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第10回 「プラスの氣を発する」

社長の「氣」

 新幹線の車中の出来事。
 新大阪から東京に移動する際、名古屋から二人のビジネスマンが乗り込んで来ました。二人は同じ会社の上司と部下で、どうやら大事な商談に失敗した様子でした。そのうちに上司が部下を叱責し始めました。
 「あれほど言ってあっただろう?」
 問い詰められても部下は無言を保っています。そのうちに上司の機嫌がどんどん悪くなっていくのが分かります。
 「お前、本当に悪いと思っているのか!?」
 とうとう上司は切れてしまいました。
 「悪かったと思っていますよ!済みませんでした!」
 部下も食ってかかるように応戦します。
 「お前、それで謝っているつもりか!?」
 聞くつもりは全くないものの、まるでコメディのような出来事が横で繰り広げられていて、思わず吹き出しそうになってしまいました。
 我々は相手の言葉を聞くとき、言葉より先に相手の発する「氣」をみています。本当に心で感謝しているときは、それが発する氣に表れています。その氣を感じた後に、言葉が裏付けとなって「その言葉が本当である」ことを理解するのです。
 先述の上司と部下のように、心の中で不満を持ってお詫びを述べたとしても、発している氣が相手に伝わってしまうので、「その言葉が本当ではない」ことがばれてしまうのです。
 飲食店などでお店に入ると「いらっしゃいませ」と声をかけられます。店員が心から歓迎しているときは発する氣に表れています。その氣と「いらっしゃいませ」という言葉が一致することで、お客さんは本当に歓迎されていることが分かります。
 「もう閉店したいのに」と思いながら「いらっしゃいませ」と声を発しても、発している氣はお客さんに伝わってしまいます。
 身体には形がありますが、心には形がありません。だから「心で何を思っていても分かりはしない」などと考える人がいるわけですが、これは大きな間違いです。心の状態は、発している氣によって「相手に」「周囲に」伝わるのです。
 合氣道の稽古でも発する氣がとても重要です。相手を自分の思い通りにしようという「マイナスな心の状態」でいると、その氣が相手に伝わってしまいます。すると相手とぶつかってしまい、相手を導き投げることが出来ません。
 相手を尊重し一体となる「プラスの心の状態」であれば、その氣も相手に伝わり、相手とぶつかることなく相手を導き投げることが出来ます。
 これは日常生活におけるコミュニケーションと同じことで、相手をプラスに導きたいのであれば、まず自分がプラスの氣を発することです。
 特に、経営者・リーダーは自分が発している氣に責任を持つ必要があります。言葉で何も表していなくても、イライラしていたり落ち込んでいたりするだけで、それが氣によって周囲に影響を及ぼしてしまうからです。
 私が内弟子時代、先代の藤平光一のお供をして全国を回っていると、餌を持っていないのに動物が近寄ってくることが良くありました。一方の私の所には動物一匹近づいて来ません。
 「なぜお前のところに動物が来ないか分かるか」
 当時、内弟子修行で自分の思い通りにならないことが多かった私は、常にイライラしていましたが、お供のときは当然のことながら平静を装っていました。しかし、発する氣は誤魔化すことは出来なかったようで、それが動物に伝わっていたのでしょう。
 「これは動物だけではなく、人間も同じことだ」
 それに氣づいて以来は「常にプラスの氣を発する」ことが私の修行の一つとなりました。調子の良いときもあれば悪いときもあります。物事が思うように進むときもあれば進まないときもあります。
 調子の悪いとき、物事が思うように進まないとき、ましてや逆境に直面するとき、プラスの氣を堅持することは簡単なことではありません。しかし、ひとたびこれを実践すると、プラスの運、プラスの縁が得られます。「運」も「縁」も人が運んで来るからです。
 ようやく動物が近寄って来るようになった今、藤平光一から優しく諭されたあの日に思いを馳せています。
 このたび「氣の道場」の合宿(1泊2日)を行うことになりました。
 良き経営を行い、業績が上がり、世の中に貢献できる仕事をするには「プラスの氣」が必須です。
 この合宿は、社長ご自身の「氣力」を高める方法、リーダーやフォロワーを導くための具体的な「氣の活用法」を鍛錬いただけるプログラムです。
 「氣」に関心をお持ちの方は、この機会に是非ご参加ください。
 
 
 

 

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