足音の違い
久々に戻った日本、ビジネスパーソンの服装のクオリティーは世界的にも
高いレベルだということを実感するとともに、とても気になったことの一つがあります。
それが足音。何故か切れ味の良さを感じることができません。コツコツコツという音ではなく、
スチャスチャスチャという、ちょっと慌ただしい二重の音がするのです。
颯爽としない音。
そのような音の先に目をやると、決まって見えてくるのが 踵を引きずった歩きかた。
なんともがっかりしてしまう姿。海外でも、そのような歩き方と音の先に視線を動かすと、日本人の方が目に入ります。
ビジネスシーン、それもリーダーたる人々に求められる印象のキーワードは、余裕、精悍さ、重厚感。
しかし、踵をひきずった歩き方とその音はそのすべてを失わせてしまいます。
これは、視覚だけでなく聴覚的なイメージにおいても、ポジティブな印象を周囲に与えられていないことは、
もうおわかりですね。
着物を着用した際にはその装いにあった振る舞いや足さばきとなる「すり足」ですが、
洋装それもビジネスシーンの装い・振る舞いには「すり足」はふさわしくありません。
ましてや踵をひきずる歩き方は、だらしなさの象徴ともなりかねません。
どのような姿勢の時に踵をひきずった歩き方になってしまっているか?
それは、背中が猫背気味になり、顔だけで前を向こうとする為に顎が出て、膝下だけで歩いている。
すると、どんな方でも踵を引きずる歩き方になるのです。
これは、全体的な印象だけがマイナスになるだけでなく、ビジネスシーンでの重要なアイテム靴に
多大なダメージが及びます。踵を引きずる歩き方をしていれば、どんなに高価で素晴らしい靴で
どれだけ手入れをしても、早く傷んでしまいます。この歩き方は百害あって一利なし。
すっきりした歩き方をした方が様々な面でメリットがあります。
颯爽とした歩き方のポイントは、背筋をすっと伸ばし、胸を開く、視線は数メートル先、膝下だけで歩こうとせず、
足の付け根から動かす気持ちで、ゆったりと歩く。
少し心にとめるだけで、歩き方は確実に変わります。歩き方が変わるだけで、人の全体的な印象は
一気に引き締まり格があがるのです。
今年の日本、夏の猛暑は言葉にならないほど、歩くだけで体力を消耗し、足並みもだらりとしてしまいがちですが、
このような時にこそ颯爽と歩く方の姿は目に涼しく映ります。
経営のトップ、リーダーたるもの、率先して背筋を伸ばし、涼しい表情でスマートな歩みを示してみてください。
周囲からの評価が確実に変わるはずです。