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戦略・戦術

第98話 私は事業承継の成功の実務者

強い会社を築く ビジネス・クリニック

事業承継の成功の実務は
 
本年2月13日、東京で上記のタイトルでセミナーを開催しました。
60名の聴講者の方々にお話をしました。
 
考えてみれば、このようなタイトルのセミナーはほとんど税理士の先生方がお話されるのです。
しかし、その方々のお話と実践実務を40年に渡り、見聞きしていた私にとって、先生方のされる実務に対して、はなはだ多くの疑問点と不満を持っておりました。
 
後継者育成を30年間やっていて、実際の実務現場は、私のほうが長けているのではと感じることが多くあることに気が付きました。勿論、税務面は税理士、法務面は弁護士先生とタッグを組んで実施していますが…。
各先生方が法的に手続きし、法に抵触しない方策をされても、現実は、情実、理屈、金銭等が絡み、ぐちゃぐちゃになってしまい、会社を存続させるという面、承継していくという面からいって、とんでもない方向に行って、最悪の倒産という事にもなりかねません。
 
税理士さんという職業は、各企業の中に入りこまれ、弁護士や司法書士さんより身近な存在であります。
まして、経営コンサルタントを雇われている企業は少ないです。
世の経営者は、税理士に対して過大評価をしておられます。税理士さんも種々な税務問題に対し「知りませんので!」とはおっしゃいません。
 
解らない事には、もっと専門家を紹介するなりすればいいものを、相続に対しては、お茶を濁す場合が見受けられます。
私も税理士先生は、すべて税務において長けておられるとばかり信じていましたが、次に申し上げる現実を知れば、ご存知ないのは当たり前と最近、気付いたのです。
 

実は、税理士さんには2つのタイプがあります。
(1)税理士試験合格者
(2)税務署退職のOB税理士
 

(1):(2)は60%:40%ぐらいと風のうわさで聞きます。
試験合格者は、国家試験をかいくぐってこられた方、頭もよく、税法に長けていて、素晴らしい能力をお持ちの方と信じていました。
しかし、どのような科目に合格して、資格を与えられたのか皆さん知っておられますか?
 
税理士の試験は、
必修科目(簿記論、財務諸表論)、
選択必修科目(法人税、所得税)、
選択科目(相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、事業税又は住民税、固定資産税)に分類されますが、この中から2つ選べばいいのです。
必須が 簿記論と企業会計原則、法人税と所得税から1つ選択する。
消費税法と酒税法、事業税と住民税はそれぞれどちらかを選択すればいいのです。
 
特に選択の2科目からは簡単そうなものを選ぶそうで、相続税は避けると来ています。
よって、相続税のエキスパートの方が少ないのです。
 

一方、税務署のOBの先生は、日々の記帳業務は全く弱いのですが、税務調査に立ち会うことに関してはエキスパートであることは間違いないのです。
 
ですから、何億円という資産を残しておられる長者経営者の30年に一度の相続に対応することはめったに仕事として入ってこないので、実は、全く「わからん!」というのが正直なところではないでしょうか?
 
有難いことに私の関係先は、高収益会社が多いのか、又、そのような方々が東京のセミナーに全国から来られて、お会いする機会が多いので、経験と場数をこなしたことで、私でも事業承継のエキスパートになるのでしょうか…。
 
最近の経済雑誌や経済本の相続税対策本の広告が新聞等でさかんに出ています。
確かに、資産家にとって相続税は増税になります。
増税になって、良い会社ほど価値が高く、税が高いのです。
たいした資産がなければ、国もそんなに高くは取ってきません。
 
相続税の知識を本・書籍・税理士と勉強されるのも良い事だと思います。
しかし、私が許せないことは、勉強をしていない税理士や会計士、ノルマを持った銀行員が融資したいとの目的から、相続税がいかにも安くなるベストのスキームだ!と企画書出してきて、言葉巧みに近づいてくることが頻発していることです。
 
銀行に儲かる金融商品、不動産商品を薦められて大失敗した、痛い目にあった方々が、私どもの事務所に相談にお越しになられます。
 
まず目につくのが株価算定が非常に高く評価されていることです。
 
隠れ不良資産(土地、建物、在庫、売掛金)
隠れ資産の、代表取締役の退職金、古手役員陣の退職金が計算されておらず、当然、相続税が高く見積もられているのです。
 
相続税は髙いですよ!高いですよ!
保険に入りましょう
不動産を買っておきましょう…
持ち株会社をつくりましょう…
それらの資金はご安心ください!我が銀行がその分を融資しましょう…となるような企画書なのですね…
 

税理士、会計士、銀行が主になって不動産業者、住宅販売会社、保険会社がセットになっているんですよね…
 
そう簡単にわからないから、任せた!と言わず、我々に相談してみてください!!

 

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