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第26回 「集中と執着」

社長の「氣」

 「集中」と「執着」、これも似て非なるものです。
 
 「集中」というと、周囲のことを全く感じられないほどに一つのことに心を向けている状態と考えられています。この理解は正しくありません。この状態は「執着」といいます。何かに執着しているとき、心は対象に固定され自由に用いることが出来なくなります。集中しているとき、心は自由に用いることが出来ます。
 
 「集中」と「執着」は見た目がよく似ているので、自分の状態を正確に掴むのは決して簡単ではありませんが、実感を通じて確認することが出来ます。
 
 確認するポイントは大きく分けて3つあります。
 
 1. 周囲のことを感じられるか
 
  執着しているときは、周囲のことを感じ取れなくなっています。視野も著しく狭くなっています。反対に、集中しているときは、周囲のことを(自然に)感じ取っています。視野も広く保たれています。
 
 2. 極度に疲れやすくないか
 
  執着しているときは、極度に疲れやすい状態です。反対に、集中しているときは持続を出来る状態です。執着しているときは氣が切れやすく、集中しているときは氣が切れにくいのです。
 
 3. 心を自由自在に使えるか
 
  執着しているときは、心は不自由な状態です。反対に、集中しているときは、心は完全に自由な状態です。自由な発想は「執着」ではなく「集中」から生まれます。
 
 「集中」と「執着」を混同する原因の一つは、どちらも力があることです。「集中」が強く、「執着」が弱ければ混同することはないのでしょうが、そうではありません。しかし、何事を達成するにも「持続」が前提であることから、実際のところ「執着」では役に立たず、「集中」が必要になるのです。
 
 特に、武道においては周囲のことが感じられなくなったら全く役に立ちません。例えば、剣を持つ相手と対峙したとき、相手の剣先に執着すると剣先以外が全く見えなくなり、その瞬間に身動きが取れなくなります。集中しているときは、剣を持つ相手全体が見えているだけではなく、周囲と一体になり、周囲のことが感じられます。だからこそ、瞬時に動くことが出来ます。
 
 トップレベルのプロアスリートを指導していると、「集中」と「執着」の違いを感覚的に理解しているのが分かります。視野が狭くなっているときは調子が悪いことを、多くの選手は感じ取っています。しかし、問題は「狭くなっている視野をどのようにリセットするか」です。その具体的な方法として心身統一合氣道に基づく「氣の意志法」を指導します。
 
 氣の意志法は全身を用いた瞑想で、天地自然の「無限小に静まる」「無限大に広がる」「常に変化する」という性質に基づき、心の使い方を訓練します。これにより、執着して不自由になっている心の状態をリセットすることが出来ます。時間も場所も選ばずに実践出来ますので、日常生活で訓練することが重要です。
 
 あるいは、大自然のなかに身を置くことも方法の一つです。大自然のなかにいると、視野は自然と広くなり、周囲のことも感じられ、心を自由に使えるようになります。現代社会では、次々と処理しなければいけないことが生じます。また、スマートフォンやパソコンなど、ただでさえ視野が狭くなる生活を送っています。そんなときは、思い切って大自然に身を置くことも大きな助けになります。
 
 実際に、大自然のなかでのトレーニングを取り入れるアスリートもいます。経営者やリーダーにとって、正しい判断をするためには、心を自由に使える状態にしておかなければいけません。しかし現実には、目前のトラブルや、目先の利益などに執着しやすいものです。心が固定され不自由になると、正しい判断は出来ません。
 
 だからこそ、経営者やリーダーこそ、「集中」と「執着」の違いを良く理解し、氣の意志法で心を鍛える必要があるのです。実際に多くの経営者が道場に通われていますが、道場に来る前とくらべ、道場から帰るときに「視野が広くなった」という方がおられます。それを目的に道場に通われている方も少なくありません。
 
 さて、今この記事を読んでおられる皆さんは、集中しているでしょうか。あるいは執着しているでしょうか。
 

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