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不動産

第86回 「 リビング・ダイニング 」( LD )の広さは住戸専有面積の25%以上確保の事。

売れる住宅を創る 100の視点

今回も前回と同じフェーズ8「 モノづくり 」の「 こだわり 」です。その第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第20項目である『 「 リビング・ダイニング 」( LD )の広さは住戸専有面積の25%以上確保の事 』に関してのお話を致します。
 
前回はフェーズ8の「 モノづくり 」に於いて、住まいの『 ハード面の重視 』の大切さを認識して戴く目的でこのコラムに於いて25項目用意致しました中の、第19項目『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』の御説明を致しました。
 
今回も「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」に於いて商品企画等の良し悪しに依って購入予定者からの売主及び事業主の「 モノづくり 」に対する配慮や姿勢が問われていますので『 「 リビング・ダイニング 」( LD )の広さは住戸専有面積の25%以上確保の事  』の理由を皆様に詳しく御説明致します。
 
さて、今回も建築家として、私が最も得意とする「 モノづくり 」における商品企画や基本計画等で大切な「 こだわり 」の御説明であります。
 
「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」の住戸への「 モノづくり 」に対する「 こだわり 」に於いて売主が入居者( 購入者 )へ細かな配慮された商品を製造・販売しているか否かが、購入予定者にとって大変大きな判断基準になりますのでよく御覧下さい。
 
さて、このコラムで、申し上げていますが、この処の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの顕著な傾向は、購入者( 入居者 )へ配慮有る良い商品を作って分譲している良心的なディベロッパーと、販売力の強さや数字のみに頼って「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等を企画・販売しておりますディベロッパーとの「 2極分化 」がかなり顕著になってきております。
 
現在、販売力の強さと数字のみに頼って製造販売しているディベロッパーに於いては、かなり多くの完成在庫住戸を抱え苦戦を強いられています。その結果売れずに竣工後2年以上の「 完成在庫住戸 」が多いのが現状です。
 
更に、現在の不動産業界は益々、資本主義の原点である「 弱肉強食 」的傾向が強くなり「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」がどんどん進み、その結果、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが超大手ディベロッパーに吸収合併されております。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが、これら将来にわたり、それらの超大手や大手の会社に対し、独立独歩で対峙し勝負するには、分譲予定物件の商品企画等の「 質 」と「 モノづくり 」はトコトン細かい所まで「 こだわり 」や「 誠意 」を持って魅力有る商品を作らなければ価格競争の渦に巻き込まれてしまい損益を計上し「 倒産 」( 破産では無い )の危機をむかえるのでは…と危惧致しております。
 
そして「 誠意 」が感じられる「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」を供給していかなければ生き残れないでしょう。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは社風を良く変えなければなりません。
 
具体的に申し上げれば、購入予定者が売主及び事業主の「 こだわり 」や「 誠意 」を敏感に感じられ購入意欲が湧いてくる物件を分譲する様な会社にしなければなりません。
 
そして入居後も購入者( 入居者 )が満足し、クレームの起きない良い商品を作り続ける事で知名度も上がります。
 
私の経験では、例え万が一、クレームが生じましても、購入者に迅速に誠実に対応すれば「 雨降って地固まる 」で誠意や信頼度が回復可能なのです。
 
売主や事業主の誠意と信頼が感じられ入居後もクレームの起きない良い商品を作り続ける事に依り潜在顧客の信頼度も高まり、価格での販売競争にならずに済むのです。
 
その結果、不動産業界や一般社会に於いても良い評判を立てる事ができますので、生き残れる道だと実感しております。
 
これらの事を継続されていれば、自ずと会社の信用度が高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )に結びつき「  超大手、大手ディベの寡占化  」に楔( くさび )が打てます。
 
その様に行い続けていけば、準大手ディベや中堅ディベが、 超大手、大手ディベに対峙し対等に勝負できる個性の有る会社になると私は確信しています。
 
そして、今回御説明致します顧客への配慮である『 「 リビング・ダイニング 」( LD )の広さは住戸専有面積の25%以上確保の事  』を御覧戴いて、新規分譲マンションや建売戸建等の商品企画時点に商品に反映されれば、魅力的で同業他社物件と差別化された良い商品になるのでは…と思います。
 
この様な商品を作り続けていけば、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーも不動産業界だけでなく、一般の社会に於いて会社名や「 ブランド 」名の知名度も上がり販売におおいに寄与すると確信致しております。
 
ですので、今回の私のコラム86号『 「 リビング・ダイニング 」( LD )の広さは住戸専有面積の25%以上確保の事  』を参考にされて細かい配慮の有る「 モノづくり 」を継続する事が、不動産業界の中で超大手や大手ディベロッパーと同様、又はそれ以上に世間は評価すると思います。
 
それでこそ、準大手や中堅ディベロッパーが生き残れる唯一の道だと私は確信しております。
 
「 継続は力なり 」です。そして特に準大手や中堅の売主及び事業主には、いつも申し上げていますが「 誠実に勝る近道無し 」を心がけて戴きたいものです。
 
もはや現在、日本全国で820万戸、首都圏( 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県 )だけでも250万戸以上もの空き家が有る不動産業界で準大手や中堅ディベロッパーが超大手や大手ディベロッパーに勝てるのは供給戸数の数よりも商品企画等の「 質 」や「 こだわり 」だけだと確信しております。
 
その様な「 良質 」の商品を世に出す為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第20項目であります今回のコラム『 「 リビング・ダイニング 」( LD )の広さは住戸専有面積の25%以上確保の事  』の内容は「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」の商品企画・基本計画及び実施設計段階で取り入れて戴ければ、購入者( 入居者 )への細かい配慮の判断基準となると信じております。
 
今回の内容は、潜在顧客の売主評価に多いにつながる大切な事です。
 
手前味噌になりますが、今回も私が今迄約30年以上手がけました「 新規分譲戸建 」や「 新規分譲マンション 」等の設計業務、工事監理業務や設計監修の経験に基づいた大変貴重なお話なのです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々はこれから進める「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の商品企画・基本計画や実施設計時点に於いて、特に今回のコラム86号『 「 リビング・ダイニング 」( LD )の広さは住戸専有面積の25%以上確保の事  』の内容を良く理解し「 新規分譲マンション 」や「 分譲戸建 」等の設計内容に取り入れて下さい。
 
特に、今回のコラム内容は「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」を購入された入居者への細かい配慮等につながる事ですので、購入の決定を左右する貴重なお話しです。
 
そして、これも毎回何度も申し上げていますが、「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」の計画時点で実行して戴きたい事が有ります。
 
私が今までの設計業務や設計監修業務の経験を踏まえて申し上げたい事は、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、絶対に『 製販一体 』の体制で商品企画を行う事です。
 
「 分譲戸建 」や「 分譲マンション 」等の商品企画会議では製造部門と販売部門が一体になって戴きたい事です。
 
その理由は販売部門が顧客の生の声を商品企画会議で発言し製造部門に伝え、その内容が良ければどんどん商品企画や商品説明の内容等に反映できるからなのです。
 
更に、今回の『 「 リビング・ダイニング 」( LD )の広さは住戸専有面積の25%以上確保の事  』の良さが具体的に販売部隊の方々も良く理解でき伝えられますので、顧客に対して自信を持って同業他社の物件への差別化を「 セールストーク 」できるからなのです。
 
前置きがいつも長くて申し訳ございません。
 
今回は分譲物件に於いて商品企画や基本計画等で重要な配慮であります『 「 リビング・ダイニング 」( LD )の広さは住戸専有面積の25%以上確保の事  』をこれから具体的に御説明致します。
 
さて「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」の3LDK住戸は通常、LDが占める広さは住戸専有面積全体の25%( 1/4 )以上が正当なのです。
 
例えば住戸の専有面積が68平米ですと、その25%は17平米( 不動産公正取引協議会では1帖は1.62平米と規定:17平米÷1.62平米≒約10.5帖 )になります。
 
私は建築家として、3LDK住戸のLDの広さは最低でも10帖以上は必要だと思います。
 
その結果、3LDK住戸専有面積は66平米( 約20坪 )以上が最低限です。
 
最近の良くない傾向で帖数表示を少しでも広く見せる為に「 旗竿型LD 」がかなり目に付く様になりました。
 
この「 旗竿型LD 」とはLDの扉の位置を玄関方向に約3m程度移動し、本来なら廊下であるはずの部分の面積をLDに取り入れてLDの広さであります帖数表示を稼いでいるものです。
 
「 旗竿型LD 」で12帖表記のプランをよくチェック致しますと、LDに取り込んでいる廊下の部分が約1.5~2帖くらいありますので、実際にLDとして使えるスペースは約10帖~10.5帖になります。
 
この実際に使えるLDの広さが10帖~10.5帖で形状が正方形に近いですと更に良くありません。
 
食卓セットやソファセットの配置が難しくあちこちにデッドスペースが生じましたり、先程の食卓セットやソファーセットが離して置けない状況になってしまいます。
 
特に旗竿部分のスパースを除いたLDの広さが12帖以下ですと上記の件が顕著に現れます。
 
また「 旗竿型LD 」で入居後に問題になりますのが、旗竿部分の廊下状スペースより出入り致します洗面脱衣室・浴室です。
 
入浴時の出入りがリビングから丸見えですので、家族同士とはいえあまり気持ちの良いものではないですので、とても不評です。
 
これらの事象は売主や事業主の常識や配慮が疑われ、評判を落とし売れ行きが悪くなりますので御注意下さい。
 
今回、コラム第86号では『 「 リビング・ダイニング 」( LD )の広さは住戸専有面積の25%以上確保の事  』の御説明を致しました。
 
この上記内容を「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の企画や基本計画等を行う上でとても重要で大切な事ですので、是非参考にして戴きたいと存じます。
 
私は、常に超大手や大手ディベロッパーは一流とは限らないと私は言っております。
 
私の独断で申し上げれば、建築的価値観では一流と評価できますディベロッパーはほんの数社しか有りません。ほとんどが三流ディベロッパーなのです。
 
一流のディベロッパーは常に購入者( 入居者 )への細かい配慮が行き届いた質の良い分譲マンションや建売戸建等を供給しています。
 
何度も申し上げています様に、不動産の分譲事業で一番大切なのは売主及び事業主の信用と顧客に対する細かい配慮や物件の商品企画の質です。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」に対抗し勝つ為には分譲物件の質の良さ、顧客への気遣いや配慮及び将来クレームが生じないマンションを作り続ける事なのです。
 
ですので、毎回何度も注意を促しておりますが、商品内容の質やクレーム等で信用を落とすのは一瞬ですが、再度信用を築くには最低10年以上はかかります。この事もよく肝に銘じて下さい。
 
次回、第87号はフェーズ8の「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第21項目である『 「 収納面積 」は住戸専有面積の8%以上確保する。 』に関してのお話を致します。
 
皆様良い御年をお迎え下さい。
 
次回の内容も期待して戴ければ幸いと存じます。
 
 
以上。


 
 
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