エネルギー自給率は4%、食料自給率は39%と主要国中最低水準にある日本人の生活は、
天然資源や食料の価格高騰に多大な影響を受けます。
近頃は毎日のようにメディアが、これらの価格高騰を報じて、食の安全の問題と共に関心が高まっています。
限りある資源をめぐり、先進国とBRICsと呼ばれる新興国などが争奪戦を繰り広げ、21世紀に入ってから石油や
金・鉄鉱石などの価格上昇が続いています。投機資金の流入も一因ではありますが、天然資源の埋蔵量に限りが
ある反面、世界人口は7,500万人/年のペースで増加しており、今後も資源価格の長期的な高騰が続くと予想されます。
人口増加に加えて、原油の代替エネルギーとして需要が拡大している「バイオエタノール」の原料に
とうもろこしなどが優先供給されるため、食料・飼料用穀物の価格が上昇しています。
パン・めん類などの原料である小麦価格も上昇し、輸入小麦の政府売渡価格が4月に30%も値上げされます。
さらに、水も20年後に人類の2/3以上は飲料水に困ると予測され、日本人にとって
水不足は輸入食料の価格上昇を通じて他人事ではなくなります。
今後、景気とは無関係に人類が資源や食料をめぐる争いを繰り広げ、
結果として物価上昇・インフレの脅威が現実となることは容易に想像できます。
ただでさえ経営環境の厳しい中小企業にとって、インフレは企業努力のみで解決できる範囲を超え、
商品やサービス価格に転嫁せざるを得ない状況に近づきます。
すでに忍び寄るインフレに対して、私達は個人としても企業経営者としても
それに打ち勝てるような資産形成をしておくべきです。
インフレ抵抗力のある資産や、資源価格高騰により為替に好影響を受ける資源国通貨建の資産などを取り入れた
国際分散投資は、今後ますます重要であり、個人の資産形成や企業の余資運用に当たって必ず考慮すべき
ポイントになっています。
- ホーム
- 会社と社長のための資産管理講座
- 第2回 インフレに打ち勝つ資産形成の必要性