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税務・会計

第14回 コロナ不況時に「社長がやるべき3つのこと」 

賢い社長の「経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」

新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
政府は2回目の緊急事態宣言を発令し、都市部を中心にその対象範囲が拡大しつつあります。
不要不急の外出の自粛、テレワークの推進、飲食店の営業時間の短縮などが要請されています。
経済はつながっています。
その影響は飲食業だけではなく、関連する取引業者へも波及していきます。
ヒト・モノ・カネの動きが縮小する結果、多くの企業の売上が減少し、なかでも資金に余裕のない中小企業の経営は次第に行き詰まっていきます。
コロナ不況が警戒されるなかで、経営者にとって一番怖いのが連鎖倒産です。
そこで今回は、中小企業が取引先の経営悪化に巻き込まれないために、「真っ先に取り組むべき3つのこと」について確認します。
 
最近、御社の取引先の景気はどうですか?
 
 
●[社長がやるべきこと①]売掛金の回収管理体制を強化する
1つめは、売掛金の回収管理の徹底です。
景気が落ち込み始めたときには、売上よりも回収を優先します。
売上が減って赤字になっても倒産しませんが、儲かっていても資金が尽きたら終わりだからです。
 
売掛金が入金期日どおりに回収されていることを確認します。
社長は、「そんな当たり前のこと、いつもやっているよ」と思っています。
しかし、今日現在の回収状況を即答できる営業部門は、それほど多くありません。
特に、月末などに入金が集中すると、売掛金の消し込み作業に手間取り、回収状況がなかなか把握できていないのが中小企業の実情です。
 
大切なのは、リアルタイムでの入金状況の把握と問題の早期発見です。
入金期日に回収できていない売掛金の滞留先リストがすぐに出るように、経理事務の体制を整えておかなければなりません。
 
入金期日の翌日に経理担当者から滞留先リストが営業部門に渡されたら、すぐに営業担当者が得意先に連絡をします。
回収が遅延しているときの対応は、初動がとても大事です。
入金確認が遅れて対応が遅くなるほど、回収不能のリスクが高まるからです。
 
経理と営業が回収遅延情報を共有し、迅速な滞留先への督促が欠かせません。
面倒な対応をグズグズ放置して対応が後手後手になると、後で痛い目に合います。
 
御社は、入金期日に売掛金の回収状況が把握できていますか?
 
 
●[社長がやるべきこと②]得意先の与信管理のチェックをする
2つめは、得意先の信用状態の点検です。
与信管理が甘い会社ほど、回収事故の発生率が高い傾向にあるからです。
 
コロナ禍の影響で長年の得意先でも資金繰りが悪化して、支払いが滞るところも出てきます。
回収が滞ると自社の資金繰りが悪化するだけでなく、督促や取立などの対応に必要以上の時間を取られ、本来の営業活動にも支障をきたします。
手遅れになると、販売したけれども回収できないという最悪の事態に陥ります。
 
通常であれば、営業担当者が定期的に得意先を訪問し、今後の取引の見込み状況などを聞きながら、会社の様子に変化がないかを確認します。
しかし、コロナ禍で訪問や対面営業が難しいこともあるでしょう。
そのような場合は、電話やオンラインで連絡を取り、状況を確認するようにします。
メールのやりとりだけでは、得意先の変化をキャッチすることはできません。
 
また、新規の案件には十分な注意が必要です。
特に多額の取引の場合は、取引前に幹部や社長の決裁を必須にしておきます。
たとえコロナ禍で出張が自粛であっても、電話やインターネットなどの限られた情報だけで判断するのは危険です。
できれば、信用調査会社に照会し、財務情報なども確認しておきたいところです。
 
業績が悪化している会社を狙った詐欺まがいの悪質な取引に巻き込まれるケースも見られますので、注意が必要です。
経験が浅く成果が出ていない営業社員ほど、わらにもすがる思いで電話やインターネットからの問い合わせに飛びついて失敗するようです。
筋の悪い取引に引っかからないように、営業社員に過度な売上目標のプレッシャーを与えないようにしましょう。
 
御社の与信管理の基準や対応は、社員に徹底されていますか?
 
 
●[社長がやるべきこと③]「まさか」のときの対応を準備しておく
そして最後に、まさかのときの対応も事前に準備しておきます。
どんなに社内管理を徹底しても、連鎖倒産によるもらい事故を100%防ぐことはできません。
万が一のことが起きても、会社を継続させるのが社長の役割です。
 
最低限しておくのは、中小企業のための「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」の加入です。
取引先が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。
無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借り入れできます。
掛け捨てではないので、40カ月以上積み立てた掛け金は、解約時に100%返金されます。
掛金は全額損金(経費)になるので、節税にもなります。
 
「経営セーフティ共済」に加入していない会社は、早めに加入をお勧めします。
すでに加入済みの会社は、現在の掛金の積立状況を経理に確認しておきます。
解約だけでなく、積み立てた掛金の範囲で一時的に借り入れすることもできます。
倒産事故が発生していなくても、自社の業績が不振な場合に、いくら資金手当てできるのかを知っておくことは重要です。
 
御社では、得意先が倒産した場合にどのようにいくらの資金を工面しますか?
 
 
●入金状況を見て予兆を知り、万が一に備える
コロナ不況のなかで、「社長が必ずすべき3つのこと」を整理しておきます。
 
①「売掛金の回収」管理体制の徹底
②  既存及び新規得意先の「与信管理」の点検
③「経営セーフティ共済」への加入
 
優良企業といわれる会社ほど、この「基本的な3つのこと」をしっかりとやっています。
 
御社では、連鎖倒産を防ぐために、どのような対策をしていますか?
 
 
【参考】
独立行政法人 中小企業基盤整備機構「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」
 

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