銀行調達の好きな経営者では自己資本比率は良くなりません。
何社も経営のお手伝いをするうちに 会社の大小、業種、社歴に関係なく自己資本比率の高い会社に出会うことが多くなりました。
自己資本比率とは B/Sの右側の総資本のうちで自己資本が何%占めるかなのです。
自己資本比率の高い会社は、長・短借入金が少ないのです。
経営するには 他人資本に頼らない経営をしようという信念をもっていくべきです。
なぜ、長・短借入金が多いのでしょうか?
それは原材料 仕掛品 製品、商品在庫が多い、売掛金 受取手形が多い会社は、運転資金としての短期借入金が多くなります。土地、建物、機械投資が多く必要になる業種は、長期借入金に頼っている会社です。
それよりも、経営者トップが それらの総資産がなくては商売ができない!
そのために金融機関調達が絶対に必要であると信じこんでしまっている。借入金を少なくしようという考えがなく、常に銀行からの借入取引があることが心情的に安心するタイプの方が多くいらっしゃるのです。
しかし、銀行は自己資本比率の悪い会社には 良い借入条件は示しません。銀行調達の必要な会社は、まずは金融調達に頼らないという信念を持つことです。
銀行借り入れしなくても商売はできると思え!
銀行取引、銀行口座なしでは商売になりません。しかし、借入しないと良い会社はできないと頭が固まってしまうと、自己資本比率は上がりません。
「すし吉」の女経営者は、終戦直後の金のない時代は、大衆浴場の経営者からお金を借りました。在日経営者の金さんは同郷人から、海原鉄工の海原氏は、頼母子講から、街の金融業は、中小零細の現金商売の経営者から手形を発行して高い金利率を払ってお金を調達したのです。
戦後の金不足で 担保や信用の無い者は、銀行は相手にしてくれず、金利の高い中で銀行には頼れず、仕方なく苦労された方が実に多いのです。
在日の金さんなどは 「現金商売」 「借り物件」 「サービス業」の3つが可能となる業種を選ばれて、低固定資産、現金商売で資金調達が少なくてすむビジネスをやってこられました。
借り入れに頼らず、商才とそろばん勘定に徹した戦後の裸一貫から成功した経営者は 自分を頼るしかなかったのです。
戦後からもう70年過ぎており
インフレ ― デフレ
土地経済 ― 経営能力
地域経済 —- 世界的視野
金不足 -― 金余り
とすっかり 世の経済環境は変わっています。
日本の経済慣習は 通用しなくなっているのです。
在庫を持つ ―― システムを活用して在庫回転の速さで在庫を少なく
売掛金受取手形―― ネット30 30日回収 手形は過去の遺物
「使用すれども所有せず」 なんでもかんでも自分のモノでないと安心しない老人ボケの会社経営ではダメなのです。
リース、レンタル、ブロックチェーン、分業による効率化は今や 世界の課題です。