menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

税務・会計

第4回 社員も我が家へ帰れば立派な経営者

新・会計経営と実学

 社長がよく話をされる口癖があります。

それは「うちの社員がもう少し経営者意識をもってくれたら、もっと会社はよくなるのになあ・・・」という言葉です。

 おかしなものですが、会社で社長からボロカスに言われている社員でも、家へ帰れば立派な家計の経営者に変身するものです。

 ある会社のAさんは、経理の責任者として、何としても利益を出していかなければならない立場にありました。しかし、資金繰りがどんなに苦しくなっても、社長が何とかしてくれるだろうと思っていたのです。

 ある日、手取りが激減している給料袋を見た奥さんが「こんなに残業代が減ったのでは、子供の塾も続けられないし、家族旅行も中止にしないとね」と何気なく呟きました。

 奥さんの呟きを聞いたAさんは、顔を青ざめてびっくりしました。そして奥さんに向かって叫んだのでした。 「来月から残業を少しでも多くして、給料を増やしてもらうように頑張るよ。そして、外食も減らし、家の電気もこまめに消そう。毎月行っていた床屋さんも二ヶ月に一回にする。居酒屋へ行くのも半分にする」と矢継ぎ早やに言いました。

 奥さんが感心していますと「車のガレージも、もう少し安い所を探そう。あとに残った大きな家計費は家賃だ。もっと家計が苦しくなったら、家賃だって引っ越せば減ってしまう。何とかしようと思えば、何とでもなるものだよ」と力強く語ったのでした。

 この話を奥さんから聞いた社長は「会社ではのんびりして、もうこれ以上の経費は削れませんと言っていたくせに、我が家の家計だとすごく決断力があるものだ。特に家賃や地代は、固定費だからこれだけは削れませんと言っていたんじゃなかったのか。そんなお前の頭こそ固定費だと言ったら、〝経理のわからない社長は軽蔑します〟と言っていたくせに・・・」と言ってびっくりしてしまいました。

 こんな優秀な家計の経営者は、どこにでもたくさんいるものです。要は、このような社員が充分に力が発揮できるような、経営システムをつくっていくことが大切なのではないでしょうか。

第3回 社員が脱サラすれば、自然と経営者意識がわいてくる前のページ

第5回 部門採算経営を行なう前に、まずやっておかねばならないこと次のページ

関連記事

  1. 第17回 奥さんの家計簿に学ぶ経営会議の進め方

  2. 第27回 現場が納得した数字に基づく経営会議

  3. 第14回 営業の厳しさが製造現場まで伝わる組織

最新の経営コラム

  1. フランスのド・ゴールは嫌われ者のリーダーシップを体現した「決断王者」である

  2. 第150回『日野晃武道語録 人生の達人になる!』(著:日野 晃)

  3. 第146話 銀行がチェックする取扱注意の勘定科目

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 不動産

    第48回 戸建のモデルハウスは参考です…程度にする事。
  2. ビジネス見聞録

    「会社の健康を守り生産性を上げる法」/精神科医・作家 樺沢紫苑氏
  3. 経済・株式・資産

    第12話 メガバンクの最新動向 ~サステナブルファイナンス~
  4. 健康

    第12回 「真のプラス思考とは」
  5. 社長業

    Vol.85 「社長にとって「死角」は、あってならない」
keyboard_arrow_up