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マネジメント

第58回 『人を見抜く眼』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

機械を動かすにせよ、お金を生み出すにせよ、ビジネスが人間の為すことである以上、
ビジネスシーンのいたるところで、人を見る眼、いわゆる対人判断能力を高めることが求められる。

商談の場面を、思い出してほしい。

商談が成立するときというのは、「なるほど」「そうですね」と、
相手がこちらの説明にテンポよく相づちを打ってくれる場合が多いのではないだろうか。

それも注意して観察してみると、「間が良い」というか、
こちらの説明にせいぜい二回か三回、適度に相づちを打っていることに気がつく。

そもそも、制約まで行くケースにおいては、会話はスムーズに運ぶものだ。
というのも、相手の適切な相づちに気持ちよくさせられると、説明にも自然に熱が入るからである。


反対に、こちらの説明に頻繁に相づちを打つケースでは、
「それでは」と結論を迫ろうものなら、「もう少し考えさせてくれ」と、商談が成立することは少ない。

会話の潤滑油である相づちも、ひとつの説明につきせいぜい二度、三度までがOKサインだ。
四度、五度と頻繁な相づちは拒 否のシグナル、早く商談を終わらせたいと云う合図であることが多い。


これが握手ともなると、もっと判りやすい。
私の場合、外資系が永いということもあって外国人との交渉の経験が多く、日本人同士に比べて握手する機会が多かった。

握手の場合、差し出す手を相手が強く握り返し、かつ握手時間も長いときは商談が成立し、
反対に、商談が不調に終わり「またの機会に」などというときは、相手の握手は弱々しいものである。


このように、少しばかり注意力を発揮すれば、人の心は案外簡単に見抜くことができる。

私の知っているケースだが、見込みあるとして可愛がっていた部下を後任に抜擢したところ、
間もなくして追い出し運動を開始された取引先の部長がいた。

「寝首をかかれる」とか、「飼い犬に手を噛まれる」といった言葉があるが、人を見抜く眼が欠落している場合が多い。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という格言もあるではないか。

そもそも、対人判断能力があればこそ、人間関係もスムーズにいくものだ。対人判断能力を養うことによって、
統率力も生まれ、部下へのよい働きかけもできるようになってくるのである。



新 将命     

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