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第21回 「≪平成サラリーマン残酷時代≫到来!」
~新生銀行「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」に見る日本経済の実情~

次の売れ筋をつかむ術


言うまでもなく、日本経済を支えているのはサラリーマンだ。

そのサラリーマンの懐具合は日本経済の実情を如実に表わしている。

言わば、サラリーマンのお小遣いは、時代を映す鏡であり、個人消費を計るモノサシであり、日本経済のバロメーターだ。

新生銀行では、1979年に当時の株式会社レイクが調査を開始して以来、
毎年、20代~50代の男性サラリーマンを対象にリサーチを実施し、「サラリーマンのお小遣い調査」の結果を発表して来た。

調査開始から30年という節目の年を機に、「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」をまとめるにあたり、
私がアドバイザーとして参画させていただき、9月24日に日本橋の同行本店における記者発表会でコメンテーターを務めた。

そこから垣間見えて来たのは、一世代にわたる日本経済の盛衰の中で日々格闘して来た、
涙ぐましくも、かしこく、たくましい、日本株式会社の先兵たちの生態だった。

※出典:新生銀行「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」
http://www.shinseibank.com/investors/common/news/pdf/pdf2012/120924okozukai_hakusho_j.pdf

※参考:新生銀行「ライフスタイル・ラボ」
http://www.shinseibank.com/cfsg/

※お問合せ:新生銀行 IR・広報部:03-6880-8303

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◆【サラリーマンのお小遣い:今やバブル期の半分、なんと、30年前の水準に逆戻り!】

今や、≪平成サラリーマン残酷時代≫が到来している。
「昭和枯れすすき」という歌があったが、もはや「平成枯れすすき」状態だ。

1989年に日経平均株価が38,915円87銭の最高値を付けた後、
バブル絶頂期の1990年には、サラリーマンのお小遣い額も、77,725円にまで上昇した。

その後、若干の波はあるものの、ずっと下降を続け、
2011年にはバブル崩壊後の最低水準の38,855円を記録。

2012年もバブル崩壊後ワースト3の39,756円の低水準となり、
ピーク時のほぼ半分にまで減少している。

なんと、30年前の1981年の40,833円と同水準に戻ってしまったのだ。

30年とは、英語で、Generation(ジェネレーション)と言うように、一世代である。

調査が始まった1979年には20代だった「団塊の世代」がリタイヤして、
彼らの孫の世代がサラリーマンとなり、調査対象となり出している。

つまり、日本のサラリーマンのお小遣い額は、祖父母の代に逆戻りしてしまったのだ。

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◆【お小遣い額が月収の下げ幅を超えて過去最低水準にまで減少】

サラリーマンのお小遣い額は、景気の動向に敏感に反応する。

日本の「サラリーマンの平均月収」は、1998年の約34万円をピークに減少を続け、
近年は30万円を下回る水準で推移している。

お小遣いに最も影響する「収入」との関係を見ると、2001年までは相関が見られるが、
近年は月収の下げ幅を超えて過去最低水準にまで減少している。

2010年の平均収入額だけ見れば、バブル期の1989年とほぼ同水準だ。
しかし、お小遣いの額は、1989年の53,000円より大幅減の41,910円となり、2割以上もダウンしている。

その理由は、一言でいえば、「将来への不安」に他ならない。

調査でも、「お金に関して考えるようになったり、行動するようになったことは?」という設問に対して、すべての世代で、
「自分の将来」「老後」「年金」がトップ3の回答となるなど、
将来に対する先行きが不透明な中、少しでも節約しようという涙ぐましい努力が見て取れる。


◆【目白押しの増税がサラリーマンのサイフを直撃することは必至】

企業は前年度の業績を見て、翌年度の社員の給与を決定する。
そして、サラリーマンは、その年の年間の給与所得額と、
通帳の残高と借金の残額を照らし合わせて、自分の置かれている経済状況を実感する。

そして、お小遣いの額が、人によっては計画的に、人によっては感覚的に決められる。

既婚者であれば、家計を預かる恐い財務大臣が、ほぼ強制的に決定する。

つまり、企業の景気動向とお小遣いの額には、1年~2年のタイムラグができる。
事実、バブル崩壊後、お小遣い額は、日本企業の通信簿ともいえる日経平均株価から1年~2年、
遅行する相関関係が見られる。

ますます寒くなるサラリーマンの懐事情だが、さらに寒さを増すことはあっても暖かくなることはなさそうだ。

電気料金は値上げされ、2013年からは復興増税、2014年4月からは消費税が8%になり、2015年10月からは
10%の大台に乗る。
今後、目白押しの増税が、ただでさえ寒いサラリーマンのサイフを直撃することは必至だ。
 

◆【20代のお小遣い額が50代を逆転。「飲みニケーション」は死語に!】

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昔は先輩が後輩を連れて飲みに行くのが当たり前だった。

それは先輩の方が会社における地位も上で、給与も多く、お小遣いも多かったからだ。

しかし、今や、そんな、いわゆる戦後の日本のサラリーマン像は、数字の上でも完全に崩壊している。

部下との飲み代を経費で落とし、酔った後輩をタクシー券で帰宅させることなど、もはや20世紀の神話だ。

先輩が後輩におごる余裕などあるはずもない。

そして、年功序列、終身雇用はとうの昔に崩壊し、年上だから先輩とは限らない時代だ。

1979年から2004年頃までは、50代以上の年配者のお小遣い額が20代より多かった。

しかし、2006年には、20代のお小遣い額が50代を逆転。若者の方が年配者より、お小遣いが多い世の中になった。

逆転の最大の理由は、会社において年功序列が廃止され、低成長どころかマイナス成長で昇進や昇給が止まっていることだ。

そして、家庭の事情もある。一世代前ならば、50代になれば子育てもローンも終わっていた。

しかし、今や晩婚化が進み、仮にキャリアを積むに連れて収入が増えても、
50代になっても子育ての学費やローンが重くのしかかっている場合も珍しくない。

2008年以降、日常生活のゆとり度に関する調査でも、
20代は半分以上が余裕があると回答しているのに対して、50代は2~3割ほどの人達しか余裕が見られない。

かといって、若者が年配者をねぎらって飲み代をおごってくれるはずなどない。

かくして、サラリーマン社会の潤滑油だった「飲みニケーション」も、今や死語となった。

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◆【子持ち既婚者と未婚層のお小遣い額の格差は15,000円~20,000円も!】

政府は「少子化」対策に躍起になっている。

しかし、現実を見る限り、結婚などとてもできないし、子どもを作ることに不安を覚える人が多いのも当然だ。

大学を卒業しても、4人に1人が定職に就けない時代。それなりの仕事にありつけるのは半分だけである。

短大卒、専門学校卒、高卒、中卒は、さらに厳しい。

母親がお腹を痛めて子どもを産み、手塩にかけて育て、大学まで出しても、就職もできず、ニートになるか親のスネを
かじり続けるだけ。

お小遣いの調査を見ても、「既婚・子あり」サラリーマンの生活は苦しい。

近年、子持ち既婚者と未婚層のお小遣い額の格差は、15,000円~20,000円もある。

月収が減っている中、家族のために、月収の減少額以上にお小遣いを節約し、身を削って働くオヤジたちの姿が目に浮かぶ。

それなのに、「きたない」「クサい」「ウザい」などと、妻や娘に言われようものならば、生きて行く気力さえ失せてしまうのも
当然だ。

そして、定年後は、家庭に居場所もなく、「濡れ落葉」「粗大ゴミ」扱い。

平成のサラリーマンには、会社のみならず、家庭でもむごい仕打ちが待っている。

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◆【ランチ代は30年前の水準に逆戻り。予算は一日ワンコイン500円】

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サラリーマンの一日の中で、つかの間の休息がランチタイムであることは、今も昔も変わらない。

しかし、厳しさを増す日本経済、月収の減少、さらに月収の減少幅以上に減っているお小遣い額の影響は、
ランチタイムをも聖域にはしてくれない。

ランチ代のピークは、1992年の746円だった。

その後、減少に転じ、2005年以降、一日のランチ代は500円前後の「ワンコイン」が相場だ。ほぼピーク時の約3分の2である。

しかし、子持ち既婚者と未既婚の間には、一日約50円の格差がある。(2003年から10年間平均)
2012年の既婚者のランチ代は510円だが、未既婚は471円。

お小遣いが少ない既婚者は、毎日、サイフとにらめっこしながら、涙ぐましく節約をしているのだ。

唯一の救いは、デフレでランチメニューの価格が下がっていることである。
牛丼が、400円(1992年)→327円(2011年)にプライスダウン。
ビックマックが、380円(1992年)→320円(2011年)に値下がり。

この差は大きい。企業と日本経済の首を締めているデフレが、
皮肉にも、お小遣いが減ったサラリーマンの唯一の味方となっているのだ。

しかし、そのデフレ・スパイラルが、さらに企業の収益を減らし、
サラリーマンの給与を減らし、お小遣いを減らす悪循環をもたらしている。

お小遣いの額は30年前に逆戻りしても、物価は今の方が安い。
とすれば、今のサラリーマンの方が、80年代よりも、豊かさと幸せを実感できるはずだ。

でも、そうならないのは、80年代は、「昨日よりも今日、今日よりも明日は、きっと良くなる」と、「明日を信じる」ことができた。

一方、今は、「明日を信じる」ことができなくなっているのだ。

「景気は気から」と言うが、平成サラリーマンが残酷なのは、金額の大小ではなく、気持ちの問題に他ならない。

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◆【ランチ時間は30年で3分の2に。「食べない」「5分以下」という人も!】

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ランチ場所としては、1993年には外食が約半数(41.1%)を占めていた。

ところが、2012年には、「外食」はわずかとなり、「持参弁当」「購入弁当」「社食」が上位となっている。

節約志向によって、オフィス街のランチタイム事情も様変わりしている。

ランチに「外食」する場合のお店選びのポイントも、
80年代や90年代のように、味やお店のキレイさより、
安くて近いところを好む傾向が強くなっている。

また、ランチの時間は、1983年には33分だったのが、
1993年には27.6分、2012年には19.6分と、
30年間で3分の2にまで減少している。

2012年の調査では、「食べない」とか「5分以下」という人が、4.4%も出て来た。

世代別では、「食べない」と答えた人は、特に30代に多い。
上司からは「成績を上げろ!ちゃんと後輩を指導しろ!」と叱られ、
部下からは「まず先輩がやって見せてくださいよ!上司にはちゃんと言ってくださいよ!」と突き上げを食らう。

サンドイッチを食べる時間さえないほど忙しく、上と下から押されて自分がサンドイッチになりそうな「サンドイッチ世代」だ。

一方、中国をはじめ新興国は発展を遂げたとは言っても、平均月収は1万5千円未満。
同じ仕事ならば、そういった国々に対抗するためには、何十倍もの効率で仕事をしないと勝ち目はない。

日本の職場は、どこもギリギリの人員で回しているので、一人一人の仕事量が多く、非常に忙しい。
また、IT化も手伝って、ますます「スピード」が求められる時代になって来た。

また、今や企業はリストラすることはあっても、新人を採用できる会社や職場は多くない。
そのため、入社後10年経っても、20年経っても、後輩が入って来ない「万年ルーキー」が増えている。
いつまで経っても、花見の時には場所取りをして、営業では先輩のカバン持ち。

その上、日本の社会風土独自の「根回し」や「GNN」(義理・人情・浪花節)が、少なくとも今も表面的には求められる。
それができないと、「K・Y」(空気読めない)などと陰口をたたかれかねない。
そのため、本来の業務以外の、人間関係を良好に保つためのコミュニケーションに大きな時間を割かねばならない。

バブル崩壊後、「安・近・短」は、オフタイムのレジャーのみならず、
オンタイムのサラリーマンのランチにまで浸透してしまったのだ。

そして、日本のサラリーマンのランチタイムは、ますます短くなりつつある。

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◆【外飲みはピーク時の半分の週1回未満。月の飲み代は3分の1の7千円弱に】

サラリーマンの「飲みニケーション」が死語になりつつあることは、外飲みに関する調査結果でも明らかだ。

外食回数は、1999年の月6回をピークに、2009年以降は半分の月3回前後になっている。
つまり、週1回未満しか飲みに行っていないのだ。

2012年は、月2.4回にまで減った。
週に換算すれば、1999年には1.5回行っていたのが、2012年には0.6回しか行かなくなっている。
さらに、既婚者は未婚者の半分ほどの回数しか飲みに行っていない。

昔は「家庭を持って一人前」と言われたが、
今や結婚すると、会社の同僚やお得意先とも飲みにも行けなくなり、
出世にも必ずしもプラスとは言えない世の中になってしまっている。

また、「仕事の後に外で飲食をしない」という人は、
2010年22.6%→2011年35.8%→2012年37.9%と、近年、急激に増えている。

一方、「家飲みをしない」人は12.4%しかなく、飲酒率が下がっているわけではなく、
外で飲まずに、家で飲む「家飲み」が定着しているのだ。
もはや、接待や飲み食いを共にして仕事をもらう時代ではないが、
飯を食ったり飲んだりすることで、お互い人となりもわかったり、信頼関係が生まれる点があることは、
古今東西、変わらないことだ。

これでは、数字だけをやり取りする、ますます世知辛い、無機的な仕事ばかりになって、
日本経済全体が競争力を失って行きかねない。

1回の飲み代も、2001年の6,160円から、2012年には半額以下の2,860円に減少した。
2012年は、外食回数、金額ともに、調査史上最低を更新している。

1回の飲み代と月の飲み回数から算出した1ヶ月の飲食・外食費は、
2005年には、約20,000円弱(19,680円)あったのに、
2012年は、約3分の1の7,000円弱(6,943円)にまで激減している。

外食費の減額と、「全品280円」といった均一価格居酒屋など低価格飲食店の活況と、ニワトリが先かタマゴが先か?
いずれにしても、日本経済は、20年間、デフレ・スパイラルのすり鉢を転がり落ち続けていることはたしかだ。

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◆【80年代サラリーマン3大節約術=「タクシー乗車・飲み代のおごり・ゴルフ」を減らす】

サラリーマンのお小遣いやりくり術も、時代と共に変化して来ている。

「お小遣い対策・節約のためにしていること」の調査によれば、
1981年以降、「昼食代」「飲み代」を減らすことが、常に上位にランクインしている。

飲みの回数と飲み代、ランチ代を減らすのが、サラリーマン節約術の王道だ。

しかし、80年代には、「ゴルフ代を減らす」という回答が20%もあったが、
2012年には、たったの3.2%しかない。

30年前の1982年頃からバブル崩壊までの3大節約術は、
「タクシー」「飲み代のおごり」「ゴルフ」を減らすだったことを考えれば、まさに隔世の感がある。

バブル崩壊を経て、失われた20年においては、もはや、そんなことは当たり前になってしまったのだ。

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◆【平成サラリーマンのランチタイムの「新・三種の神器」=「スマホ・弁当・水筒」】

切り詰められる限界に近くまで既に切り詰めている平成サラリーマンに、
ランチタイムの「新・三種の神器」が登場している。

すなわち、「スマホ・弁当・水筒」である。

会社の同僚や後輩とランチに行くと、思わぬ出費をしてしまうかも知れない。
それに、皆、忙しいので、なかなかデスクを離れられない。

2012年の調査でも、「ランチタイムの過ごし方」についての回答は、
1位が「スマホなどを使ってネットを閲覧する」(50.2%)
2位が「昼寝や休息時間にあてる」(37.2%)
3位が「仕事の続きをする、仕事をしながら昼食を取る」(25.0%)だった。

また、なんと、「一人ランチ」率は47.3%で、
会社の同僚と食べる割合の44.2%を上回っている。

そして、一頃、自分で自分のお弁当を作る「お弁当男子」が注目を集めたが、
節約術としての「弁当持参」は当たり前の時代となり、今や、「水筒持参」が定着しつつある。

2012年には、20代~50代の全世代で約20%、つまり、5人に1人が水筒を持参している。

スマホでFacebookやtwitterをやりながら、一人で自家製の弁当を水筒のお茶で流し込むのが、
平成サラリーマンのランチタイムの実情なのだ。

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◆【なんと、4割のサラリーマンが副収入あり!サラリーマン社会が崩壊する?】

日本のほとんどの会社は、基本的に、兼業・副業を禁止している。

昔からある例外としては、実家が農家で繁忙期に手伝っているとか、
楽器や語学などの才能を活かして家庭教師をしているといった程度だった。

しかし、2005年以降、「給料以外の収入」のある人は、年々増えており、
2005年には29.8%と約3割だったのが、2010年には41.5%と4割を超えている。

既にほぼ2人に1人が副収入を得る時代になっているのだ。
新生銀行の調査で正直に答える人だけで半数にも上る。
隠している人も多いだろうから、実際はもっと多いに違いない。

副収入の1位は、「株式」「投資信託」「為替・FX」といった金融投資だ。

しかし、独自の嗅覚と人脈によって得た情報で自主取引を行なって来た、
日本橋に軒を連ねる中小の証券会社が、昨今、次々に看板を降ろしている。

なぜなら、現在の投資の主流となっている、
1秒間に何千回~何万回もの取引を行なうコンピュータによるアルゴリズム取引に
個人の経験と知恵だけでは歯が立たないのだ。

「投資貧乏」と言われる通り、そんなプロでも勝てない市場に、
素人が片手間に少額で勝負しても、ほとんどの場合、大ケガするだけだ。

また、年々、「ネットオークション」によって副収入を得る人が増えており、副収入がある人の3分の1以上が参入している。

ネットを使って、「せどり」(競取り)をやっているサラリーマンは、もはや珍しくない。
「せどり」とは、掘り出し物を転売して利ザヤを稼ぐ商売のことだ。
特に中古の書籍をネットで転売して稼ぐ手法は相当広く知られている。

「せどりゃんせ!」などというと、まるでお祭りの掛け声のようだが、
そんな「せどり」をやっているサラリーマンを「せどりーマン」と呼ぶ。

そして、2010年以降は、単なる副収入を得るだけではなく、
「副業」をしている人が約2割、「アルバイト」をしている人が約1割もいる。
二足のわらじを履いていることを、平気でカミングアウトする人も増えて来ている。

収入が減り続ける中、サラリーマンとしての給与以外に、収入を得る手段を持つことが、今や常識になりつつある。

それは、年功序列、終身雇用の崩壊といった会社側からではない、
働くサラリーマン側からの、日本株式会社のサラリーマン社会の崩壊である。

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