前回の第26回はフェーズ4の「 設計事務所、建設会社、売主 」の第三の項目で『 「意匠設計」部門のみの設計事務所を使うなら、大手ゼネコン設計部の方が良い設計をする。 』でした。
今回の第26回も第24回、第25回、第26回の内容に更に設計事務所やゼネコン選定基準の重要さの御説明を致します。
毎回申し上げていますが、多くのディベロッパーの方々は、設計事務所やゼネコンの選定は上司や用地取得部署からの申し送りや、しがらみで決めております。特に用地取得担当部署はその傾向が顕著です。
そこで、今回は『 用地持込や用地紹介を営業の柱としている設計事務所では売れる物件はできない。 』の理由をお話致します。
まず、マンションや戸建( 建売 )用地の持ち込みや紹介を営業の柱にしている設計事務所は、今迄の設計内容、質やアフター対応が悪く、ディベロッパーよりお声がかからない設計事務所を多く見受けられます。
更に、これらの設計事務所にマンションや戸建の設計を依頼しても、商品企画段階で何も良い提案も無く、ただ依頼主( ディベロッパー )の言うように設計し、同業他社との商品の差別化ができず大手ディベロッパーにことごとく負けてしまった経緯があるのです。
これらの用地持込や用地紹介の設計事務所は、往々にしてゼネコンと組んでいることもあります。前回も書きました様に費用がかかる作図( 実施設計 )等をゼネコンの設計部に自社の用紙に書かせています。そしてディベロッパーが建設会社を決める時には設計図を書かせたゼネコンを強力に推してきます。それで仕事が受注できたゼネコンは更にその設計事務所にいくばくかのお金をキックバックするのです。
大手ディベロッパーも20年前頃はこの手の設計事務所に1度か2度は設計及び工事監理を委託していましたが、できあがった建物( マンションや戸建 )の内容があまりにもズサンで克つアフター対応が悪いこともあり止めている傾向です。
私も同じ設計業界に居ますのでその手の設計事務所のやり口は良く知っています。
次回も更にあまり付き合わない方が良い設計事務所やゼネコンの特徴の御説明を致しますので期待して戴ければ幸いです。