menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

教養

第153回『歴史知識ゼロの僕がどうやって18年間歴史マンガ『センゴク』を描き続けられたのか?』(著:宮下英樹)

眼と耳で楽しむ読書術

読書の秋、本番。
存分に楽しめ、学べる一冊を紹介します。

『歴史知識ゼロの僕がどうやって18年間歴史マンガ『センゴク』を描き続けられたのか?』(著:宮下英樹)


です。

著者の宮下氏は、シリーズ累計1,000万部突破の大ヒット歴史漫画
『センゴク』などで知られる漫画家。

本書は、宮下氏による初のビジネス書と呼ぶべき注目の一冊。

読みどころは3つ。『センゴク』は、
歴史上稀に見る大失敗と大逆転をした武将として知られる仙石権兵衛を中心に、
戦国時代を描いた長編作品ですが、
なんと連載当初、宮下氏は、歴史知識が全くと言っていいほどなかったとのこと。

その状態から一体どうやって18年にも及ぶ長期連載を成し遂げられたのか?
1,000万部超えのベストセラーを生み出せたのか?
その成功の秘密を惜しみなく明かしているところが、大きな読みどころの1つ。

次に、「戦国大名とは、戦国時代の経営者」と考えているところ。
経営者として、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄や毛利元就、
さらには比叡山や本願寺などを読み解き、それをいかに作品に描いていくかは非常に興味深い。

そして最後に、宮下氏による歴史観。
冒頭を引用します。

  ―歴史に「英雄」はいると思いますか?
  「世界の歴史は英雄の歴史である」と述べたのは、19世紀の歴史家カーライルです。
  それ以来、たくさんの「偉人伝としての歴史」が生み出されてきました。
  しかし、僕は歴史には「英雄」はいないんじゃないか、と思っています。―

歴史に英雄はいない、とは一体?

もちろん答えは本書にありますが、本書を読んだ上で、『センゴク』シリーズを読むと、
その意図するところがよくわかります。歴史の面白さが一段と深まります。

また、巻末の二人のゲストとの対談も必見!

株式会社 Cygames 代表取締役社長の渡邊耕一氏とは、
現代の経営者と戦国大名に通じるところについてなどを中心に白熱の討論を展開。

戦国大名の先駆け、伊勢新九郎の物語『新九郎、奔る!』がヒット中の
漫画家ゆうきまさみ氏との対談もよき刺激となるはず。

他の歴史関連本とは一味も二味も違う、
経営者・リーダーにとって示唆に富んだ読書となること、間違いなし。
この意外性の一冊、ぜひ読んでみてください!


尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は、

『ズート・アット・イーズ』(演奏:ズート・シムズ)です。

音楽ファンにはもちろん、同業のジャズ奏者からも
大きなリスペクトを集める玄人中の玄人、ズート・シムズ。

その名人芸をたっぷり味わえるこのアルバムには、
地道な力強さがあふれています。

本書と合わせてお楽しみいただければ幸いです。

では、また次回。

第152回『限界突破の哲学』(著:アレキサンダー・ベネット)前のページ

第154回『百年の孤独』(著:ガブリエル・ガルシア=マルケス)次のページ

関連記事

  1. 第132回『エンニオ・モリコーネ 映画音楽術』(著:ジュゼッペ・トルナトーレ)

  2. 第19回 『チェーザレ 破壊の創造者』(著:惣領 冬実)

  3. 第76回『育てる力』(著:栗山英樹)

最新の経営コラム

  1. 第362回 【経営とガーデニング編①】土壌を整える(組織の基盤づくり)

  2. すべては経営者次第

  3. 第14講 経営者が弁護士と良好な関係を築く方法

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    第七十五話 「お客に聞く」、「逆算して行動しろ」(オイシックス株式会社)
  2. サービス

    97軒目 「地産地消の餃子」
  3. キーワード

    第68回 《社内運動会》が復活!?急増する”古くて新しいスポーツイ...
  4. 戦略・戦術

    第150話 「労務費音速 マッハ戦略実現を目指しなさい!」
  5. 愛読者通信

    【特別対談】WBC日本代表 栗山監督の『人の用い方』
keyboard_arrow_up