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- 第221号 ”仕入れ難民”を解消するネット通販
商品を仕入れたくても発注数量が小さすぎたり、遠隔地であるため、既存の卸業者の営業エリアから外れていたりして、営業が不安定な中小の小売店が全国に点在している。このような“仕入れ難民”の解消を目指したのが、国分グローサーズチェーン(KGC)が運営する小売事業者向け会員制通販サイト『問屋 国分ネット卸』だ。
大手食品卸「国分」の100%子会社でコンビニエンスストアをチェーン展開する国分KGCは、宅配大手のヤマトHDと組み、従来は難しかった小規模な小売事業者との取引をネット通販により実現し、小ロットでの購入を可能にしている。
仕組みは通常のネット通販と同様で、簡単な会員登録で利用でき、加盟料や月額基本料は無料だ。クレジットカードや代引きだけでなく、「クロネコあんしん決済サービス」により掛売りにも対応している。商品配送にヤマトグループの宅急便を使うため、過疎地から離島まで国内であれば全国どこからの注文にも対応できる。「店舗一軒まるごとの品揃え」をコンセプトに、食品・酒類・菓子カテゴリーをはじめ、日用品雑貨・青果・ギフトなど約10,000品目を取り揃えており、毎週新商品をラインナップしている。
このサイトは数年前からスタートしているが、メーカーと小売業を橋渡しする卸業の国分が、ヤマトグループのソリューションを活用することにより、新しい市場を作り出している事例である。最近は、小売店以外に、職域売店やノベルティ業者、高齢者施設などのルートも拡大しているという。
このように“ 仕入れ難民”という商流的なインフラ課題は、買物難民と同様に、ネット通販システムにより解消されている。