「御社の自己資本は いくらありますか?」
と問われて すぐに答えられる経営者は少ないです。
「え~~と 資本金は 9000万円です!」
「いいえ 資本金を訊ねていません! 剰余金と合わせて自己資本総額を
訊ねているのです。」
「ちょっと待ってください エ~~と どこに記してあったかな?」
「損益計算書をみても 記されていません ! 貸借対照表を見てください!」
会社にとって大切な数値である自己資本を 毎月、毎年、意識して経営している経営者は少ないです。
〇〇ショックや〇〇〇不況期がくると経済新聞には 毎日のように自己資本の脆弱さによって倒産したとか、〇〇会社は財務改善で 自己資本力強化を図ったとかの記事が掲載されています。
貸借対照表という会社の財務目録ともいうべき計算書は どの会社でも経理が作成しています。この表は左右があり 左側は会社の資産が表されてあり、この資産を使って商売をしているのです。
右側は その資産の調達明細であるのです。
右側には 大きく2つに分けられます。上部は他人資本調達であり、下の部が自己資本調達なのです。
経営の安定度で申せば 他人のお金に頼っているのか?
自分のお金に頼っているのか?
他人様が見たとき、自分のお金で経営している方が信用がつくのが決まっています。
しかし、現実、社会のいろいろな人たちのご支援で大きな商売をするとき、他人資本に頼るのも悪くはありません。しかし、度のすぎた他人だよりでは信頼されないのは当然、 明白なことなのです。
まして今回の様に コロナ禍による日本中、世界中が大不況に悩む時、自己資本比率の脆弱な企業から淘汰されてゆくのです。
常日頃 私の主張は「まさかの坂がある」 その為に「自己資本比率」を高め 「無借金経営」を目指しなさいと申し上げてきました。
世の中には無責任な無智な経営コンサルタントや税理士がいます。
小山某や有名税理士ファームにいたⅮ氏や会計士のH氏は 銀行からできる限り借金をして 現預金にしておけ! 米ドルを買え! 金を買えなどと 私とは真逆のことを言っていたのです。
いかに多くの借金をして現預金を積んでおいても月々の借入金返済は発生するのです。月々の売り上げ収入は入ってこないのに、月々の銀行返済はどうするのでしょうか?
自己資本の高い会社の現預金に類するお金は、銀行から借りたものではなく自分達のお金なのです。
しかし、会社は大きくなってゆくと 世間のいろいろな人たちのご支援で商売をさせていただけるのです。
原材料や商品の仕入代金を買掛にして支払いを待ってもらえることができますし、あらゆる管理費もすぐに支払わないとダメということはないのです。支払いも月末に締めて 翌月の末日に支払えばいいのです。
また、金融機関としての銀行には、運転資金として必要な季節原材料や労務費や納税資金を短期借入金として お願いするのです。
業容が拡大してゆくと工場や店舗、倉庫等の不動産の購入や高額な大型機械設備も必要になってきます。ので、当然に長期返済でないとできないので、長期借入金が発生してくるのです。
調達先である販売仕入業者も借入先の銀行も この会社は「大丈夫か? 」を考えるのです。
必ず「恐れ入りますが 損益計算書 貸借対照表をご提示ください」とくる
信用できるか 出来ないかの判断は この2つの諸表を見るのです。
その時の価値判断が 「自己資本比率」を見るのです。
自己資本比率とは 右側の合計 総資産のうち 自己資本が何割 何%あるかを見るのです。
勿論 多いに越したことはありませんが、どうでしょう・・・
自己資本33% 長期固定負債33% 短期流動負債比率33% なんかがバランスが取れていると考えられています。
しかし、銀行は資金繰りの悪い、そこそこ貧乏な会社が好きです。好きというより,良いお得意先なのです。
なぜって?
お金がすぐ必要になって、借りてくれるからです。お金が不足しない会社は 得意先ではないからです。
銀行などは 冷静冷酷です。いかに売り上げが多くあろうと 土地・建物が立派であろうと社長が名士であろうと 自己資本の低い会社はいつ倒れるのかわからないので 厳しい条件できます。 腹の底では評価はしてくれないのです。