ニューヨークのビジネス界は、常に変化し、進化しています。特にこの数年間で一層注目されているのは「DEI」。DEIとは、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字を取ったものです。
「あらゆる人が公平に扱われ、尊重され、組織・社会において包括される」状態を目指すこと、あるいはそのための取り組みを意味します。
そして、このDEIがビジネスシーンも勿論のことながら、実際ビジネスとして展開するサービスや商品、その表現の仕方においてベースとなっていることが求められています。いわば、DEIと企業及びブランドにおけるブランディングとしての統合です。
本連載コラムでは、グローバルビジネスの中心ニューヨークから、グローバルな社会動向により生まれるトレンドに焦点を当て、どのように取り入れ融合させ、ブランディングすることが望まれるのか、その面白い事例や成功例を探っていきます。
初回の本コラムは、中でも非常に重要なDEIについて解説します。なぜなら、DEIの重要性とその理解、そしてビジネスにおける実践こそ、ビジネストレンドを生み、ひいては利益に直結するからです。
これは単なる「儲けられる」という言葉に置き換えるものではありません。それが望まれていて、求められる、従って提供すると売れると言うことなのです。
そして、それを如何にブランディングし、可視化できるかが大きな鍵を握っています。
多様性を活かしたビジネスモデルの台頭:
ニューヨークでは、様々な文化やバックグラウンドを持つ人々がビジネスを展開しています。
最も代表的なのは食文化の多様性。異なる食文化同士を融合させたアイディアが生まれたり、肉食の代表格ステーキから、完全菜食のヴィーガンまで様々なニーズに応える飲食店が多数存在しています。
また、可能な限りグルテンフリー食をかれこれ10年近く続けている私にとっても、それが非常に楽にできる環境と商品のバリエーションがあるのです。
今や、「みんなが同じものを買う」という社会ではなくなったと言える昨今。企業は、自社の特色を踏まえ、どの顧客層にアピールするかを明確にし、それぞれの市場に打って出ているのです。
DEIをブランディングに統合する企業:
DEIは今や社会的スタンダード。と言うことは、これを無視するのではなく、しっかり理解し、積極的に取り入れてゆく。これがビジネスにとって成功の鍵。
多くの企業がDEIをビジネス戦略の一部として取り入れています。例えば、あるファッションブランドは、様々な人種や体型のモデルを起用して商品を宣伝し、多様性への理解を示すメッセージを発信しています。
これにより、企業は社会に向けて意思表示をし、社会的責任を果たし、同時に顧客の共感を得てブランドの価値を高めています。
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