。

 「『小間』って何だろう?」

 展示会に出展したことがないと、「小間」という言葉を耳にすることは少ないと思います。「小間」というのは、展示会場で主催者が出展社に貸し出す空間の単位のことで、一小間は通常、3m×3mです。小間数が大きくなればなるほど、出展料が増えていきますから、資金力がある大企業とちがって、中小企業は、多くの場合、一小間や二小間で出展することになります。

「大きなスペースで出展した方が成果が出るに決まっている。やっぱり、展示会も大企業が有利なんじゃないか!」

 あなたは、そう思ったかもしれません。でも、安心してください。展示会では、必ずしも大きいスペースだから成果が出やすくて、小さなスペースだと成果が出にくい、というものではありません。

 展示会出展で中小企業が失敗する原因の多くは、大企業の展示会出展を中途半端に真似してしまうことにあります。典型的な大企業の展示会出展とは、10小間以上の広大なスペースにお金をかけた派手なブースをつくり、容姿端麗なコンパニオンさんたちに商材を訴求させるというものです。あなたも見たことがあるのではないでしょうか?

 「展示会に出展したって意味ないよ。だって成果なんか出ないもん」

 こんな風におっしゃる方の多くは、こうした大企業の派手な展示会出展を理想形と考えて展示会に出展しています。

 もちろん、こうした大企業のやり方が悪いわけではありません。お金が潤沢にあるのなら、この方法は来場者の記憶にも残りますし、展示会主催者にも喜ばれる有効な手法です。しかし、資金力に劣る中小企業が、このやり方をしても絶対に上手くいきません。中小企業には中小企業の成功パターンがあるのです。

 展示会営業®ノウハウを活用すれば、『金なし・コネなし・人手なし』の中小企業でも、大企業以上に大きな成果を上げることが必ずできます。展示会とは、「小が大を食う」、そんな痛快な手法なのです。このコラムでは、これからその具体的な方法をお伝えしていきます。ご期待ください。※展示会・イベントの日程は変更することがあります。公式サイトから確認をお願いします。

清永 健一(きよなが けんいち)
株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役

展示会営業Ⓡコンサルタント。中小企業診断士。奈良生まれ、東京在住。神戸大学経営学部卒業後、メガバンク系コンサルティング会社など複数の企業で手腕を発揮し、2015年に独立、株式会社展示会営業マーケティングを創業する。展示会のプロフェッショナルとして、展示会主催者や出展企業などにそのノウハウを伝えている。著書の「飛び込みなしで新規顧客がドンドン押し寄せる展示会営業術」「中小企業のDX営業マニュアル~オンライン展示会をきっかけとした営業改革術」(ともにごま書房新社)、「仕事のゲーム化でやる気モードに変える」、「営業のゲーム化で業績を上げる」(ともに実務教育出版)はいずれもamazon部門1位を獲得。行政、公益法人、金融機関、各地の商工会議所など講演実績多数。 ホームページ:https://tenjikaieigyo.com/

ビジネス見聞録WEB10月号 目次
p1 収録の現場から〈原邦雄「人と組織を伸ばすほめ育マネジメント」音声講座〉
p2 講師インタビュー 佐藤将之「アマゾンに学ぶ!成長し続ける組織のつくり方」 
p3 今月のビジネスキーワード「ChatGPT」
p4 令和女子の消費とトレンド「ニューレトロなヴィンテージ古着ブーム」 
p5 展示会の見せ方・次の見どころ

講師インタビュー「アマゾンに学ぶ!成長し続ける組織のつくり方」佐藤将之氏前のページ

3分でつかむ!令和女子の消費とトレンド/【第13回】ニューレトロなヴィンテージ古着ブーム次のページ

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