大震災直後には、東日本ではガソリンスタンドに大行列ができ、スーパーやコンビ二からパンやカップ麺等が消える事態が発生しました。改めて、日本人の生活を支える基盤の脆さが判明しました。
日本の食料自給率は40%(カロリーベース)、エネルギー自給率は4%に過ぎず、世界中の資源に自分たちの生存を依存しています。それにもかかわらず、飽食による食べ残しや賞味期限切れの廃棄食料が膨大な量に上り、必要以上に明るく快適な生活を追及し続けていたのでしょう。
国連世界食糧計画(WFP)によれば、世界では現在7人に1人、約9億2,500万人が飢餓に苦しんでいます。一方で日本人は、本来の日本の国土から供給できる資源量に比べて7倍近い資源を消費しています(世界自然保護基金、WWF)。地球環境にそれだけの負荷をかけた上で、日本人の生活は成り立っているという事実をしっかり認識しなければなりません。
昨年から世界では食糧価格が高騰し、これを原因とする反政府デモで政権が倒れるなど、中東・アフリカ情勢も緊迫しています。国連食糧農業機関(FAO)が発表する食糧価格指数は、今年1月の時点で過去最高だった2008年を上回る最高値を更新。食糧価格の上昇圧力は今後も弱まることはないと見込まれ、中長期的な食料・資源問題を本気で注視し、日本人の食生活を含む生活様式全般を省資源型に変えて行く必要があります。
健全な経済活動のためには過度な自粛を避けねばなりませんが、過剰包装や使い捨て文化を止めることなどは、すぐにできる自助努力ではないでしょうか。そして、この問題を生活設計や資産管理上に、「どのように反映させれば、何が起きても磐石な生活設計になるのか」、「震災復興に日本人全員が痛みを分かち合い、かつ財政状況を改善する税制はどうあるべきか」、大震災とその後の出来事は日本人に難しい課題を残したといえます。
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