私は20年前より、中小企業の経営者が利益を上げるのは当然だが、税金を支払うために銀行借入れを行う「愚」を冒してはならないと指導してきました。
キャッシュフロー(使えるお金を生む)経営に転換すべきであると申し上げてきました。
その中でも次に述べる二策の井上マジック、やってみるとすごい効果が上がるので、多くのお褒めの、感謝の御礼を受け取っております。
【1】土地等の値下がりした固定資産を子会社等に売却して特別損失を出し
節税し、資産の圧縮により、自己資本比率が改善する。
この行為を「オフバランス」と称する経営策である。
【2】経営者貸付金ではなく、形を変えた少人数私募債として会社へ資金を
貸し付けなさい。3%~5%の利息を取り、その税金は20%の分離課税で
非常に有利である。少人数私募債は、銀行に対しては
自己資本と見なしてくれます。
【1】の子会社へ売却してオフバランスして、含み損を出して、節税するやり方は
3年前にグループ税制が施行されたおかげで、この手法が取れなくなりました。
【2】の少人数私募債も本年12月31日をもって終わり、20%の分離課税から
総合課税に変更となるとの改正が行われます。
以上のことから井上が薦めるこれら二策は終わってしまったと考えている方が少なくありません!
【1】子会社に不良資産を売却して、赤字を出し節税する。
【2】少人数私募債を増やして、自分たちで資金調達をする。
【1】はグループ税制で100%子会社への売却は節税にはならないのです。
今日でも、例えば資本金100万円の会社をつくり、1万円の他人様の
株主が存在すれば良いのです。それ以外に個人に売却すればOKです。
しっかりしたストーリーが存在すればいいのですね。
【2】も別に少人数私募債制度がなくなったわけではなく、受取利息が
20%の分離課税がなくなっただけで、総合課税でやればいいのです。
定期預金にしておくよりも、3%前後の利回り商品は世に存在しない
のですから、こんな有利な金融商品はないのですね…。
ある意味になった節税改正もありますが、会社の受付や応接室に飾る絵画や置物の美術品について、取得価格が1点100万円以下の品であれば(時の経過によりその価格が減少する)減価償却資産の対象となるように通達が今回、改正されましたね。
前代社長の油絵肖像画、銅像、そして99万円の絵画も償却してゆけるのですね。
顧問税理士の方々は、これらの方法をご存知なはずなのに、クライアント企業にお薦めしないのは何故でしょうか?
中小企業倒産防止共済(800万円)などはすごい埋蔵金作り策ですし、経営者個人においても小規模共済(年間84万円控除)も大きな埋蔵金になるのに薦めないのは何故でしょうか?
私にはさっぱり理解できません!
今日も税理士さんに相談にいかれればいいものを、私の事務所に訪れる方がいらっしゃいます。