画面がキレイで、写真画質も向上。スマホの進化は一段落した感がありますが、細部に注目すると、面白い機能が増えていたりまします。今回ご紹介するのはiPhone(*iPhone 13以降)の動画撮影機能に含まれる「シネマティック」モード。日常の風景を、映画の1シーンのように残すことができる機能です。いつも携行している「スマホ」は、カメラ専用機よりもチャンスに遭遇する確率が高いので、是非ご注目を!
■iPhoneの「シネマティック」とは?
スマホは、写真撮影と同様に、動画(ムービー)撮影ができるのは皆さんもご存じと思います。しかし、動画の撮影となると面倒で、データ量も多く、またSNSにも投稿し辛いなど、手軽とは言えません。そう、モチベーションが湧きにくいものです。
iPhoneの動画撮影機能に含まれる「シネマティック」モードは、撮影後に、ピントの位置を選択したり、絞りの値を変更して「ボケ」も調整できる機能。例えば、映画のように、被写体にピントを合わせて背景をボカすことで立体感を表現したり、またその逆など、誰でも簡単に映像演出ができるのが特徴です。
■「シネマティック」はスマホならではの電子加工
この「シネマティック」の被写界深度によるボヤケやピント調整は、電子的な加工によるもの。光学的に行っている訳ではないので、あくまでも「加工」や「演出」に相当するものですが、SNS投稿程度なら充分に映える自然な映像を残すことができます。カメラ専用機よりも演算能力が遥かに高い最新スマホの能力を利用した、新しい楽しみ方と考えると良いでしょう。
■実際にはこんな感じで撮影できます
撮影時は概ね自動で被写体を選択し、前後をボカした動画を撮影します。
「シネマティック」モードが本領を発揮するのは撮影後。編集機能を使うと、ピントの位置を自由に設定したり、動画の途中で変更することも可能です。そう、撮影時に失敗したと思っても、後から自在に調整が可能という訳です。
① ピントが全体的に合っている(撮影されている元データ)
② 神輿にピントが有っていて、前後がボヤケ、立体的。
③ 神輿方(人物)にピント位置を変更した例。
YouTubeに動画もアップロードしてますので、ご興味のある方はご覧ください。
https://youtube.com/shorts/AMSz6lH492E?feature=share
■さいごに
動画撮影と言えば、ムービーカメラが定番でした。今でも、望遠機能などはスマホが到底及ばない部分ですが、サイズが比較的大きく、いつでも携行する訳には行かないので、日常のちょっとした風景を残すには不向きです。絶対的な画質という点では、大型撮像センサーを備えた1眼カメラが有利ですが、操作面で動画の撮影に不向きなのは否めません。実際、この動画を撮影した際、知人が1眼カメラで撮影していましたが、帰宅すると、操作ミスで、全てが「スロー撮影」になっていた…との事でした。
スマホカメラは画質的に最高ではありませんが、誰でも失敗なく撮影できるという点では非常に優れています。また、今回ご紹介した「シネマティック」のように、高い演算能力を活用した表現力の高さも、カメラ専用機では無しえない部分です。
みなさんも、iPhoneの「シネマティック」で、日常のなにげない風景を、映画のように、そしてドラマティックにと、楽しんでみてはいかがでしょうか?