鼻と音
前回に引き続き、顔の中心部分に高くそびえる鼻の、
コミュニケーション上大切なイメージと文化の違いによるイメージとエチケットの注意点についてふれましょう。
4月の始めに、本格的にNYへと住居を移した私ですが、
現在私の周囲では「そろそろあの季節が来る・・・」と憂鬱そうな人がちらほらいます。
そう花粉症の季節到来。1年を通してさまざまな花粉が飛んでいるので、
春だけに限ったことではありませんが、やはり花の咲く季節が最もつらい時期なのでしょう。
日本ではもう一段落しつつある頃でしょうが、こちらNYはこれからです。
また、季節の変わり目であるため、初夏のような日があったり、
肌寒い日があったりと体調を崩して風邪を引きがち。
そんなとき、その症状とその対処法によって、人の第一印象が大きく左右されることがあるのです。
それが、呼吸をする大切な機能である鼻。花粉症や風邪を引いて、詰まってしまうこともあるでしょうし、
ティッシュが手放せなかったりもするでしょう。
それだけでビジネスを行う上では、集中力が落ちてしまい大変です。
鼻を「すする」日本人
さて、鼻が詰まったり、鼻が流れてきそうになったとき、
それがビジネスシーンで大切な相手との場面である場合、どのように対処されているでしょうか?
そしてどのようにするのが自分にとっても相手にとっても良い方法なのでしょうか?
一般的には、日本人は鼻をかまずにすすり、片や欧米人は、思いっきり鼻をかみます。
日本の方は、人前で大きな音をたてて鼻をかむという行為を、相手の方に対して失礼だと思い、
頑張ってこらえて「すすって」しまうのでしょう。
しかし、この「すする」という行為が欧米文化の中では大きくエチケットに反するのです。
スープやパスタをすするのと同様ですね。これを知らずにズルズルすすっていると、
どんなに立場の高い方であっても、その教養や地位の程を疑われてしまうでしょう。
しかし、それでもやはり人前で勢い良く鼻をかむことに抵抗を感じる方は、「少し失礼」と一言伝えて、
相手に顔を向けない配慮をし、横や斜め後ろ、
そして少し下向き加減で一気に処理してしまうのがスマートです。
勿論、このようなことを考えなくて済むように薬を取っておく方法もあります。
しかし、如何せん眠気やだるさ、頭がボーっとしてしまうなど、なかなか合うものに巡り会えなかったり、
またケミカルをできるだけ摂取したくない方などさまざまいらっしゃるでしょう。
だからこそ、鼻は「すする」音をたてず、スマートにかんでしまえばそれでOKと覚えておいていただければ、
気が楽になるでしょうし、いざという時に安心です。
大切なビジネスディナーの場面などでは、すすらないように心がける項目をスープくらいにできたら、
大切なお話により集中でき、発展的な時間を過ごせること間違いありませんね。
そして、そのようなときに使用するティッシュは柔らかめなものにして、鼻の辺りの乾燥を極力防ぐ配慮も、
疲れたイメージを顔の真ん中に作らない為の方法の一つです。