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第31話 日本人社長の考え方、韓国人社長の考え方

あなたの会社と資産を守る一手

企業再生が専門だが、ビジネスモデルの構築も以前から専門としている。どうしてこの2つを専門にしたかというと、いくら努力して会社を再生させても、まったく同じ事業を同じようなやりかたでやっていたのでは、また「いつか来た道」を歩むことになるからだ。
 
今やっている事業から派生して、強みを生かし新しいサービスを生み出すということがビジネスモデルの構築になるのだが、アイデアがでたとしても、営業利益が大幅にアップするとか、原価が現在の数分の一になるとか、あるいは資金の回収期間が極端に短くなるなど、利益を大きく増やせる。資金繰りに大きく貢献するとかといった結果がついてこなければ意味がないことになる。
 
それらのことをふまえてアイデアを出させると、日本人の企業か、韓国人の企業かで、まったく違った方針がでてくることが多い。
 
日本人の社長の場合、自分の仕事に誇りをもっていて、いかにしてその事業のエキスパートになるかということを念頭に考えを述べてくる。
「職人肌」といってもいいのかもしれない。
その結果、より深みをもったサービスが展開できたり、素晴らしい商品が出てくることもある。
だが、これらはある程度、内部留保のある企業でないとできないことも確かだ。
 
ところが、日本における韓国人経営者は、私が知っている限りは、「日本人社長」とはタイプが違う。
彼らは「すでに儲かっている市場に参入しようとする」。
その結果、長い年月と研鑽ではぐくまれた「専門性」とは縁がないビジネスができあがる。
こんな言い方で申し訳ないが、利益が増やせればそんなことは関係ないのだ。
短期的にはそのやりかたのほうが儲かるかもしれないし、現実的だが、事業をつうじて自分に残せるものは格段に違う。
 
専門性を追求すれば同じ条件下での競争相手は少なくなる。
ところが、儲かっている市場に参入し分け前を得ようとすれば、次から次へ参入者が現れ、うまみがなくなる。
だから新しいビジネスが必要になる。このサイクルは儲かっているうちはいいのだが、参入時期を間違えれば地獄を見ることになる。
 
電子製品メーカーとしてサムスンはあまりに強力だが、その基盤を支える電子部品を見れば、世界における日系電子部品メーカーのシェアーは4割にもなるという。
セラミックコンデンサーの村田製作所、カスタムLSIのローム、制御機器・システム機器のオムロン、そして京セラ、TDK。
これらは職人肌の精神でつちかった高い技術力で強固な基盤を作り上げている。
韓国人経営者のビジネス展開手法にはすばらしいものもあるが、「職人肌」を重視する日本人社長タイプの考え方のほうが僕にはあっているように思えてならない。

 

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