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第44話 破たんして、破産や民事再生を自動的に選ぶべきではない

あなたの会社と資産を守る一手

会社が破綻状態で、民事再生、破産などの法的手続を安易に選ぶ経営者は多い。
 
経験したことがない「破綻」という状態に加え、相談する相手が弁護士さんともなれば、当然 仕事柄 法的手続をすすめてくるのが当たり前だと予測可能なのだが…。
 
確かに 事業の破綻で資金繰りもままならない状態で、平然と事業を継続することなど無理に決まっている。だから、「破産しましょう」という弁護士さんの助言は十分納得できるのだ。
 
でも、「何かおかしくないだろうか?」と考え始める経営者も中にはいる。そういった人たちが僕の元を訪れることになる。
 
何がおかしいのか?
 
答えは簡単だ。
 
病気であればちゃんとした診断をしないで、薬を与えたり、手術をしたりなどと同じことなのだ。
 
「融資の返済が出来なくて、税金も滞納、給与支払いも遅延」とかの現状を聞いただけで、その会社の決算書を見るまでもなく「破産しましょう」と主張する。病院であれば病気の診断をしないのと同じことなのだ。
 
病気でもその病名によって与えられる薬は違う。
 
まず、それをちゃんと診断すべきなのに、表面的な事実だけで省略される。ある意味、僕らの仕事は不可能を可能にする仕事だ。じっさい、今年倒産して数億円の負債の期限の利益が喪失され、土地建物などの会社の所有資産は銀行主導で売却させられても、ふつうの会社のように事業を継続している顧問先を今現在指導していたりする。
 
事業を続けられるかどうかは、破綻したその段階で事業内容の精査と財務を確認することで答えが出る。
 
事業を継続すればするほど赤字が継続される会社なら再生できないのだ。
 
逆に、事業内容・財務を精査することで、この分野の事業だけなら生き残れるとわかることもある。
 
ここまでわかればしめたものだ。あとは手続と債権者との話し合いで生き残れるかどうかがわかってしまう。
 
じっさい、これらをやってみるとたいへんな仕事になるのだが、経営者みずからが覚悟を決めて、これらを行えば生き残ることも十分可能なのだ。
 
くれぐれも、破綻状態になったからといって、自動的に弁護士さんのもとに足を運んだり、破産を口にしてみたりしないで、もう一度冷静に事業と財務を見直してみることをおすすめする。
 
そして、経営者一人では難しいというのなら、信頼できる企業再生の専門家に出来るだけ早く相談してみるのが一番よい方法なのだ。

 

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