menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第84話 TPP問題、私は賛成者なのです

強い会社を築く ビジネス・クリニック

競争力で負けて、消え去った産業の悲しい出来事は多くありました。
今の若い世代の人々には、経験がないので理解しにくいでしょうが、
TPPでなくとも多くの日本の産業が、国際競争力に負けて消えてしまっているのです。
このことをご存知でしょうか?
 
(1)三井三池の炭鉱 労働争議
(2)林業と町の製材所
(3)造船業と企業城下町の衰退
 
私は、大学を卒業後の昭和42年~48年頃、ある企業の学卒1号生として管理部門(人事採用)の仕事をしたことがあります。
中高年の中途採用者、20歳前後の高卒者など、九州、熊本大牟田、福岡田川出身の人が多かったのを記憶しています。
 
その数年前に起こった三井三池炭鉱の労働闘争は、今、映像を見ても内戦さながらです。石油の価格、使い方の利便性、そして、蒸気機関車の消滅から、石炭ではなく石油になっていきました。
石油の輸入で関税をかけても、もう石炭を利用することは、政治的にも許されなかったのです。
九州だけではなく、山口の宇部も北海道の夕張炭鉱も順次なくなっていきました。
かわいそうな事ですが、事実です。
 
 
軽井沢や北海道などには唐松林が多くあり、ロマンチックで良い風景があります。「自然はいいね・・・」と女性はおっしゃる。
なぜ、唐松林があるのでしょうか?
皆、人間が利益の為 植林したものです。
 
戦争が続いた昭和のはじめ、あの頃は炭鉱、トンネル杭、あちこちで富国強兵の為にトンネルを掘りました。そして、木材杭が必要でした。
山の松材を伐採したのですが、足りずに、一番成長が早く、杭に使用できたのが唐松材だったのです。ですから、やたらと植林したのです。
 
戦後は、住宅がたりませんので唐松 → 杉になったのです。
その杉材も外材に押されて伐採しないので、今や花粉症の原因になっています。
 
昭和47年頃は 日本列島改造ブーム(田中角栄)で、住宅ブームがおきてきました。48年には、アメリカの建築工法、2×4(ツーバイフォー)工法が出てきました。2インチ 4インチの集成材を使った壁工法で、日本の在来工法の檜による柱工法とは全く異なるものでした。
40年~50年たった檜材ではなく、雑木に近い木を貼り合わせた安価な造り方は、在来の日本伝統工法に大いなる影響を与えました。
 
三重大学の林業部の教授で大阪 松原の▲▲材木の社長と私は、大論争になったのを覚えています。
結論から申せば、「日本では もう 林業は存在しなくなる。産業としてはなりたたない!」という事を申し上げたのです。
私は、アメリカの木材会社「ウェアーハウザー」の本社をその前に見学していたのです。ウェアーハウザー社は、30年サイクルで、植樹、植林から伐採、製造まで一貫して工業化しているのです。
アメリカのそれは、平地に近い状態で行っており、日本の急な山の斜面での植林育成とは大きく異なっていたのです。
効率では全く歯が立ちませんでした。
 
林業のある地には、材木市が立ちました。丸太を消費地に持ち帰って、消費地の製材所では、大きなチエーンソーが唸りをあげて丸太を板にしていたものです。
あちこちに製材所がありました。
今や、それもなくなりました。
多くの山林就業者、運搬業者、製材業者がいたのです。
今では すっかり見かけなくなりました。
 
造船所もなくなりました。
私の親の故郷は 広島県 尾道です。
JR尾道駅前はすぐ前が海で、向かいの向島に渡し船的連絡船が出ています。
そこには、向島造船や因島造船があり、小学生頃の私は、朝のラッシュ時の船の行き来が楽しくって、わくわくして見ていました。
 
勿論、親戚のおじさんもその中におり、胸をはって通勤していました。
わけても因島にある日立造船に勤務しているだけで、町ではそれが『誇り』で、家族中、威張っていたように思います。
 
外洋船を造船するのは、大変な技術のいる産業だと教わりました。
なぜって、あの海に浮かぶ鉄の箱の中には、町1つが存在していると聞かされていました。
発電、上下水道、住宅機能、消防から医療まで 町1つが組み込まれ、造るにはあらゆる職種が必要だったのです。
今日、現在 外洋船の受注状況がゼロであると、先日、新聞で知りました。
日立造船がなくなり、尾道の関連鐵工所、下請けもことごとく閉鎖されました。
 
その時のわびしさと、親戚の方々の失業等々 悲しい思いを私も味わいました。
それらの産業は、韓国や中国や発展途上国に行ってしまいました。
悲しくはありましたが、これって悪なのでしょうか?
 
 
 
「優勝劣敗」
 
40年間の私の信条です。
フェアに市場で勝負をしたら、優れた者が勝ち、劣っている者は負ける。
静かにリングを降りたらいいのです。
死んだわけではなく、又、勝てる市場、仕事を探せばいいのです。
 
国民、市民、消費者、使う人に決定権があるのです。
買ったり、買わせたり、売り手になったり、買手になったり、世界中がその関係になれば、戦争は起きないのです。自由貿易を積極的に推進すれば平和なのです。戦争は起こらないのです。
 
一年前 中国は国際占有率の高い「レアメタル」の価格を吊上げ、輸出を禁止しました。
「ばかなことをする」と思っていました。
 
高くなれば、採算がとれるようになった他の国が、それを造り販売し高くなった製品を中国は部品として、また、再輸入しなくてはならず、「天に向かってつばを吐いたようなもの」で、たちまち 自分の顔に、そのきたないつばは降りかかってきました。
今や「レアメタル」は、世界的に価格は低下しています。
 
 
ある大学の教授が、通産大臣に云いました
「弱者の方々の為に、それをどうするか!   その対策をたてるのが政治家のする仕事でしょう!」と迫りました。
国際的貿易は、政治家の力で裁量する問題ではありません。
国が全ての弱者を助けようとするなら、補助金政策をやり、更に税金が必要となります。返って国力が弱くなるのは目に見えています。
すべての人を助けるには膨大な資金が必要なのです。
政治に頼らず、自ら生きる方策を考えるべきなのです。
 
TPPは、ぜひとも推進すべきです。
農業が全部、壊滅的になるとは決して思えません・・・・・

第83話 倒産を避けるのは 復元力です前のページ

第85話 息の長い 潰れない企業をめざせ!次のページ

関連記事

  1. 第108話 個人保証を外す銀行交渉をしなさい!

  2. 第43話 「続・良い投資と悪い投資」

  3. 第24話 「銀行の企業を見る目が変わってしまった。

最新の経営コラム

  1. 第169回 「達人に学ぶ①アパホテル 元谷拓さん」

  2. 第4講 まず、担当者がお客様との正しい関係に合った対応をすること!

  3. 第19回 成長するフィンテック企業の戦略 ~ クラウドファンディング Makuake ~

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 戦略・戦術

    第179号 4000品目
  2. 健康

    第40回 相泊温泉(北海道) 夏季限定!日本最東端の湯
  3. 教養

    2017年2月号
  4. 戦略・戦術

    第89話 アベノミクス 投資減税をわが社のものとせよ!
  5. 経済・株式・資産

    第37話 あきらめたら、そこで終わり
keyboard_arrow_up