まちがえるとすべて台なし!どの展示会に出る?
展示会営業(R)コンサルタントの清永健一です。
今回のコラムでは、「どの展示会に出るか」について考えていきます。あなたの会社は、どの展示会に出展すればよいのでしょうか?
2024年度版展示会データベース(株式会社ピーオーピー)によると、2022年の大規模展示会の開催件数は877件です。
877件もの展示会の中から自社にぴったりな成果の出る展示会を探すのはなかなかむずかしそうですね。でも安心してください。展示会選びにはやり方があります。そのやり方とは、大きく分けると2つです。
ひとつは、自社が所属する業界の定番と言われる展示会に出展することです。たとえば、製造業なら日本ものづくりワールド、食品ならフーデックス、化粧品ならビューティーワールド、介護系ならケアテックスなどです。もう少し詳細化して、食品機械なら食品機械工業展(FOOMA JAPAN)、包装資材なら日本包装産業展(JAPAN PAC)、ロボット関係ならロボデックスなども定番展示会と言えるでしょう。
こうした定番展示会に出展するのです。でも、定番展示会には、自社のライバルもたくさん出展しているはずです。だって、自社の同業がたくさん出展しているから定番なのですから。
「ライバルがたくさん集まっている血みどろの海に自ら飛び込んでいくなんて、いやだ」
あなたは、そう思ったかもしれません。確かに、通常のマーケティング論の世界では、競争環境の激しい場所に自ら出向いていくのは悪手だと論じられています。しかし、展示会は通常のマーケティング論とはちがいます。展示会では、少しちがう考え方をした方がよいのです。
そうした展示会には、業界トップの企業も出展しているはずです。業界トップの企業には知名度がありますから、そうした業界のトップ企業を目当てに展示会に訪れる来場者は多いはずです。これがおいしいのです。
もうおわかりですね。あなたの会社は、業界のトップ企業がその知名度で集客した来場者に対して、接点を持てばよいのです。定番展示会に出展すれば、業界のトップ企業の集客力を活用して見込み客との接点を増やすことができるのです。これを、展示会営業Ⓡノウハウでは、コバンザメ作戦と呼んでいます。
あなたの会社に余裕があるなら、展示会出展に当たって、新たに見込み客となりそうな名簿をリスト提供会社から購入し、郵送、FAX、電話などで、自社のブースへの来場を促す、というような集客活動を行ってもよいです。しかし、多くの中小企業は、資金的にも人手的にも余裕があるとは言えない状況だと思います。そんな場合は、集客については自社内にもともとある見込み客や既存客に案内するだけにして、それ以上は、業界のトップ企業やそれに準ずる大手企業に任せる方がかしこいでしょう。
展示会では、大企業の集客力を活用するコバンザメ作戦が非常に有効なのです。 定番展示会に出展するよさは、外れがない、ということです。その意味では無難な方法だと言えるでしょう。ここでは、出展展示会の選び方について、この無難な方法以外に、もうひとつやり方について考えてみましょう。
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