3月になったら取引銀行の行員がお見えになり、期末(3月31日)前に、ぜひとも一週間だけでいいので、当行から短期借入れをしてくださいとお願いされることがあります。
それって 何の意味があるのでしょうか?
「日常からのお付き合いで、銀行さんからの頼み事もきいておくか!」といって簡単に借りてしまいます。
銀行自体の決算書(P/L B/S)を良くしておかないと金融庁、証券取引所、顧客の目を感じているからなのです。
期末の一日だけでも銀行は貸付金(短期貸付金・長期貸付金)を大きくしようと全銀行員がお客様のところで活動をするのです。
しからば我々の会社も同じことが言えるのです。
期末の決算書は、取引銀行、株主、取引業者にみられても信用の得られる収益性、安全性において、優良企業だと認めてもらえる決算書にしたいものです。
3月決算の会社は、3月31日(本年は火曜日です)P/Lは1年間で締めますが、B/Sは、3月31日 その日一日の状態を表すのです。
ですから、期末の1日である3月31日、その日の売掛金残高、在庫棚卸金額、建物設備償却済み固定資産、長期貸付金等の回収、有価証券の有無を出来る限り少なくしておかなければならないのです。
理解しているようで今、現在の金融機関が会社をどう見るか、ご存知ない経営者がいらっしゃるのです。
私は、長年 繰り返し繰り返し申し上げていることは、
(1)銀行は企業を格付けしている
(2)格付けの根拠は(P/LとB/Sの決算書)
(3)銀行員がするのではなくコンピューターが行うという事実を知っていますか!
という事です。
毎年、銀行はB/S、P/Lを貸付先の会社に要求して「本部」と称するコンピューターにかけて、格付け(スコアリング)をしているということです。
ですから、決算期日一日のB/S、P/Lをコンピューターが好む数値にしておけばいいのです。
スコアリングコンピューターのソフトはどのようになっているか?
私の近著「儲かる会社を作るには赤字決算にしなさい」を読んでいただければ、詳しく書いておりますが、結論は
(1)営業利益を大きくする
(2)自己資本比率を高くする
に尽きるのです。(銀行は返済能力を重視します)
(1)の「営業利益を大きくする」は決算日一日では出来るものではありません。(決してそうではありませんが、損金を特別損失に持っていく等)
(2)の自己資本比率は、2~3か月前から対策をとれば良くすることは可能です。
すなわち、自己資本+総資産ですので
期末1回だけ流動資産(現金+売掛金+在庫)を圧縮する。
固定資産(建物、設備、投資有価証券、貸付金)回収をいそぎ現金化←返済に充てる。
固定資産も圧縮をはかるのです。
経理や財務や社長だけで声を荒げても資産は削れません。
営業部(売掛、在庫)
生産部(在庫、設備)
仕入部(仕入れコントロール)
管理部(銀行返済)
全員がこの日を感じて、総資産を圧縮する責任を感じる意識と行動が必要なのです。3月31日は近づいています。