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「もんぺ」「ステテコ」「ふんどし」の人気が復活!?
~日本の伝統ファッションが最新オシャレアイテムに変身~
「モンペ」が話題を呼んでいる。と言えば、
今や「モンスター・ペアレント」の略だと思われるが、さにあらず。
戦中・戦後の貧しい時代を象徴する服装だった「もんぺ」が、昨今、
"日本のジーンズ"「MONPE」として復活を遂げているのだ。
また、こちらも消えつつあったオヤジ専用のズボン下、「ステテコ」が、
Tシャツの有名ブランド「ヘインズ」、「ワコール」、「ユニクロ」といった
大手メーカーまでが大々的に販売するほど、近年、人気を博している。
一方、日本男児の証だった「ふんどし」が、なんと、女性の間で大ブレイクしつつある。
「もんぺ」「ステテコ」「ふんどし」といった日本の伝統ファッションが装いも新たに
リバイバルを遂げているのだ。
◆オシャレでカワイイ「もんぺ」は日本のジーンズだ!
その名も、「もんぺ博覧会」が、2014年7月中旬、JR山手線の秋葉原~御徒町駅間の
高架下施設で開催され、大きな注目を集めた。
「もんぺ」は"日本のジーンズ"であるという視点から、
現代の「もんぺ」を提案している「うなぎの寝床」(白水高広代表、福岡県八女市)が、
オリジナルブランド「MONPE」の1千点以上ものさまざまな商品を展示販売するイベントだった。
久留米絣(かすり)の質感と風合を活かしつつ、
テキスタイルから機能的な素材を考え直して開発された「もんぺ」は、
「履き心地が抜群」「オシャレでカワイイ」と好評を博した。
「もんぺ」は、足首がすぼまった形状が特徴で、
農作業などに適した服装として、戦前の女性たちに普及していた。
太平洋戦争中には厚生省による「モンペ普及運動」と銘打ち婦人会で奨励され、
戦局の悪化にともなって空襲時の防空用に女性の着用が半ば強制的に義務づけられた。
そのため、「もんぺ」は、戦中・戦後の貧しい時代の代名詞となり、
日本が豊かになるにつれて、過去の遺物として忘れ去られて行った。
ところが、ガーデニングや自家菜園のブームが定着する中、
農業に興味を持つ若い男女も増加して来た。
そういった人たちの間で、農作業に適した服装である「もんぺ」に関心が高まり、
それに呼応して、よりオシャレでカワイイ「もんぺ」も作られるようになった。
一方、2010年頃から、「ニコニコ動画」で、
「もんぺ」にTシャツ姿で生放送に登場する女性たちが表れ、
動画ユーザーを中心に人気を巻き起こした。
さらには、膝下がダボッとして足首の裾が絞られている「もんぺ」に似た
エスニック調の「サルエルパンツ」(sarrouel pants)が、
パリコレを発信地にセレブに至るまで
世界的に大流行したことも追い風になっている。
今や、ネット通販大手の楽天市場やアマゾンでも、
さまざまなデザインや素材の「もんぺ」が販売され、人気を呼んでいる。
「もんぺ」は、本来、着替えも簡単で、着心地も楽なため、その後、
作業着としてのみならず、部屋着や普段着にも、その活用範囲が広がって来たのだ。
◆「ステテコ」がダサいオヤジの代名詞から男女の人気カジュアルアイテムに変身
今や男女を問わず、部屋着のみならず外出着としても市民権を得て来た
日本の伝統ファッションの代表格が「ステテコ」である。
「ステテコ」は、着物やハカマの下にはく下着として生まれ、
洋装中心の生活になってからは、ズボン下や湯上がり着として定着していた。
しかし、高度成長期以降、古臭くてダサいオヤジの代名詞となり、
若い世代からは敬遠されていた。
しかし、それが、近年、オシャレに生まれ変わり、再び人気が戻って来ている。
この「ニュー・ステテコ」ブームの発信源となってきたのが、2008年から、
「ステテコ文化の復旧と新しい創造」をテーマに掲げて研究に取り組んできた
「ステテコ研究所」(steteco.com)だ。
研究所の情報発信などによって人気が高まるに連れて、
大手インナーメーカーや有名アパレルブランドも続々と参入。
夏の節電アイテムとしても注目を浴び、百貨店やネット上でヒット商品となっている。
Tシャツの代表的ブランドである「ヘインズ」は「ネオテコ」というシリーズで販売している。
同社は、もともと下着だったTシャツを外着として日本に定着させたことで知られるが、
同様にズボン下だったステテコをカジュアルなオシャレ着に進化させようとしている。
そういった狙いから、「ネオテコパーティ」と題し、親しい友人とのパーティを想定した
幅広いコーディネート例を紹介し、外着としての魅力をアピールしている。
また、スポーツウェアで知られる「アディダス」は、10代の男子に向けて、軽くて脱ぎ着やすい
普段着アイテムとしてステテコを発売。
若い層は、スニーカーも軽量でヒモを結ばない手軽なタイプが人気を呼んでいることから、
従来のパンツより快適さを追求したデザインになっている。
そして、「ユニクロ」もステテコ市場に参戦し、「STETECO」というブランドで、
日本のみならず世界10以上の国と地域で販売している。
全店舗に専門の「ステテコアドバイザー」を配置し、旗艦店の銀座店には「ステテコ BAR」をオープン。
「ステテコとは何か」を解説する記事広告を新聞に掲出するなど、ステテコを知らない世代への
啓蒙にも力を入れている。
一方、大手下着メーカーの「ワコール」は、
男性用ステテコを「部屋テコ」「冷やテコ」といった打ち出しでヒットさせた後に、
女性向けのステテコ「女子テコ」の販売し、人気を博している。
素材に肌ざわりの良い綿100%の高島ちぢみを使用し、着た際のシルエットも美しく見えるよう、
女心に配慮している。
「ステテコ」は、下着からリラックスできる部屋着へ、そして、
カジュアルな外出着へと進化を遂げているのだ。
◆「ふんどし女子」が締めるオシャレふんどしや男性用「ネオふんどし」が人気?
2014年6月、NHKの『あさイチ』で、パンツの代わりにふんどしを愛用する
「ふんどし女子」が増加している報じられ、一躍、話題を呼んだ。
「ふんどし女子」とは、お祭りで男がはくお尻丸出しの六尺ふんどしではなく、
機能性の高いオシャレなふんどしを愛用する女子のことだ。
ふんどしは心身の健康に良い。
パンツのように締め付けないため血流をさえぎらず、跡が付かない。
冷えやむくみの解消効果が期待でき、ぐっすりよく眠れる。
リネン(亜麻)と綿の天然素材でできているため肌にやさしく、
かゆみやビキニラインの黒ずみも起こりにくい。
また、通気性が抜群なので衛生面でも清潔だ。開放感からうつの予防など精神面でもプラスだ。
デザインも、女性向けのピンクやドットのオシャレなふんどし「SHAREFUN」も登場し、
ブームに拍車をかけている。
檀蜜さんもイベントでふんどし姿を披露したことがきっかけとなり、
日本ふんどし協会(中川ケイジ会長)が発表する「ベストフンドシスト賞」を受賞するなど
有名人にもファンが広がっている。
また、ふんどしから進化した「ふんどしパンツ」の人気が高い。
従来の一枚布のふんどしと異なり、布の両端がゴム状になっているオシャレな巾着袋のような下着だ。
ゴム状の部分をお腹に通し、布でおしりと股間を包み込むようにしてはく。
布を巻きつけないので装着も簡単で、締め付けられず解放感がある。
言わば、ふんどしとパンツのいいとこ取りのおしゃれなアンダーウェアで、
夏の部屋着や寝るときにパジャマの下にはくのに便利だ。
ふんどしの歴史は古く、約1500年前の古墳時代の埴輪にもふんどしを締めたものがあり、
日本書紀にも記述があるという。
しかし、明治の西洋化、さらには戦後の洋服の普及で急速に姿を消して行った。
今や各地のお祭りなどで男が締めているのを見るだけになっていた。
しかし、近年、前述の女性用のみならず男性用にも、ふんどし本来の利点である風通しの良さや
開放感はそのままに、デザインやテイストを現代風にアレンジした「ネオふんどし」が続々と登場し、
人気を呼んでいる。
下着大手のワコールも、スーパークールビズ対応メンズパンツ「ふんどしNEXT」を発売し、
好評を博している。
フロント部分はやさしく包み込む適度なゆとりを持たせた風通しのよいデザインに、
バック部分は恥ずかしいと敬遠されがちなふんどしのスタイルを改良している。
また、サラッとした肌ざわりで、汗を吸いやすく速乾性に優れた素材を使用している。
◆和食に続いて「和装」が世界のファッション界を席巻する
日本人に古来から愛用されて来た「もんぺ」「ステテコ」「ふんどし」の
優れた機能と心地良さは歴史が証明している。
日本人の服装が西洋化し始めた明治維新の1868(明治元)年から約150年、
終戦の1945(昭和20)年から約70年。
和装が日本の気候・風土にマッチしていることは明らかだ。
特に湿度の高い暑い夏には和装の方が、断然、過ごしやすい。
和食の良さが見直され、世界文化遺産にも認定されたように、
和装の良さももっともっと見直されるに違いない。
日本のカジュアルファッションアイテムである、
「もんぺ」「ステテコ」「ふんどし」が、
世界のファッション界を席巻する日が来るかも知れない。
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